198 どっちを向いてもクマ どこまで行ってもクマ
ようやっといつものノリに戻れるー。師匠はヘビーな設定詰め合わせな人たちがつるんでいるのでめんどくさいというか、しんどいです。
奥の部屋から恐る恐る顔を出した華怜は、ガラス張りの交番の外に広がる光景に驚いた。
目の前にあるはずの北千住西口は何処にも存在していなかったからである。
目の前にヌイグルミ達がわちゃわちゃとうごめく、巨大なロータリーみたいな空間が広がっていた。
「え? え? どういうこと? わたし、変な世界に来ちゃったの?」
ずんた ずんた ずんたった ずんた。
なんだかどこかで聴いたような聴いたことがいないような、懐かしい感じの行進曲が流れてくる。
チーキー楽団が大きなチーキーベアを先頭に華怜に近づいてくる。大きなチーキーベアの右肩には、綺麗な少女がちんまりと座っていた。取手頼子であった。
「迎えに来たわよ、あっちかな♪、こっちかな♪ の華怜ちゃん」
「何が起こってるの? あなたは誰?」
「ああ、お初だったのね。私は取手頼子。このヌイグルミ惑星の住人。貴方の彼氏のタダシ君が思ったよりも頭がよくって、権力を持っていたおかげで、隠遁生活から引っ張り出されてしまったのよ」
「え? タダシのせいで……それはどうもすいません」
華怜はぺこりと頭を下げた。
「こりゃどうも。で、あっちとこっちは一つになったようね、おめでとう」
チーキー楽団がぱっぱかぱーとファンファーレを吹き鳴らす。
「ようこそ混じり者の世界へ」
「混じりも、の?」
「第7話『和三郎 バンブルビーと聞き間違える』で、自ら回想しているじゃないですかっ!
『えーと、混じり者ってのは聞いたことがある。怪異と混じった人の事を指す言葉で、差別的な意味合いが強い。ちょっと前はデビルマンって呼ばれてた。今だとハイブリットって呼ばれてる、これも灰ぶりとか当て字を当てて馬鹿にする言葉にもなってるな。混じり者は社会的にも冷遇されてる。なんせ原因は分からないけど、怪異と混じってしまっているから、畏怖されてしまう。触らぬ神に祟りなし。神様的な要素が混じれば良いけど、ほんと変な怪異と混じると、途端に差別されてしまう。』って!」
「だから、その麻薬常習者な名探偵のお供の真似はやめろっての!」
鈴鹿和三郎と淡島ハルコがいたら、勝手に解説を加えてくれたに違いない案件である。
「神様由来の特殊能力ってのは、先祖返り的なものもあるんだろうけど、異界渡りをした連中が知らぬうちに得た特殊能力が大元だろうと、連ちゃんが言ってたよ」
取手頼子が和三郎の兄? 姉?な鈴鹿連の受け売りで、混じり者について説明する。
「あっちとこっちが融合してるからさ、きっと何かの能力を身につけているわよ」
「は、はあ」
華怜は情報過多の波に晒されて、今一つも二つも解っていなかった。
「じゃ、みんなのところへ行くわよ。デッカイ、お願いね」
「クママー」
デッカイと呼ばれた大きなチーキーベアが、華怜を掬い上げると左肩に乗せて、のしのしと歩き始める。
ずんた ずんた ずんたった ずんた。
チーキー楽団はなんだかどこかで聴いたような聴いたことがいないような、懐かしい感じの行進曲を奏でながらずんずん進んでいくのであった。
「キングダム」の総集編を観たのだけど、アクションシーンは悪くないのだけど、悪くないだけなんだよなあ。やっぱり、谷垣健治や園村健介の演出が好みだなあ。王道路線だったら岡田准一の方が上手いと思う。




