新たな天使との出会い
「ってアスカ…お前急に起こすな」
「だって!マサ兄ぃ気付いてないの?警告出てたんだよ!?」
警告…?
「警告ってなんだ?全く身に覚えが無い」
「心拍音も凄くて…警告音も鳴るし…私怖かったんだよ…」
なるほどな…。”セカンド”で痛覚制限を解除したこととゲヘナの使用で現実でもハイになってたのか。
「すまん。気を付ける」
「もう…じゃあ私も直ぐ”セカンド”行くし…今日こそ来てよね」
「あぁ。と言うよりお前らに合う為の時間を潰してたと言うか」
「どうせ戦闘でしょ!偶には…街をい、一緒に…歩いたり…さ?しようよ」
「偶にはな。まぁ俺はもう大丈夫だ。心配かけたな…アスカ」
。
。
「一応ドロップアイテムでも見るか」
”セカンド”に戻り、【夜光】を倒した報酬を探していた。
「あったあった」
【ドロップアイテム一覧】
【夜光の幻想核】
【熾天使の燐翼】
【幻想フィルム】
「思ったよりも少ないな」
武器やアクセサリーならば高値で売れたんだが…。まぁ無いものは仕方ない。
「それに…幻想フィルム?カメラ……ともまた違う。なんだこれ」
【幻想フィルム】
景色を撮影する事が出来る遺物【アーティファクト】。分類『神話遺物』
撮映回数残り--回。撮影した映像や画像は現実世界に投影する事が可能。
「何!?現実世界に!?」
それはかつてない事だった。”セカンド”には写真撮影機能や動画撮影機能はある…と言うより可能だ。だが、”セカンド”内の写真などは、”セカンド”でしか見る事が出来なかった。いや、見る手段が無かった。
「ヤバい奴だな…これ。レアとかそう言う次元じゃねぇ」
レア度も聞いた事ない『神話遺物』。
これが知れ渡ると…どんな手を使っても入手したい奴も出てくるレベルだ。まだ武器やアクセじゃないだけマシ…なのかもしれないが。この場合はそれよりも価値ある物かも知れない。
「うわぁ…綺麗…」
「誰だ!?」
突如背後から声が聞こえる。
「わわっ…ごめんなさい…。その…この海が綺麗って…さっき聞いて…」
後ろを振り返ると…そこには長い耳に白い髪。そして乳白色の磁器を思わせる肌を持つ美少女が居た。
「いや…すまん。ちょっと考え込んでてな。良かったな。この時期はこんな綺麗な海見れないが…今日は運がいい」
「そうなんですか?ふふっ…私運が良いんだ」
そのコケティッシュな笑顔が脳に焼き付く。
「後はゆっくりしてくれ。俺はそろそろ街に戻る」
気恥ずかしくなり、そう少女に告げ、その場を後にしようとする。
だが…予想外にも、それは少女により阻まれた。
「待って下さい!……その…少しお話しませんか?」
「な、何故?」
まさか幻想フィルムがバレたか?不味いな…。
「その…私、人と喋る事ってなくて…それに…こんな綺麗な夜空を見るのも初めてなので…ちょっと舞い上がっちゃいました…。忘れてください!」
恥ずかしそうに、先ほどの提案を取り消している。
「……いや、俺もまだ時間はある。少し位な付き合う」
俺がそう返すと、少女の顔が輝く。この顔を見ると、承諾したのも悪くないと思える程に輝いて見えた。
決して人懐っこい笑顔い未了されたとかではない。断言する。
「ありがとうございます!」
「君……何て呼べばいい?」
少女の名前が分からない以上、君かお前と呼ぶことになる。
「あ、すいません…私はサーシャって言います。阿澄サーシャです」
”セカンド”は基本的に本名…と偽名が半々位だ。だが何故だろう、本名な気がしてならない。
「分かった。じゃあサーシャで良いか?俺はマサキで構わない」
まあ、俺も本名なので変わらないけどな。
「大丈夫です。よろしくお願いします!マサキ…さん」
何故だろう。顔を赤くしながら名前を呼ばれるとこそばゆい。と言うより、その表情は反則である。別に見惚れてなどいないがな。
「サーシャは”セカンド”に来てまだ日が浅いのか?」
初めから思っていた事を口にする。会話の節々から”セカンド”に慣れていないと感じていた。その疑問を解消する為の質問である。
「はい。今日初めてなんです。その……現実は少し退屈で」
「なるほど。初日でこんな辺鄙な場所に来るとは、お目が高い…」
というより、誰か教えてやれよ。この時期は夜空が見えないただの海だと。
「その…よければふれんど?になりたいのですが...ダメでしょうか...?」
「問題ない。この時間にログインしてるって事はよく会うだろうしな」
セカンドは生活リズム的に合わない奴とは会う事がない。その為生活リズムが合うフレンドを見つけるのは割と重要だったりする。
俺?俺はもちろんフレンドは少ない。”セカンド”に来て以来機会を逃しまくった結果、フレンドはリアルの知り合いくらいになってしまった。
「あ、ありがとうございます!やったぁ…友達ができました…」
リアルがよっぽど充実していないのか?なんて失礼なことを考えてしまったが、人それぞれなので深く聞く事はしなかった。
「あの…戦闘?ってどうすれば良いのか教えて貰っても良いですか…?」
そんな顔で頼まれて断れるやつなど存在しない。ここは承諾するしかなさそうだ。(敗北感)
「サーシャの初期職は…多分僧侶だな。上級に回復特化のプリーストとかドルイドがあるな」
「おぉ〜。ふふっ…なんか新鮮で」
「そうか?楽しいなら良かったよ」
「あぁ現実に戻りたくないなぁ…」
何故だろうか、その表情は凄く寂しそうで、それでいて諦めているような表情だった。
その様子に何も言うことが出来ない自分が情けなく感じてしまう。
そこから小一時間程、戦闘の基礎を教える事となった。
聖癖を詰め込め。
幻想フィルム...それが物語の核となる予定です(確定)
ヒロインちゃんが登場




