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【天界編開始!】黄昏のウェルガリア【累計100万PV突破】  作者: 如月文人
第三部【天界】編

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第七百七十六話 大天使の矜持(前編)


---三人称視点---



「せいっ!」


「ハアァァァッ!」


 間合いを測りながらラサミスの刀を裁き距離を取り続ける智天使ちてんしケルプ。

 攻勢に出ながら主導権を奪いきれないラサミス。


「悪くない太刀筋たちすじだが、

 あの金髪の小男に比べたら、剣の腕は何段か落ちるな。

 だが意外と基本はしっかりしている上に、

 予想外の動きや反応にも優れている。

 流石は特異点とくいてんというべきか」


「そりゃどうも!」


 軽く口を叩きながらも、二人は苛烈な斬撃を交し合う。

 身体的能力も剣の純粋な技量もケルプに分がある。


 ラサミスの剣は基本、我流である。

 だが職業ジョブギルドや連合ユニオン拠点ホームの稽古場で、

 何年もの間、訓練と鍛錬を重ねてきた実戦向きの剣。


 なによりその実戦を幾度も重ねてきた。

 それに加えて高レベルの恩恵もあって、

 我流でありながらも、自分より強い剣士相手にも互角に戦えた。


 だがケルプの剣は、

 彼の肉体データに合わせた最適解の答えで導き出した技術とデータがある。

 ケルプの体格、

 それに何百年、何千年と紡がれてきた天界の歴史と実戦データ。


 他種族、異世界の住人相手でも十二分に通用する剣術。

 そのような合理的な観念から、

 ケルプは剣術、そして魔法を使うのに適正な技術と能力が与えられていた。


 だがそれでもラサミスは、ケルプ相手に互角以上に渡り合っていた。

 その事に多少の違和感を覚えながらも、

 ケルプも両手に持った白銀の長剣を上段に構える。

 剣術の基本となるケルプの上段構えにラサミスは慎重に間合いを測る。


 ――剣の腕では、相手が数段上だな。

 ――だがそれはあくまで剣の話。


 ――オレは剣より格闘戦が得意だ。

 ――頃合いを見て、剣と格闘戦を融合させて、

 ――コイツに強力な一撃をかましてみせる!


 だがラサミスがそれを実行するより早くケルプが動いた。

 ケルプはラサミスの間合いに踏み込むと同時に長剣で突きを繰り出した。


「――ピアシング・ブレードッ!」


「――諸手突きっ!」


 突きと突きが真正面から衝突。

 だがラサミスの使用したのは、地上でも名高い斬魔刀ざんまとう

 対するケルプの剣は、

 天使兵の基本装備であるエンジェル・セイバー。


 よって剣の威力でも性能でもラサミスが上回った。

 気がつけば、ケルプはラサミスの突きに押されて、

 後ろに数歩ほど下がっていた。


 絶好のチャンス到来。

 だがまだ戦いの流れや行方は分からない状態。

 だからこの場では、ラサミスは十八番おはこの「明鏡止水めいきょうしすい」を温存した。


 その代わりにで職業能力ジョブ・アビリティ黄金の息吹(ゴールデン・ブレス)」を発動させた。


「――黄金の息吹(ゴールデン・ブレス)!」


 ラサミスはここで全体の三割の魔力を斬魔刀を握った右手に蓄積チャージさせた。

 そして腹から出た芯の入った声で叫んだ。


「――雷神剣らいじんけんっ!!」


---------


 ラサミスが技名コールをすると、

 彼が右手に持った斬魔刀に雷光が宿り、刀身が光り輝いた。


「――喰らいなァっ!!!」


 ラサミスは気勢を上げて、

 雷光が宿った斬魔刀ざんまとうを前方に突き出した。

 次の瞬間、斬魔刀ざんまとうの切っ先から、稲妻が放たれた。


「――ルミナス・ウォールッ!!!」


 だがケルプも慌てない。

 彼は落ち着いた仕草と口調で神帝級しんていきゅう障壁バリアを張った。


 そして稲妻が目映く輝いた障壁バリアに衝突すると、

 数秒間のタイムラグが生じた後、

 爆音が生じて、強烈な爆発が巻き起こった。


「……効いたか!?」


「いやアレくらいでは効かぬだろう」


 と、剣聖ヨハン。


「ならば今度は私がやるわっ!

 ――龍炎波りゅうえんはっ!!!」


 ミネルバが帝王級ていおうきゅうの槍術スキルの炎属性攻撃「龍炎波りゅうえんは」を発動。


 すると白く輝いた聖槍せいそうの穂先から、渦巻く炎塊が放出されて、

 目映く輝いた障壁に命中して、

 その周囲に居た天使兵と機械兵を巻き添えにした。


「う、うわあああァ、ア、アァァァアァァッ!!!」


「や、ヤバイ……ギ、ギルアアアァァァッ!!!」


 だがこの一撃でも目映く輝いた障壁バリアは破壊出来なかった。

 しかしケルプの周辺に居た二十体に及ぶ天使兵と機械兵は、

 この衝撃に耐えられず、一瞬にして戦闘不能となった。


「これは予想以上の攻撃だ!

 我々でケルプ様を護るぞ!」


「嗚呼」「了解っ!」


 周囲で戦っていた天使兵と機械兵。

 合わせて十二体が直ぐにケルプの周辺を固めた。

 このような乱戦なので、敵や味方も入り乱れていた。


「周囲の手下共が邪魔だね。

 アーリア、ミネルバくん、ジョルディー、バルデロンくん!!

 キミ達四人で周囲の手下共の相手をしてくれ!」


「了解よ」「「はい」」「オッケーよん」


「ラサミスくん、それとジュリーくんにジウバルトくん。

 ボクを入れたこの四人をクロエ、エリスくんとメイリンくん。

 そしてカリンの四人で回復ヒール及び支援してくれ」


「了解ッス」


 ヨハンの言葉にラサミスを含めた六人が静かに頷いた。

 するとその光景を見ていたケルプがほくそ笑んだ。


「どうやら予想以上の力を持っているな。

 だがこの私も大天使の矜持にかけて、

 貴殿等を迎え撃つ! さあ、かかって来るが良い!」


次回の更新は2026年5月10日(日)の予定です。


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