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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第八百二十話 次なるエリア


---三人称視点---



 力天使りきてんしメルキセデクの討伐から、約二十時間以上が過ぎた。

 尤もこの天界では時間の概念がないので、

 天界遠征軍は再び一時間砂時計を何度か使用して、およその時間を計った。


 この間に入浴や睡眠に時間を当てたが、

 眠気がない者が多かったので、

 魔導師達が睡眠魔法を使用して、多くの者を安眠させた。


 この天界では、空腹だけでなく、

 睡魔に襲われる事もないようだが、

 いつ異変が起きるか、分からないので、

 魔王レクサーの名の許に兵士達には休息を与えていた。


「うむ、充分に休息は取れたようだな。

 では各部隊の隊長とその隊員は、

 余と一緒に奥にある祭壇の間へ進むぞ」


 魔王がそう言ったので、

 各部隊の隊長も魔王の言葉に素直に従った。

 そして全員でゆっくりと祭壇の間へ進んだ。

 程なくして、本殿エリアの奥の祭壇の間に到着。


 祭壇の間には手前と奥に転移ゲートがあった。

 次のエリアへ進むには、奥の転移ゲートを潜る必要がある。


「……」


 魔王レクサー、そしてラサミス一党の視線が

 自然と猫族ニャーマン銃士ガンナーラモンに向けられた。

 その視線を受けたラモンは良い笑顔で――


「オウ! またオレ様が潜るぜっ! それで良いのだろ?」


「うむ、頼んだ」


 と、魔王レクサー。


「オーケー、オーケーッ!」


 そう言って、ラモンは奥の転移ゲートに入り込んだ。

 するとラモンの身体が光に包まれて綺麗に消えた。


「本当に物怖じしない奴だな。

 ある意味、戦場においては貴重な存在かもしれん」


「あ、嗚呼。 アイツは間違いなく大物だよ」


 魔王の言葉に同調するラサミス。

 そして体感時間で二分ほど経つと、

 転移ゲートが再び光りラモンが姿を現した。

 

「オウ、問題なく戻れたぜ。

 向こうにも転移ゲートがあるから、

 出戻りはフリーだぜっ!」


「ラモン、いつもご苦労様」


 労いの言葉をかける剣聖ヨハン。

 するとラモンが右手を挙げて――


「ノープロブレム、これがオレ様の役目さ!」


 ラモンはそう言って、再び転移ゲートの中へ入った。


「んじゃオレ達も行くか」


「そうだな、各部隊の隊長とその隊員が一緒に転移せよ。

 新たなエリアに着いたら、

 周囲を軽く探索して、他の者が着くまで待機しておけ!」


「了解です、ラサミスくん。

 とりあえず君達が最初に行たまえっ!」


「ヨハン団長、分かりました」


 そう言葉を交わして、

 ラサミスも意を決して転移ゲートに入った。


 その後、エリス、ミネルバ、メイリン。

 ジウバルト、ジュリー、バルデロン、マリベーレ。

 荷物持ち(サポーター)三人の順で転移ゲートへ入って行った。


---------


 意を決して転移ゲートに入ったラサミス達。

 ラサミス達は、予想以上に早く転移されて、

 「迷宮エリア」から次なるエリアにやって来た。


 転移ゲートの転移先は、高台になっており、

 ラサミス達は、見下ろす形で周囲を見渡した。


「ここが新しいエリアなのか」


 頭上には太陽らしき白く輝いた球体があり、

 見上げた空は青く、雲がいくつか白を添える。

 見た感じウェルガリアの地上や「楽園エリア」と似てるような気がする。


「見た感じは「楽園エリア」やウェルガリアの大地に似てるな」


 思ったままの感想を述べるラサミス。


「そうね、ずっと昼なのか、夜という概念が存在するのか。

 その辺が気になるところね」


 と、エリス。


「ここのエリアの名称は何だったかしら?」


「ミネルバ、確か「空中庭園くうちゅうていえんエリア」よ」


 と、メイリン。

 

「随分と大層な名前だな」


 冷めた口調でそう言うジウバルト。


「でもわざわざエリアの名称にしてるからには、

 このエリアに「空中庭園くうちゅうていえん」は実在するのでしょう」


 皆が思った疑問を口にするジュリー。

 

「空中庭園ですか、具体的にどのようなものを指すのでしょうか?」


「バルデロン、ウェルガリアの世界には、

 過去には有名なバルフォアの空中庭園というものが存在したらしいが、

 今では文献やそれらしき遺跡があるくらいだな」


 と、ラサミス。


「まあ高い所にある庭園を「空中庭園くうちゅうていえん」と呼ぶ事は、

 結構あるわよ。 だからここにもそれらしき建物や城があると思うわ」


 メイリンがそう言って、周囲を見渡す。

 すると視線の遙か先に立派な城の姿が見えた。


「あっ! あそこにあんな大きなお城があるわよ!」


「おう、オレも今気付いたところだぜ」


 メイリンの言葉に同調するラサミス。

 ラサミス達の遙か視線の先に城らしき建物。

 またその道中にある砦らしき物が映った。


「あそこまでは結構距離がありそうだな」


 と、ジウバルト。


「ええ、その間に敵との交戦もありそうですな」


「バルデロン、恐らくそうなるだろう。

 とりあえず今は仲間が無事全員転移して来るのを待とう。

 その後で魔王陛下やヨハン団長達を交えて作戦を練ろう」


 ラサミスの言葉に周囲も無言で頷いた。

 そしてそしてラサミス達は、

 仲間が出揃うのを辛抱強く待った。


次回の更新は2026年8月20日(木)の予定です。


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