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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第七百九十五話 白龍(中編)



---三人称視点---



 白龍はくりゅうの周囲にバチバチと電撃が散る中、

 大賢者ワイズマンシーネンレムスは、

 頭上に掲げた白樫しろがしの杖に強い魔力を篭めた。

 それから一言一句を噛みしめて、呪文を紡いだ。


「闇の覇者、暗黒神ドルガネスよ! 我が名はシーネンレムス! 

 我が身を暗黒神に捧ぐ! 偉大なる暗黒神ドルガネスよ。 

 我に力を与えたまえ! ――アクア・ストリーム』っ!」


 ここでシーネンレムスが放ったのは、

 魔王級まおうきゅうの水属性魔法「アクア・ストリーム」。

 一発の威力では、魔帝級まていきゅうや他の魔王級まおうきゅうの水属性魔法に劣るが、

 攻撃範囲の広さや持続時間では、他の水属性魔法を上回っていた。


 水の渦が巻き起こり、

 上空で待機する白龍はくりゅう目掛けて、大量の水が放水された。

 その大量の水が白龍はくりゅうの周囲の電撃と交わると、

 耳をつんざくような音と共に魔力反応「感電かんでん」が発生した。


「ぬ、ぬおおお……オオオォォォォォォッ!!!」


 声にならない悲鳴を上げる白龍はくりゅう

 周囲に張った霧状の魔力の壁のおかげで、

 直撃で感電状態にはならなかったが、

 白龍はくりゅうの周囲で度々感電状態が起こり、

 それに対して少なからず動揺した模様。


 その隙を突いて、シーネンレムスが次なる行動に出た。


「この隙に彼奴きゃつ能力値パラメーターを暴きます。

 ――能力分析アビリティ・アナリシスっ!!」


 ここでシーネンレムスが「能力分析アビリティ・アナリシス」を発動。

 通常の能力分析アビリティ・アナリシスならば、

 能力の分析を終えるまで一分くらいかかるが、そこは魔族の大賢者ワイズマン

 彼の手にかかれば十数秒で分析が終わり、

 白龍はくりゅう能力値パラメーターの数値がシーネンレムスの脳裏に浮かび上がった。



---------


 名前:白龍はくりゅう

 種族:龍種族

 ランク&レベル:SSS(トリプル・エス)ランク・レベル86


 能力値パラメーター


 力   :7850/10000

 防御力 :8850/10000

 器用さ :4485/10000

 素早さ :8715/10000

 知力  :5240/10000

 魔力  :10000/10000

 攻撃魔力:8365/10000

 回復魔力:6350/10000


---------


「これは驚いた、かなりの数値ですぞ。

 力7850、防御力8850の模様」


「ふむ、確かになかなかの数値だな。

 だが規格外という訳でもない。

 そのくらいの数値なら想定内だ。

 良し、ここは魔法攻撃で追撃しようっ!」


 レクサーはそう言って、前へ一歩踏み出した。

 そして左腕を頭上にかざして、呪文を唱え始めた。


「闇の覇者、暗黒神ドルガネスよ! 我が名は魔王レクサー! 

 我が身を暗黒神に捧ぐ! 偉大なる暗黒神ドルガネスよ。 

 我に力を与えたまえ! 『ダークの審判(ジャッジメント)』っ!」


 そう呪文を紡ぐと、

 レクサーの左腕に強力な魔力を帯びた漆黒の波動が生じる。

 そしてレクサーは左腕を大きく引き絞った。


 次の瞬間、レクサーの左手から迸った漆黒の波動が流星のような速度で、

 白龍はくりゅう目掛けて、放たれた。


「――やらせはせんっ!」


 白龍はくりゅうがそう言うと、

 白龍はくりゅうの体から、魔力が迸る。

 それは風となり、周囲を渦巻く漆黒の波動を巻き込んだ。

 だが完璧に防ぐには至らず、

 弱まった漆黒の波動が白龍はくりゅうの身体に命中。


「ぬうううっ……意外とやるではないかっ!!」


「どうやらある程度はダメージを与えられたようだな。

 彼奴あやつの対魔結界や障壁バリアも青天井ではなさそうだな。

 良し、誰でも良い! 彼奴あやつに対して追撃せよっ!」


「ハイッス! 自分が行くッス!!!

 んじゃ行きますよーっ! 竜巻トゥルボーっ!!!」


 追撃すべくメイリンも風魔法を放った。

 するとメイリンの漆黒の両手杖の先端の金剛石ダイアモンドが眩く光り、

 竜巻が渦巻いて、白龍はくりゅうに迫った。


「ぬうううっ……小賢しい真似をっ!!!」


 続け様の攻撃で対魔結界を張る余裕はなく、

 白龍はくりゅうは時計回りに身体を半回転させた。

 そして背中の漆黒の両翼でメイリンの竜巻を受け止めるが――


「くっ……くおおおぉぉぉっ!!!」


 レクサーの闇属性魔法とメイリンの風属性魔法が交わり、

 魔力反応「闇嵐やみあらし」が発生して、

 白龍の周囲に闇色の風が渦巻く。


「小さき者共ものどもがっ! われを舐めるなよっ!」


 白龍はくりゅうが漆黒の両翼で身を守りながら、

 その場で一回転、更に一回転して闇色の風を防いだ。

 それによって身体のダメージは半減したが、

 心のダメージは想像以上に大きかった。


「許さんぞぉぉぉっ! ぐおぉぉぉぉ!」


 白龍はくりゅうは大きく咢を開き、咆哮した。

 その口内は赤く輝いている。

 必殺の攻撃。


 灼熱のブレスを吐きだすつもりだ。

 だがラサミス達はその場から微動だにしない。


「良し、ブレス攻撃が来るぞっ!

 皆、全力で対魔結界と障壁バリアを張るんだっ!」


「カーマイン殿、私に考えがありますっ!

 他の者は通常通り対魔結界と障壁バリアを張り、

 この私は封印結界で白龍の周囲を封じ込めて見せましょう!」


大賢者ワイズマン殿、それは面白い手でですね!」


「ええ! 任せてくださいっ!」


 そして白龍はくりゅうが火炎ブレスを吐き出す。

 それと同時にシーネンレムスが封印結界を発動させた。


「ハアァア……アァァァ! ――『封印結界』ッ!!」


次回の更新は2026年6月23日(火)の予定です。


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