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東方創生判  作者: オリーブ油
永夜抄編
17/38

第十七審 月の薬剤師の巻

月の色と聞かれたら僕は光った白が出てきます。

みなさんは何色を思い浮かべますか?

「うどんげを倒したと言ったわね、相当強いのかしら?」

「オレにはウサギ狩りのセンスがあるみたいなんでね~っ」

 ツルをムチのように伸ばし、攻撃を仕掛けた。

「ツタ?それで私を縛ろうっていうの?」

「せいか~い!趣味じゃねぇがしばらく放置させてもらうぜぇ!」

 ツルが女に絡み付けようとすると、女がポケットから液体が入った小瓶を出し、ツルに向かって投げ当てた。

「何ぃ!!ツルが枯れていく!てめぇ、何をしたんだ!?」

 ツルを引き戻して見ると枯れたところから薬品の匂いが漂ってきた。

「こいつは除草剤とかの農薬に入っている成分を濃縮したようなものだ......。これか、新鮮なツルが、一瞬で砂漠に生えるようなカサカサの植物みたいになったのは」

「茨戸!!アブねぇ!」

「え?なにぐぎゃぁあ!」

 頬に鈍い痛みが突き刺さった。例えるならアイロンをぶん投げられたような破壊力だ。体が宙に浮き棚に叩きつけられた。

「痛ってぇ~。な....なんて...レディーだ......」

「香港映画か、なんて蹴りだ......。完全に頭部を狙っていた」

「直撃ではないわね。あの感じは......そうね、クッションごしに当たったみたいな感じ」

 雁来が空気のクッションを作っていなかったら、歯は間違いなく折られていただろう(ガードあっても打撲並みの痛みだが)。

「茨戸はそこで黙ってろ。こいつは俺が倒す」

「血の気が多いことね。そんなあなたにはこれを」

 今度は違う薬を取り出して投げつけた。雁来は能力で壁を作り触れるのを防いだ。助けに行きたいが背中を強く打ったらしく、うまく動けない。

「さっきのクッションもあなたね?えーと、空気を固められるのかしら。厄介ね」

「厄介なのはお互い様だ」

「(チッ、オレのこと2人共忘れてやがるぜ。)」

 少し脅かしてやろうと、トビウオを飛ばしてやろうとした。しかし、直線上に雁来が重なったり、急に動き出したりで何回も中断される。

 雁来の能力があれば当たることはない。しかし、空気の壁はこっちからの攻撃もシャット・アウトされる。つまり、こっちが攻撃するにはガードを一旦解除しなくてはならない。

「さっきから、すごい怖い目ですね。視線が痛いです」

「怖い目は生まれつきでな。それとも視線を感じないように殺してやろうか」

「結構、あなたはもう私の薬にかかっているから」

2人の動きが止まった。いや雁来が先に止まったのだ。

「おい、雁来!立ち止まってんじゃねぇ!どうしたぁ!」

「だから、言ったじゃない。もう彼は私の薬を飲んでいる」

 飛ばされてから今まで雁来から目を離さなかった(動けなかったからだが)。投げられた薬品類は全部ガードしていたし、雁来には一瞬のスキもなかった。

「薬が見えるものだけと、いつ決まったの?」

「バカな!吸入薬とかならあるがいつそんな薬を......まさか!」

 床を確認するとさっき投げられていた薬が蒸発し乾き始めていた。

「そう、あの薬は揮発性を持った薬品。そして吸えば、細胞のひとつひとつが仮死状態になり、心臓までもが止まり死に至る」

「この野郎~ッ!」

 痛みを忘れて立ち上がり、トビウオを飛ばした。

「さっきから、植物やら魚やら。マジックが趣味なのかしら?」

「趣味ならいいけど残念ながらこれが能力なんでねぇ。非戦闘向きなのよ。でも、お前を倒して雁来を助けられる力はある。雁来、少し待ってろ」

「御託を並べてもできなければいっしょで......」

 天井の電球をヘビに変えての奇襲だ。それもガラガラヘビとかの特別ヤバイやつ。

「これで非戦闘向き......?バカとハサミは使いようというわけ......?」

「いっぱい薬はあんだろ?解毒剤ぐらい自分でなんとかしろよ。まあ、それまで体がもてばいいけどなぁ。すでに毒は全身を巡りつつある」

 女はその場に倒れ苦しみだした。雁来を肩に担ぎ、外に出ようとしたその時だった。

「......なーんて、だまされましたか?」

 女が立ち上がった。それも毒を受けた体とは思えないほど健康的な生命反応で。目も開いているしやせ我慢している様子はみじんもない。

「バカな!あのヘビ毒は最終的には筋肉が壊死していく程の毒だぞ!」

「私は不死身で不老不死になる蓬莱の薬(ほうらいのくすり)を飲んだ蓬莱人(ほうらいじん)なの。毒とか害になるものは全然効かないの」

「ほ~、つまりこういうことか?さっきのガラガラヘビでお命頂戴いたしやす作戦は失敗したと」

「さ、次の作戦はどんな名前なのかしら?」

 完全におちょくっている。オレはおちょくるのは好きだ。でもされるのは一番嫌いな行為だ。この今の状況も例外なく腹が立つ。

「そ、そうだな~、ヒーローが来て助けてもらうヒロイン役になろう作戦とかどうだ」

「ご都合主義が通じるとでも思っているんですか?」

 てか本当にヤバい。毒が効かない?オレの攻撃の大半が毒使うやつだってのに。オレから毒とったら何が残るってんだ!あとはせいぜい小動物を操って攻撃するぐらいのことしかできないし。

 ん?小動物?

「おい、雁来辛いだろうが頼む」

「......ああ、わかったよ......」

「2人で何の相談かしら?キャアッ!」

「命令どうり、狂いはない」

 呼び寄せた集団と今マッチで作った集団をまとめた特大集団だ。足先から頭部にまで張り付かせている。

「さっきヘビに噛まれたときそれに気づいてた。お前は不死身といったが、痛みは感じるようだな。このままネズミに体中を食いちぎらせて、痛みで気を失わせることもできるというわけだ。それとも体中のネズミをすべて潰すか?」

「集団戦法ですか?ずいぶんかわいい軍隊ですね」

「余裕だなぁ。その余裕ごと噛みちぎってしまえ!」

『ドギャーンッ!!』

「なにィ......グハァ!」

 この音、この生命反応、こいつは!

「やっと一発。撃ちこんでやれたわ」

「よくも、このクソウサギがぁ!」

「あら、あなた。うどんげを倒したとか言ってなかったかしら?」

「縛っただけで命を取らなかったのが生死を分けたわね」

 足に弾丸がクリーンヒットし、まともに立っていられない。肩にある雁来を支えられず膝から崩れ落ちた。

「昔から爪が甘いってよく言われんのよ......。ご忠告どうもね」

「こいつ......!」

「待ちなさい、うどんげ。この少年は私がやります。結構追いつめられましたからね。尊敬の念を持ち地獄に送ります。主人の命令なしには動けないネズミは主人がやられて、おびえ恐怖し、逃げるものまでいる。やはり、この程度の能力だったようね」

 ネズミが声を上げながら殺されていく。黙ってみていることしかできない自分にいらだつ。

「やめろ......。ネズミは見逃してやれ......」

「ネズミを見逃せ?今、あなたが生きているのはこの子達が時間を稼いでいるからよ。見逃したらかわりにあなたが死ぬ番が早く回ってくるのよ。それでもいいのかしら?」

 何も言えなかった。また、女の手がネズミに向かって伸びていく。そしてもとに戻った。もとの物体に。

「えっ!?何!?火が!!きゃあああああ!!」

 次の瞬間、女の体から一斉に火の手が上がり、燃え始めた。

「師匠ーッ!!一体何がどうなって!」

「人の心配してる......場合かよッ!」

 トビウオを顎に向かった放ちひるませてから、ツルでもう一度縛り上げた。二重に。

「火なんて、一体どうやって!」

「さっきマッチにつけた火を、雁来に固めてもらってネズミに変えた。生み出した生物が死んだらもとの物体に戻るのがオレの能力のルール。いくら不死身でも細胞を燃やされて平気でいられるかな?」

「うう......なんて少年.......」

「ハァー、ハァー、少年かよ~~。青年とか言ってもいいんじゃねぇのぉ?永琳さんよぉ」

 高熱に耐えられずに女はそのまま床に倒れ込んだ。

「......おっと、マズいぜ。燃え広がっちまう」

 雁来を寝かせて水を探し歩いた。幸いにも薬を作るときの水があったのでそれをぶっかけた。

「茨戸......大丈夫か?」

 雁来が目を覚ましたらしく寝たまま聞いてきた。どうやら吸い込んだ量が少なかったから症状が引いたようだ。

「大丈夫か、はオレの台詞だぜ......」

 『ガッシャーン!』

突然何かが割れる音がした。大きさからすると窓ぐらいだろうか。足音が近づいてくる。

「こんな時にお客か?家のやつらみんな倒しちまったぜ?」

「窓割って入ってくる客がどこにいるんだよ......」

最近、妖夢でも出してみたいかな~とか思ってるんですけどどうなんですかねぇ

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