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激突、クロルのライバル!?《主人公はそう簡単には死にま編》






「あっちゃー、やられちゃったな」




ここは……?




「ああ、気にしないでいいよ。どうせすぐ帰るのだし」




目が開かない……。




「まあ、今の君の体ボロボロだし、ね。でも直に開くから安心するといい」




あんたは……?




「今は知らなくていいよ。……にバレちゃうと面倒だし、ね」




誰、の部分が聞き取れなかった。




「ボクが君に関与できるのもそう多くはない。早く君の体を元の状態に戻してやりたいのだけど、まだバレるわけにはいかないからね」




だから、誰に?


「いずれ分かるよ。今回はなるべく体を丈夫になるようにはしてみたから簡単には死なないと思う。それじゃ、頑張って」



え?


俺また死んだん?




「早く戻るといい。君の仲間達が心配している」




おいっ!!


まだお前には聞きたいことが山ほど……!?




視界が明るくなってゆく、さっきの男の声はもう聞こえなくなっていた。



代わりに聞こえるのは誰かのすすり声。


しゃくり上げ、嗚咽をかみ殺している。


俺は気になり、重い瞼を上げてみた。








 ・ ・ ・ 







「知らない天井だ……」



とりあえず言ってみた。

竜人一派の家か何かか? 


天井が黒い岩石っぽいな。


それに背中が少しゴツゴツする。ベッドが硬い。あまり寝心地がよろしくないな。


羽毛布団を持ってこい!



「ま……!?」



「おはよう彩香」



「ま゛……ま゛おうざま……!!」



「すげー鼻声だな」



「わ、わち……もうダメかと……! うわあああああああんっ!!!」



「おうおうよしよし」



こらこらまったくお前はもう……ホントにもう……かわゆいです。



俺の腹でわんわん泣き出してしまった彩香の頭をポンポンしてると、近くの椅子に掛けていた竜人族の老人がやって来て驚いた表情を見せてきた。



「お、お主……生きておるのか?」



「ああ、そりゃな」



「信じられん……完全に心の臓は止まっておったぞ……」



「へえ。俺死んでたのか」



あの優男が言ってたことは間違いじゃなかったんだな。

ということは、やはりあいつに助けてもらったわけか。誰だったんだろう。


蘇生のような真似ができるとなると、神族のような気もするが……はっきりとしない。




「なんだか感情が希薄な男じゃな。魔王の血族は皆そうなのか?」



「さあな。ところで爺さん誰?」



「ワシは此処、煉獄火山の地の管理者をしておる。皆からは長老などと呼ばれとるが」






「ふーん。他のみんなは?」



「先程までは此処にいたが、尻尾を生やした女子、レイン殿も外へ行った。レーヴァテインもいたが、やりきれないような面持ちだったのう」



「やりきれない面持ち……?」



俺をぶっ倒すのが目的だったんじゃないのか?


それにしても、リンとレインは外か。

まったく、薄情なやつらだ。



と、思っていたが……。



外へ出て、大きな音がするなと思ってそちらへと歩いていくと……。


なんか三人がバトルする雰囲気……!?



なんで!?




「暗殺は失敗したでござるが、こうなったら真っ向からまおーの弔い合戦でござるっ!!」



「へっ! いいぜ、今のむしゃくしゃが収まるんならてめえら相手でもなっ!!」



「…………」




うわあああ。すげえ戦いが始まりそうだけども!!


一応俺の生存はお伝えしておこう。



「みなさああああん!! 俺、生きてまあああああああ――」



「初撃の速撃―first-fast―!!」




おおおおおいいい!!!


……戦い始めちゃったぞ。


ってあれは俺を瞬殺した技では……?



――二人とも避けとるがな。なんか落ち込む。



この感じ、まるでSASUKEで第一ステージで脱落したのに次のチャレンジーは容易く第二ステージまで進んだあの虚しさに似てる……っ!



なーに言っちゃってんだか俺。



「それより、早く止めねば……」



色々とメンドイことになりそうだ。







「ふふ、じゃあ今すぐ止めるっすね?」



「あ、彩香」



いつの間にか隣に立っていた彩香がそう言い微笑む。


彩香は右手に一枚のお札のような紙を持っていた。それを掲げ、唱える。



「召喚――千鬼夜行」



百鬼夜行じゃなくて?


そう疑問を持ったのも束の間、彩香の周囲、及びリンやレイン、レーヴァテインの周囲に突然の変化が起きた。



「こ、これは……」



「あーこの懐かしい感覚。来ちゃうでござるか?」



「おい彩香。戦争でも始める気か?」



三人各々感想を漏らす。


俺も何か言おうとしたが、言葉が出ない。



だって……。


ギョロ。ギョロ、ギョロロッ。


大きな目玉が辺りでたくさん蠢いているんだもの……。




辺りに立ち込めていた紫色の煙が晴れたその場には――ぶっ飛んだ形の化け物達が大勢出現していた。








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