表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

787/818

第七百八十二話 美酒佳肴(前編)


---三人称視点---



 無事に勝利をおさめた天界遠征軍は、

 この「楽園の神殿」で野営をする事にした。


 マライアやジェイン、ジウバルトなどが神殿外に出て、

 一角兎アルミラージや鹿のような獣を捕獲して、

 その肉をバラして、焼いて食べる事となった。


 また楽園エリアの湧き水も交替で、

 桶や樽などに汲んで、飲料水やコーンスープなどに使い、

 通常では味わえないちょっとした豪華な食事を摂る事にした。


 その間にラサミス達は、荷物持ち(サポーター)のキャミル達と

 一緒にたき火セットを用意して火をおこす。


「肉はどうするんだ? 普通に焼くのかな」


「他の荷物持ち(サポーター)が肉の解体と血抜きもするんで、

 塩と胡椒こしょうをかけて、網に乗せて焼けば良いでしょぅ~」


 そう言ってキャミルは、

 背中のバックパックから色とりどりの野菜を出した。

 今回の天界遠征は水や食事の心配はないと、

 事前に知らされていたが、いざって時の為に、

 食料や水を確保しておくのは、冒険者の心得である。


 キャミルは料理ナイフを右手に持ち、

 野菜を適当に切って、塩とスパイスを適当にまぶして、

 網に乗せて焼き始めた。


「……荷物持ち(サポーター)さんって器用なんですね」


「そりゃね、わたし達は戦闘力がないから、

 他の冒険者に軽くみられがちだけど、

 こういうキャンプの知識などは、

 一通りたたき込まれてるですよ~」


 と、キャミル。


「……いや本当に助かりますよ」


「でもこの人数分の肉と野菜を焼くのは大変そうね。

 食事の支度の間に、疲れている人に睡眠を取らせては?」


「そうッスね、魔王陛下とマリウス王弟殿下に進言してみるよ」


 そしてラサミスのこの進言はあっさりと受け入れられた。

 神殿内外に野営用のキャンプや寝袋が設置されて、

 疲労の色が濃い者に仮眠を与えたが、

 予想に反して眠れない者が多かったので、

 そこは魔導師達に睡眠魔法を使ってもらって、

 確実に睡眠の機会を与える事に成功。


 その後、レンジャーや探索者シーカーなどのサバイバルスキル。

 また料理スキルがあるの者達で、

 肉や野菜を焼いて、楽園エリアの湧き水で、

 コーンス―プや紅茶、珈琲コーヒーなどを用意した。


 だがこの大人数なので、人数分用意するのには、

 結構時間を要し、ウェルガリア産の「一時間砂時計」を設置して、

 一応は時間を計る事にした。


 この楽園エリアだけでなく、

 この天界自体が時間の概念はないそうだが、

 時の流れは存在する、と事前にガブリエルに聞かされていたが、

 正直ラサミス達もその具体的な仕組みをよく理解してなかったので、

 このように長時間の行動の際には、

 「砂時計」などを使って、一応は時間を計っていた。


 そして「一時間砂時計」が二回全て落ちきった時に、

 八割方の肉と野菜が焼けて、

 ラサミス達はそれを木皿に乗せて、

 フォークやスプーンを使って食べる事にした。


「ぬううっ……一角兎アルミラージの肉って、

 鶏肉に似た淡白でクセのない上品な味わいね。

 鹿っぽい獣の肉もなかなか美味だわ」


 と、食レポするメイリン。


「嗚呼、非常に柔らかく弾力がある肉質が最高だ。

 またこのエリアで組んだ水で作ったコーンスープ。

 紅茶、珈琲コーヒーなんかも滅茶苦茶美味いよな」


 と、ラサミスが舌鼓を打つ。


「うん、野菜もとても美味しいわ。 

 バターが多くてベーコンまで入ってるから、カロリーが気になるけど」


 と、体重を少し気にするエリス。

 するとキャミルが咄嗟にフォローを入れた。


「大丈夫ですよ~、色々を錯誤して、

 身体にも体重にも優しい感じに仕上げたので、

 それ程、太る事はないと思いますよ!」


「というかこの天界に居たら、

 空腹や喉の渇きは起きないらしいが、

 飲食の際の体重の増減はどうなってるんだ?」


 ふとした疑問を口にするジウバルト。

 すると周囲のラサミス達も「あっ」と声を漏らして、

 数秒ほど考え込んだ。


「何だか分からない事が多いですね。

 でも普通に過ごす分には問題なさそうですが……」


 と、ジュリー。


「多分、このエリアを含めて、

 天界全体で特殊な結界、あるいはシステムが作動してそうね。

 まあここは天界と呼ばれるだけあって、

 あたし達の世界の常識とかはまるで通用しないけど、

 その辺の調整は多分しっかりしてると思うわ」


「メイリン、根拠はあるの?」


「ミネルバ、それはないわよ。

 でも天使達は、あたし達と正々堂々戦うつもりみたいね。

 その気になれば、色んな魔道具や兵器を使って、

 あたし達を皆殺しにする事も可能でしょうけど、

 それをしないという事は、

 向こうは真っ向勝負を望んでるのでしょうよ」


「そうだと良いですね」


 と、バルデロン。


「まあ今は食事を愉しもうよ。

 どうせ今ぐらいしか休めないんだし~」


 と、一角兎アルミラージの肉をフォークで刺して、

 口の中に運んで、咀嚼するマリベーレ。


「マリベーレの言う通りだな。

 折角の機会だ、成人している者は飲酒も許可するぞ」


「おっ! ラサミス、話が分かるじゃない」


 そう言って、右手をパチリと鳴らすミネルバ。


「あたしも少し飲んじゃおうかな~」


 と、メイリン。


「わたしは控えておくわ」


「オレも止めておくよ」


 夫婦揃って飲酒を拒むカーマイン夫妻。


「オレ達は一応成人しているが、

 酒を飲む気にはならないな」


「あたしも止めておく~」


 と、優等生発言するジウバルトとマリベーレ。


「まあ飲酒の際には自己責任でな。

 とりあえずオレはもう少し肉と野菜を食うよ」


 そう言うとラサミスは、ちょっと焦げた肉と野菜をガツガツ食べた。



次回の更新は2026年5月24日(日)の予定です。


ブックマーク、感想や評価はとても励みになるので、

お気に召したらポチっとお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ