193 師匠こと佛淵三郎2
ということで三郎君の元居た世界で起こったこと其の2です。
余計な設定どんどん増えるけど、整合性がとれなくなるのでしかたないな。
「『黒い警察』1972年のイタリア映画。証拠不十分などで釈放された犯罪者を、処刑して廻る私設自警団黒い警察を追うベルトーネ警部の活躍を描く刑事アクション。主人公のベルトーネ警部役をエンリコ・マリア・サレールノが演じた。『ダーティーハリー2』よりも先に自警団ものを扱ったパイオニア的映画だ。アクション控えめで、バッドエンドなんだよなあ」
シバテツが居たら、絶対に説明しだす案件である。でも、まだ師匠も毒島伽緒子も「ミラクル☆ガールズ」事件の時点では、シバテツこと新発田哲也とは出会っていない。彼らが出会うのは、少しだけ未来の「八雲式端末」事件でのこととなる。
「あっちは元警察が組織した自警団だったのだけど、俺が遭遇したのは現役警察官で構成される、警察内秘密組織だった。別に関わる気はなかったんだ。どうしたって裁判結果で有罪になっても、数年で出てくるような犯罪者も居るじゃない? 釈放したらまた同じ犯罪を繰り返す、反省ができないやつとかさ、連続殺人とか性犯罪みたいに、そういう生き方しかできなくて、それを言い訳にして好き放題しようとするやつとかさ。そういう連中を秘密裏に始末してくれるんなら、世の為になるんじゃないかと。そう思い込むことで、最初のうちは目を瞑っていたわけ。こっちにはこっちの生活もあるし、奥さんと子供もいたわけでね。まあとにかく関わりたくはなかったのさ」
膝の上のキミコのクマは三郎と向き合うように正座して、うんうんと頷いている。
三郎はキミコのクマの赤黒くゴワゴワとなった耳たぶを指で挟んで、ぐりぐりといじる。キミコのクマはくすぐったそうで、うれしそうで、身をくねらせる。三郎の指先に乾ききったキミコの血がポロポロとこびり付いた。その指先を見つめながら、三郎は話を続ける。
「でもなあ。結局できなかったなあ」
「デキナカッタナア」
「正義感から?」
毒島伽緒子が尋ねた。
「うーん、正義感かあ。なんつうか許せなかった。
これもどこかで聞いたような話なんだけど、悪い奴処分するのに悪い奴を使ってた。しかも、ガチガチゴリゴリの快楽殺人鬼・二葉義人」
「ゴリゴリガチガチィ」
キミコのクマが三郎の膝の上でゴーゴーを踊り出した。
「目には目を、歯には歯を、怪獣には怪獣をじゃよってやつね」
「怪獣オリンピックねえ。ピグモンが表返るのよねえ」
鈴鹿連が弟譲りの蘊蓄で混ぜ返した。
「二葉義人って小さい女の子ばっかり殺してた殺人鬼ね。そういう人って融通利かないんじゃない?」
毒島伽緒子が師匠に尋ねる。
「ソウネ。自分ノ求メル快楽ガ最優先ヨ。普通ハ人ノ言ウコトハ聞カナイノヨ」
キミコのクマが毒島伽緒子の質問に答える。そのまま、三郎の身体をよじ登ると、肩の上にちょこんと座る。
「オトサン、マダ記憶ニ蓋シテル。大丈夫、壊レナイカラネ。オトサン、辛イノカラ解放ネ」
キミコのクマは三郎の側頭部にミトンな右腕をそっと添えた。
谷垣健治の「The Furious」は早く日本で観れるようにしてください。お願いします。
次回作がジョー&ルッソ兄弟もからんでるらしいのでそれも観たいよねえ。




