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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第七百九十八話 龍殺し(後編)



---三人称視点---



「よし、ドンドン攻めて行こうぜっ!」


 ラサミスが叫ぶと、魔王レクサーも闇属性魔法で白龍はくりゅうを攻撃。

、レフ団長やミネルバ、カチュアも全力で斧槍ハルバード白龍はくりゅうの鱗の隙間に狙いを定める。


 彼らの一斉攻撃が白龍はくりゅうに向かって放たれる中、

 白龍はくりゅうもまた強烈な一撃を放ち、ラサミス達に猛威を振りかざしてきた。


 ラサミス達の連続攻撃は、確実に白龍はくりゅうの体に深い傷を刻み、

 鱗の隙間や腹部から赤い血が滲み出す。

 だが白龍はくりゅうはその痛みにも動じる事なく、

 再び猛然と攻撃を仕掛けてくる。


 白龍はくりゅうの怒りが頂点に達したかのように、

 白龍はくりゅうの咆哮が周囲に響き渡る。


 激しい風圧が押し寄せ、

 ラサミス達は一瞬その力に気圧されるが踏みとどまり、

 冷静に白龍はくりゅうを見据え続ける。


 白龍はくりゅうの鱗は、確実に傷が付き、

 そこから赤い血が滲んでいるものの、

 白龍はくりゅうの力は依然として衰える気配を見せない。


「長期戦をするのも面倒臭い。

 だからここは大技で一気に決めようぜ。

 行くぜっ! ――明鏡止水めいきょうしすいっ!!」


 ここでラサミスが職業能力ジョブ・アビリティ明鏡止水めいきょうしすい』を発動させた。

 次の瞬間、ラサミスの全身に物凄い力が漲る。

 それによって、ラサミスの能力値ステータスが倍化される。

 発動時間は五分、蓄積時間チャージ・タイムは十分。


「――黄金の息吹(ゴールデン・ブレス)っ!!!」


 更に職業能力ジョブ・アビリティ黄金の息吹(ゴールデン・ブレス)」を発動。

 注ぎ込む魔力は……全体の約七割。

 すると斬魔刀ざんまとうを持つラサミスの右手に膨大な魔力が蓄積チャージされた。

 そしてラサミスは神帝級しんていきゅうの刀術スキル「雷神剣らいじんけん」を発動させる。


「――雷神剣らいじんけんっ!!」


 ラサミスが技名コールをすると、

 彼が右手に持った斬魔刀ざんまとうに雷光が宿った。


「――くたばれやっ!」


 ラサミスは気勢を上げて、

 雷光が宿った斬魔刀ざんまとうを前方に突き出した。

 次の瞬間、斬魔刀ざんまとうの切っ先から、稲妻が放たれた。

 その刹那、耳朶を打つ雷鳴が轟き、

 標的とした白龍はくりゅうの身体に稲妻が命中した。


「ぐっ、ぐっ……ぐううう……わあああぁぁぁっ!」


 稲妻に撃たれた白龍はくりゅうは、断末魔ような悲鳴を上げた。

 その姿に竜種としての威厳などはまるでなかった。

 白龍はくりゅうは苦しみを隠さず、激しく喘いだ。


 ここで白龍はくりゅうの動きが完全に止まった。

 その間隙を突くべく、魔王レクサーも動いた。


「余も続こう! ハアアアァ……アアアァァァッ!!

 ――魔神降臨まじんこうりんっ!!!」


 レクサーは魔王だけが使える階級能力クラス・アビリティ魔神降臨まじんこうりん」を発動させた。

 それと同時にレクサーの頭上に暗い影が生み出された。


 その黒い影は渦巻きながら、

 魔王の身体に呑み込まれように吸収された。

 それと同時にレクサーの身体から、

 とんでもない魔力と闘気オーラが解き放たれる。


 だがこれで終わりじゃない。

 レクサーは最後の一手を打った。


「――シャドウ・フォースッ!」


 レクサーが神帝級しんていきゅう階級能力クラス・アビリティを発動。

 これによってレクサーの次に放つ剣技ソード・スキルが、

 魔法攻撃が倍加された状態となった。


「――デモニック・ブレードッ!!」


 レクサーがここで放ったのは、上級剣技じょうきゅうソード・スキルの縦斬りであった。

 技としてはシンプルだが、

 シンプル故に使い勝手の良い剣技ソード・スキルだ。

 魔王の魔王剣アルカンレガムが白龍はくりゅうの白い腹部を綺麗に切り裂いた。

 

「ぎゃ、ぎゃああああっアアアァァァッ!!!」


 白龍はくりゅうが地獄のような悲鳴を上げる。

 白龍はくりゅうの四肢が崩れ落ちるように力を失い、

 その緋色の瞳が徐々にかすんでいく。


 レクサーは息を整え、最後の覚悟を持って魔王剣を更に腹部に深く突き刺した。

 その瞬間、白龍はくりゅうの巨体がついに大地に沈んだ。

 その後、身体を小さく何度も痙攣させて、

 白龍はくりゅうの身体の動きが完全に停止した。


「ふう、この手で龍殺りゅうごろしを成し遂げるとはな。

 だが案外悪くない気分だ」


 何処か満足げにそう言う魔王レクサー。

 龍殺りゅうごろし。


 それは冒険者にとって最大の名誉であり、

 その偉業を称える異名である。

 魔王の称号に加えて、龍殺りゅうごろしの勲章を得たレクサーは、

 いつになく上機嫌な表情を浮かべていた。


 そして白龍はくりゅうの身体が徐々に消えて行き、

 最後には力を失ったエンジェル・コアだけが残り、

 その姿は完全に消滅した。


「この残った石がエンジェル・コアか。

 とりあえず回収しておくか」


 レクサーは地面に落ちたエンジェル・コアを拾い、

 自分の漆黒のコートの内ポケットの中に入れた。

 それからやや間を置いて、レクサーの全身に物凄い力が漲った。


「うむ、これでまた莫大な経験値エクスペリエンスを得たか」


 全身から溢れる力。

 悪いない、いやハッキリ言えば非常に心地よかった。


 その余韻に浸りながら、

 レクサーは腰のポーチから自分の眷属カードを取り出す。

 そしてレベルの表記を見て、レクサーは微笑を浮かべた。


「ほう、レベル92か、一気に2もレベルが上がったな」


「おお、一気にレベル92か、スゲえな」


「……カーマイン、貴公のレベルはいくつだ?」


「ん? 94だけど?」


「そうか、まあ良かろう」


 と、少しムッとした表情を浮かべる魔王。

 どうやらラサミスとレベル差がある事に、

 少しばかり魔王の自尊心プライドが傷ついたようだ。


「とりあえずこれで白龍はくりゅう討伐は完了だ。

 この先に多分、祭壇があるだろうから、向かおうぜ」


「カーマイン、そうだな。 そうしよう」


 直ぐに気を取り直したレクサーは、

 また微笑を浮かべて、周囲の仲間と共に庭園内を再び歩き出した。



次回の更新は2026年6月30日(火)の予定です。


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