お嬢様は婚約発表します
婚約発表
「みんなー!薫子様のご登校よー!」
「ああ、冬椿様が今日も輝いていらっしゃる!」
「ああ、よかった!今日も一日眼福だ!」
「よかったー!見て!薫子様よ!」
「まあ!なんて美しい!」
「いつ見ても気品溢れるお姿だ!」
「とてもお美しい!見ろよあのお顔立ち!」
「バカ!サラサラストレートの黒髪が一番美しいだろ!」
「いや、あの我儘ボディーが一番だろ!」
「専属護衛の杜若様もかっこいいわ!」
「切れ長の目も、二重も、キリッとした眉も、高い鼻も、肩よりちょっと上まで伸ばした美しい黒髪もとっても素敵ね!」
「おまけに細マッチョ…なんて眼福なのかしら…」
「でも確か…変な噂が…」
「代々冬椿家の護衛として仕えていた杜若様が、冬椿様と婚約なさったとか…」
「いやまさか、そんな烏滸がましい…」
「でも春桜様も薫子様を差し置いて庶民の女と恋仲になったしな…」
「まさか本当に大地様と薫子様は婚約を…?」
「皆さん、ご機嫌よう」
「ご、ご機嫌よう、薫子様!」
「ご機嫌よう!」
「ご機嫌よう!」
私、冬椿薫子は、今から学園の皆様に向けて大事なことを発表しようと思います。そう、大地との婚約発表です。私、噂されている通り、大地と婚約をしていますもの。下手な噂が流れる前に公式に発表したほうがきっといいわ。
「実は私、今から皆様に大事なお知らせがありますの」
私がそういうと周囲が一気にざわざわとし始めます。まあ、それはそうですわよね。
「私、今隣に立っている杜若大地と婚約しておりますの。ですから大地は次期冬椿家当主。くれぐれも下手な噂は流さないでくださいね?」
「まあ!なんてこと!」
「噂は本当だったのか!」
「でも薫子様、幸せそう…」
「薫子様がお幸せになるならいいじゃないか!」
「ご婚約おめでとうございます、薫子様、大地様!」
「おめでとうございます!」
「おめでとうございます!」
「ええ。皆様ありがとう」
「…あー、ありがとうございます」
横で大地が面倒そうな顔をしています。祝福されているのだから、もうちょっと喜べばいいのにどうしたのかしら?
「…あら、ご機嫌よう。雅様」
雅様がこちらに近づいてきました。一体どうされたのでしょう。
「…ああ、ご機嫌よう。薫子」
「どうかされましたの?」
「いや。君に一言おめでとうと言いたくて。君は自覚していなかったようだけれど、昔からその婚約者殿にご執心だったからね」
「まあ…!」
なんということでしょう。雅様は私の気持ちに気付いていたみたい。
「ごめんなさい、私、雅様に失礼なことを…」
「いや、いいんだ。自覚もしていなかったのだから、君は何も悪くない」
「ありがとうございます、雅様」
そうして私達は仲直りの握手をする。いつか雅様と和子さんと私と大地でお茶会が出来る仲になれるといいのだけど。
「まあ!冬椿様が春桜様と仲直りなさったわ!」
「なんて素敵なこと…!」
「いやー、よかったよかった!」
「でも杜若様にチャンスがあったなら俺にだって…」
「そんな考え方の時点でお前には無理だって」
まあ、皆さんったら大袈裟。私達の仲直りなんてそんな大層なものではないのにね。
雅との仲直り




