終章- 刻のカケラを巡る-40 歌と機械神の出撃
――決戦は、もう始まっている。
剣を取る者。
歌を捧げる者。
それぞれの場所で、それぞれの覚悟が火を灯す。
第6部ラストバトル、出撃開始。
≪ヴゥゥゥゥゥン……≫
魔法戦艦アルゴー号の主機関が唸りを上げる。
氷世界ニブルヘイムの上空。
吹雪を押し退けるように――
巨大な船体が、ゆっくりと前進していた。
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作戦指令室。
雷牙尊の指が戦術盤を滑る。
「全機、出撃準備」
その声に一切の迷いはない。
「対ナインライダー迎撃班――」
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≪カン≫
発艦シークエンス開始。
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格納庫から凍てつく蒸気が噴き出る。
跳ね上がる魔力反応。
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「よォし……行くぞ塵芥君」
ミスティルが笑う。
その背後には氷の巨神パゴス・ギーガスの姿がある。
≪ゴォォォォォ……≫
絶対零度の魔力炉が回転を始める。
塵芥鏖が舌打ちする。
「……相変わらず無茶な社長だな」
だが――その目は笑っていた。
「だが嫌いじゃねぇぜ!」
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「乂阿門将軍、発進準備完了」
赤いフレア光。
白い装甲。
強欲の魔王の機械神改獣アモン・サーガ。
紅茜が静かに席へ腰を下ろす。
「……旦那様」
阿門は前だけを見ている。
「……行くぞ、紅茜。雷華を救いに行こう」
≪ドォン≫
夫妻を乗せた白き魔王の機械神が発進する。
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「絵里洲〜!覚悟は出来てるかあああ!?」
漢児が叫ぶ。
「出来てるわけないでしょおおおお!! 降ろせえええ! 降ろしてアホ兄貴〜〜〜!!」
「いい元気だ! 行くぞおおおおお!!」
「いひやああああああああ!!!」
絵里洲の悲鳴が轟き、蒼き巨神アーレスタロスが発進する。
≪バシュゥゥゥゥゥ≫
「人殺じいいいいいいい!!」
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レッドが剣を担ぐ。
「……行くぞ、歌姫」
ブリュンヒルデが微笑む。
「……ええ烈人」
紅き竜機ロート・ジークフリードが真紅の炎を燃やし続く。
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「スカーレット家兄妹の力……見せてやるぜ!!」
「ええ、お兄様!!」
シグルドが吠え、クレオラが続く。
炎の巨神機ピュリノス・ギーガスが暗炎の炎を燃やし翔ぶ。
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「フ、我ら乂家兄妹も負けてられんな!」
「兄上、今回のナイトライダー戦は集団対集団の戦闘となるでしょう。コンビネーションが勝利の鍵です。」
「うむ、承知した!」
乂族兄妹のケルビムベロス機が銀光を煌めかせ発進する。
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「銀河連邦女子最強のルシル様と出撃できるなんて光栄ですの」
「エスコートはお任せください。必ずや貴方を守り抜きます。」
聖剣機ラピュセルが迦楼羅すももの瞬間移動能力で一気に空に躍り出た。
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「亜突、ナインライダー達の殺せそうな線はみえてる?」
パートナークィンの問いかけに亜突は応える。
「問題ない」
親指を上にあげ
「視えてるさ。鵺に手を出した奴らに目にものをみせてやるさ!」
時計仕掛けの蒼刃機ブレイドブルーが発進した。
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八機の機械神が――
吹雪の中へと飛び出した。
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一方。
アルゴー号・最深部。
スーパーシークレットルーム。
そこは――神域だった。
十二の座。
十二の魔法陣。
十二の色。
神羅が観客のいないステージ中央に立つ。
ピンクの光。
震える指。
だが――瞳は強い。
「……やろう。雷華を呼び戻そう!」
フレアが笑う。
「派手にいこうぜ」
アクアが肩を回す。
「奇跡ってやつ、起こすわよ」
鵺が静かに目を閉じる。
「……同期完了」
月読が神羅と鵺を眩しそうに見る。
そして心の中で思う。
(……15年の空白を経て、ユキルちゃん、ユエちゃん、再び貴方達とまた歌を歌う事ができるなんてね。もうリリア・リリアだった頃とは違う。私はひとりぼっちじゃない……)
エドナは弟の無事を願い歌う。
(オーム、今度は神羅ちゃんの前でカッコ悪いとこ見せたらあかんで。シュリちゃんと一緒にバシッと風牙さん助けて惚れ直させるんやで!)
ミリルは雷音と雷華の無事を願い歌う。
(雷音頑張るのだ!雷華ちゃんを絶対無事に連れ戻すのだ!)
セレス。
リリス。
ネロ。
白水晶。
イサカ。
残りのみんなも奇跡を歌を歌う。
十二の魔力が共鳴する。
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≪ドクン≫
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雷牙尊の声が響く。
「十二色共鳴詠唱――開始」
光。
神性。
魂。
「――女神の歌を」
だがその時すでに、
戦場では最悪の一手が動き始めていた。




