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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第八百四話 迷宮城の最深部


---三人称視点---



 無事に合流を果たしたラサミス達は、

 本殿エリアの先を進んだ。

 蝋燭ろうそくの光があまり届かない突き当たりの壁は、

 左右と同じ朱色の柱と白壁で構成されていたが、

 その中央には大きな出入り口があった。


 小型の鳥居のような形に組み合わされた柱の内部は、

 黒々と開いており、そこから先に少し冷たい空気が流れていた。


「この朱色の門の先に敵が居そうだな。

 とりあえず各自、用心するように」


 魔王レクサーに言われるまでもない。

 ラサミス達も気を引き締めて先へ進む。


 鳥居を抜けると、真っ暗闇と思われたその奥にも少しの光があった。

 廊下はすぐに地下への階段となっており、

 光はどうやらその先から届いている模様。


 慎重な足取りで魔王レクサーやラサミス達が

 階段をゆっくりと降りる。


 階段は三十五段以上も下ったところで、

 百八十度折り返し、なおも続いていた。

 それでもラサミス達は無言で階段を降り続けた。


 ついに階段が終わり、

 その向こうにやや広めの板の間があった。


「そろそろ最深部に到達しようだな。

 魔王陛下、皆、くれぐれも気を抜かないようにな」


「カーマイン、貴公に言われるまでもない」


 軽口を叩くラサミスとレクサー。

 そしてしばらくして板の間に到着。

 そこでラサミス達の視界に飛び込んだのは、

 新たなより一層大きな鳥居であった。


 板の間の正面に、

 左右の壁と天井に接するように朱色の門が屹立していた。


「想像以上に広いな」


 ラサミスは思わずそう口にした。

 鳥居の左右から奥に向けて、

 小さなかがり火が二列に揺れている。


 床は綺麗に磨かれた石敷。

 そして朱色の門の先には広い空間が広がっていた。

 面積はかなり広く、

 縦横が何メーレル(何メートル)あるかも見当がつかない。


 だがその広い空間から、

 とてつもない魔力の波動が放たれていた。


 良く見ると、かなり巨体の人影が三つ見えた。

 その内の二つは、先の戦いで遭遇した巨大な機械兵。

 そしてその中央に立つのは、力天使りきてんしメルキセデクであった。


 頭部はバイザーつきのヘルメット型。

 両腕を胸の前で組んでおり、

 手足は長く、胸部もボディも逞しい感じに重量感がある。


 だが腰はくびれており、良い感じに身体の凹凸があった。

 そして背中には、見る者を魅了する二枚一対の銀の翼が生えていた。


『どうやら無事にここまで辿り着いたようだな。

 流石はウェルガリア軍の精鋭部隊、と褒めておこう』


 機械的な声が前方から聞こえてきた。

 どうやら神帝級しんていきゅうクラスの封印結界を張って、

 その中で力天使りきてんしメルキセデクが陣取っている模様。


彼奴きゃつ力天使りきてんしメルキセデクか。

 なかなか堂々とした奴だな」


 と、魔王レクサー。


「嗚呼、敵ながら天晴れな奴だ」


 と、ラサミスも相槌を打つ。


「……とりあえず奴の話を聞いてみましょう」


 剣聖ヨハンの言葉にラサミス達も「嗚呼」と頷いた。

 するとその姿を見たメルキセデクが新たに言葉を紡ぐ。


『ここに辿り着いた人数は三十人近くか。

 流石にその数を一度に相手するのは骨が折れる。

 だから十人一組になって、ワタシと戦え。

 その十人が全滅すれば、新たな十人一組のパーティが

 またワタシと戦う、これならば色々と分かりやすいだろう』


「確かに分かりやすいし、ルール的にも公平フェアだな。

 魔王陛下、オレは奴の言い分を聞いても良いと思う」


 と、ラサミス。


「うむ、余も同じ考えだ。

 力天使りきてんしメルキセデクっ!!!」


『……何だ?』


「我々は貴公の言い分を聞いて良いと思ってる。

 今から戦いに挑む十人一組のパーティを二つ作る。

 それが整えば、貴公がその強力な封印結界を一部開放して、

 我々を中に入れる、という流れで良いのか?」


『嗚呼、そういう流れで良い。

 では十人一組のパーティのメンバーを選ぶが良い』


「うむ、心遣い感謝する。

 ではカーマイン、他の者達よ!

 ここからは話し合いでパーティ編成を決めるぞ」


 そしてラサミス達は、十分近く話し合って、

 その結果、十人一組のパーティが二組出来た。


 一組目のメンバーは――


 魔王レクサー、大賢者ワイズマンシーネンレムス、ラサミス。

 親衛隊長ミルトバッハ、レフ団長、カチュア。

 ニャラード団長、エリス、ミネルバ、メイリンの十人となった。


 二組目のメンバーは――


 ヨハン団長、、エンドラ。

 デュークハルト、シモーヌ隊長、シャルク団長。

 アーリア、クロエ、カリン、ジョルディー、ラモンという顔ぶれだ。


 基本的に第一組目で攻略する事を前提しており、

 人員も考えられる限りの最強メンバーを組んだ。


「ヨハン団長、貴公等の出番は恐らくないだろうが、

 万が一の時は、今後貴公や各種族の首脳部が頭目となれ」


「魔王陛下、それは余計な心配でしょう。

 魔王陛下やラサミスくんが負ける筈がない。

 と、ボクは心の底から信じてますよ」


「うむ、そう言って貰えると余としても助かる。

 ではカーマイン、他の者達よ!

 我等の手で力天使りきてんしメルキセデクを必ず討つぞ!」


 レクサーの言葉に周囲の仲間も「はい」や「おおっ!」と呼応する。

 そしてレクサーは悠然と前へ数歩、歩んで高らかに告げた。


力天使りきてんしメルキセデク、貴公の討伐メンバーは決定した。

 早くその封印結界の一部を解除せよっ!」


『良かろう、では今より封印結界の一部を解除する』


 メルキセデクがそう言うと、

 眼前の強固な封印結界の一部が揺らぎ始めた。

 そして十数秒後には、結界の一部が開放されて、

 数人ほどが通れる空間が発生。


「では行くぞ!」


 魔王レクサーが威風堂々と結界の内部に入ると、

 ラサミスもその後に続いて、結界の内部に侵入した。


次回の更新は2026年7月14日(火)の予定です。


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