表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

804/806

第七百九十九話 雌伏雄飛


---三人称視点---



 庭園エリアを歩く事、三分余り。

 すると本殿に続く道の先に大きな朱色の門が立っていた。

 その前に程よい大きさの黒曜石でできた古びた祭壇が鎮座していた。


「あの祭壇にこの石――エンジェル・コアとやらを置けば、

 あの朱色の門が開く、という仕組みか?」


 魔王レクサーが自分の漆黒のコートの内ポケットに、

 左手を入れて、先程入手したエンジェル・コアを取り出した。


「そうだろうな」と、ラサミスが相槌を打つ。

 するとその時に周囲から突如声が聞こえてきた。


『ここは迷宮城の本殿前の祭壇の間です。

 どうやら皆様は、無事に白龍はくりゅうを無事倒したようですね』


「これも自動音声の類いか?」


「魔王陛下、恐らくそうでしょう」


 と、シーネンレムス。


『では本殿へ進むのであれば、

 白龍はくりゅうを倒した際に入手した石。

「エンジェル・コア」を祭壇の上に置いてください』


「……とりあえず置いてみるか」


『「エンジェル・コア」を確認しました。

 準備が出来たら、祭壇の上へ置いてください。

 その後、条件が揃い次第、本殿へ続く扉が開く事になります』


「魔王陛下、頼む」


「カーマイン、言われなくても分っている」


 レクサーはゆっくりと祭壇に近づいて、「エンジェル・コア」を置いた。

 すると祭壇の周囲に強い魔力の波動が走った。


『「エンジェル・コア」が無事に置かれました。

 おめでとうございます、これにて南門エリアの攻略は達成されました。

 ですが門を正式に開く為には、

 北門エリアに居るであろうアナタ方のお仲間が

 「黒虎くろとら」を倒して、

 同じようにエンジェル・コアを入手して、

 祭壇に置く必要があります。

 ですので北門エリアの攻略が達成されるまでは、

 アナタ達はここから先に進む事は出来ません』


 あらかじめ伝えられていた事なので、

 レクサーやラサミス達もこの状況を素直に受け入れた。


「どうやら我々が出来る事はここまでのようだな。

 後は北門エリアの味方待ちだな。

 確か向こうには剣聖ヨハンやニャラード団長が居たな?」


「はい、魔王陛下。 その通りでございます」


 と、シーネンレムス。


「ならば彼等が「黒虎くろとら」を倒す事を信じて待とう。

 我々はとりあえず小休止しておこう。

 そして機会が来たら、我等の手でこのエリアの階層主を倒そう」


「そうだな、オレも魔王陛下の考えに賛成だ。

 とりあえずこの休憩時間の間に、

 体力や魔力を回復しておこうぜ」


 ラサミスのこの提案に周囲の者達も乗り、

 彼等は回復薬ポーション魔力回復薬マジック・ポーションを飲んで、

 体力と魔力の回復をはかり、

 後の事は北門突入部隊に任せる事にした。


---------


 一方その頃、北門突入部隊は、

 剣聖ヨハン、ニャラード団長、シモーヌ隊長の指揮のもと

 順調に迷宮探索を続け、

 気がつけば北部エリアの本殿の近くまで接近していた。


 尤も全てにおいて順調だった訳ではない。

 北門突入部隊もラサミス達と同じく北門エリアに突入した際に、

 それぞれ個別に迷宮内に強制転移されていた。


 その結果、男性ヒューマンの傭兵ミシェラン。

 シモーヌ隊長の指揮下の男性エルフの兵士クロムの二名が

 仲間と合流する前に、迷宮内の天使兵の餌食となった。


 また荷物持ち(サポーター)に関しても、

 三名中の二名が同様に合流する前に機械兵に殺害された。


 その結果、北門突入部隊は、十三名と荷物持ち(サポーター)一人。

 合わせて十四人で広い北門エリアを探索する事となった。


 だが仲間が無事全員合流を果たした後は、

 剣聖ヨハン、ニャラード団長、シモーヌ隊長の指揮のもと

 敵との交戦は最小限に控えつつ、

 迷宮内の罠などを確実に解除して、ドンドン探索エリアを広げていった。


 その後も何度か天使兵と機械兵と戦闘をこなして、

 気がつけば北門突入部隊も北門エリアの本殿の近くまで近づいていた。


 だがそこで彼等は前方から解き放たれた強力な魔力を身をもって感じた。

 そこで剣聖ヨハンとニャラード団長が気を引き締めるべく――


「どうやらそろそろ「黒虎くろとら」が出て来そうな雰囲気だ。

 皆、覚悟を決めて欲しい。 それと陣形を組み直しましょう。

 ニャラード団長、アナタが布陣を決めてください」


「そうだね、では前衛はワタシ、ヨハン団長、シモーヌ隊長。

 それとアーリア殿、デュークハルト殿、シャルク団長の六人で!

 中衛にはエンドラ殿、クロエくん、ジョルディー殿、ラモンくんの四人。

 後衛はカリンくんに、ツシマン、リリアくんの三人。

 この布陣で宜しいかニャ?」


「ええ、問題ありません」


「ウム、ニャらばこの布陣で行きましょう」


 そしてニャラード団長達は、ゆっくりと庭園内を突き進んだ。

 すると前方から突き刺すような闘気オーラを察知した。


「凄い闘気オーラですニャ」


「ええ、前方に大きな黒い虎の姿も確認しました」


 ヨハンの言葉に従い、全員が前方に視線を向ける。

 するとそこには、

 黒い体毛をなびかせた大きい虎が涎を垂らし歩いていた。

 その足取りは獣にしては遅いが、それが逆に不気味だ。


 体長は通常の虎よりかなり大きい。

 五メーレル、いや六メーレル(約六メートル)はありそうだ。

 体重も最低でも350キール(約350キロ)くらいはあるだろう。


「アレが「黒虎くろとら」である事は間違いニャいだろう。

 皆、戦闘準備に入ってくださいニャ」


 ニャラード団長の指示に従い、

 周囲の味方は利き腕に武器を持って身構えた。


 こうしてニャラード団長達と「黒虎くろとら」のバトルが開始された。



次回の更新は2026年7月2日(木)の予定です。


ブックマーク、感想や評価はとても励みになるので、

お気に召したらポチっとお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 白龍討伐。 この物語で龍が出るのはそう多くないので、倒した方も倒された方も強者としての矜持が保たれてていいですね。 それにしても、ラサミスは魔王よりレベルが高いのか。今戦ったら、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ