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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
師匠と私 ミラクル☆ガールズ
195/206

191 どんな時も二人じゃなきゃダメなの

えーとまずはこんな感じで、並行世界で同時に存在した場合の結末みたいな。

これもいろいろ後から補填します。

2026/06/29 融合しちゃうまでを追加。

あっちとこっちの華怜は、銃撃が始まった瞬間、すぐに交番の奥の部屋へ誘導された。ここから動かないようにと言い含められていた。

事務机の上にパソコンが置かれている、事務室的な部屋であった。

どちらからというわけでもなく、華怜と華怜は手を取り合って、よりそうようにしゃがみこんでいた。時々聞こえる銃声にビクッと首を竦めている。

「えっ?」

ふと成り行きで恋人つなぎになっていた手を見てこっちの華怜が驚いた。

こっちの華怜の右手とあっちの華怜の右手が握り合った部分から癒着が始まる。ひとつの塊へと変化し始めていた。

「ああ」

あっちの華怜は半ば予想していたのか、こっちの華怜ほどの驚きは見せていなかった。

「大丈夫。あなたは消えないから」

あっちの華怜が、こっちの華怜に安心させるようにゆっくりと言葉をかけた。

「え?」

「だって、元々あなたの世界でしょ? 私はこっちへ紛れ込んだだけだもの。

たぶん、あたしはあなたの一部になると思う」

「このままくっついちゃうの?」

「そうね。取り込まれちゃうんじゃないかな」

「それはダメっ」

「ダメでもダメよ。ここはあなたの世界だから、世界はあなたを優先するわ」

「そんなあ、双子のアイドルとか考えていたのにー」

「ははっ、『好きよキャプテン』でも歌っちゃおうか。でもねえ、双子のアイドルは一発屋が多いから、それこそダメよう」

あっちの華怜がシニカルな笑みを浮かべる。遅かれ早かれこうなってしまうのは解っていた。

「ごめんね、ほんとはタダシを何とかしてから、消えようと思ってたのに、

なんだか、もう、うまくいかないものね」

今度はこっちの華怜がシニカルに笑う。

「うまくいかないのは今に始まったことじゃないよ。アイドルには成れたけど、それは自分が思い描いたものではなかったし、そうなろうと努力しても、ねえ」

あっちの華怜とこっちの華怜がいつのまにか両手を繋ぐように向かい合っている。浸食はずぶずぶと続いていて、あっちの華怜の身体が徐々にこっちの華怜の身体に吸い込まれていくようだった。

「うん、うん。そうだった。すっかり忘れていたよ。あたしはそんなにやる気はなかったけど、貴方はほんとうに真剣にアイドルしたかったんだね」

こっちの華怜の瞳に涙がじわじわと溜まり、ぽろりと零れ落ちる。そのまま、嗚咽をもらし始める。これは止めようにも止まらない。

「たぶん、このままあたしは消える? というか貴方の中に溶けていく? そんな気がする。これからも頑張ってね。貴方が目指すほんとのアイドルに成れるように、貴方の中からあたしも応え……」

融合は止まらず、あっちの華怜の身体は半分がこっちの華怜の身体に沈み込んでいた。もうあっちの華怜は言葉を発することはできなかった。

こっちの華怜は胸にずぶずぶと埋まっていく、あっちの華怜を抱きしめた。あっちの華怜が消えてなくなってもずっとそのままでいた。


隣の部屋から『デイジー・ベル』が聴こえてきた。


ジャングルの王者であるカバが人を襲いまくる「Hungry」は日本で公開されるんでしょうか?

予告編はすごく楽しそうだったので観たいなあ。

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