192 師匠こと佛淵三郎
師匠こと佛淵三郎くんの掘り下げ回となります。最初の登場からこの御方が一番、色々とバックボーンを晒してくれてますね。色々と抱え込んでいる人を出そうと考えたからなんだろうな。
くるるんくるるんくるくるるん。
自分の膝の上でクマが踊っている。
キミコのクマ。
俺が5歳の誕生日に贈ったキミコのクマ。
ところどころ赤黒くくすんでしまっているのは、キミコの血が零れた痕だ。
ぱっくり開いたキミコの喉元。ナイフで切り裂かれた喉元の傷がなんだか嗤っているように視えたのを思い出した。
「お前は鑑識に押収されていった。今でも証拠品倉庫の段ボールの中だと思っていたよ」
「段ボールクライセマイ。
キミコイナイ。気ガツイタラ此処ニ居タヨ。
オトサン、生キタカ? ウンウン、オ姉チャン役ニ立ッタ」
「お前が言うお姉ちゃんって、なんだ?」
キミコのクマ妹が大きくコクリとうなずく。
「オ姉チャン、オトサント同ジ世界ノクマ。オトサント一緒ニナルッテ言ッテタ。帰レナイ、オトサン少シデモ助ケタイッテ。
オ姉チャンイナイ、寂シイケド、オトサン生キタ。ヨカッタヨカッタ」
「何故お前たちはそこまでして俺を助けた? 自分の奥さんと子供の仇も取れなかったクズ野郎なんだぞ。生きる価値はあんまり無いと俺は思う」
「キミコノオトサンダカラダヨ。キミコハオトサンノ事大好キナノヨ。
ダカラ死ンデホシクナイノネ」
くるるんくるるんくるくるるん。
キミコのクマは再びクルクルと踊る。
そこへ、毒島伽緒子がシナチクを抱っこして現れた。その後から、鈴鹿連がやって来た。師匠は毒島伽緒子を確認すると、短く笑っって話始めた。少しだけ晴れ晴れとした表情なのを、毒島伽緒子は見逃さなかった。
「カオの事情はあらかた聞いていたよな。もう覚えていないかもしれないが、小さい時にお前は師匠が何も話さないのはずるいと言ったんだ。そうだな、ずるいよな。
だから、今から俺の身の上に起こったことかいつまんで話そう。
まあ、今となってはもうどうしようもないことなんだけどな。
俺の身に起こったことは、そうだなあ、ほんとに昔々のB級映画のような話だったよ」
毒島伽緒子はベッドの横の丸椅子にちょこんと座る。その膝の上にシナチクがちょこんと座る。
毒島伽緒子のGrandsは佛淵三郎の血がこびり付いたままだった。
「イタリア映画の『黒い警察』って言ってもわかんないよな」
そう笑って、師匠こと佛淵三郎は語り始める。
ということで『ガス人間第一号』と『ガス人間』を鑑賞中。『ガス人間』はまだ第1話だけ。掴みはオッケーと言うか、イントロダクションは巧みな人だよなあ、ヨン・サンホ。まあ色々と突っ込みポイントが多そうな予感がするが、楽しませていただこうか!




