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ヒルコの娘は常世と幽世の狭間で輪舞を踊る  作者: 加藤岡拇指
師匠と私 ミラクル☆ガールズ
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185 ヌイグルミとバービー

ああ、ここにヒルヒルとワサワサがいたら、大変なことになっていたんだろうなあ。

中途半端で済まぬ。あとで追記するなり。


2026/06/08 後半を追加。ここで派手な銃撃戦になるはずなのだけど、さて。

2026/06/09 後半の描写を追加。

2026/06/15 実際に西口駅前交番確認したら、交番入口はエスカレーター側ではなく、駅の方を向いていた。ということで立ち位置などを正しいものに修正って、いやフィクションだからそこまで忠実にする必要はないんだろうけど。

「ペコ郎ってなんでペコ郎なの」

「いつも腹ペコだから。そういう設定だったから……いや、最初は違くって…」

無窮丸文子は口の中でごにょごにょと唱えた。

両親は共稼ぎで家には居ない。寂しさを紛らわす相手がペコ郎だった。一人遊びの相手だったクマは食いしん坊でいつも腹ペコという設定だった。というか遊んでいる時の即興に即興が重なって、しらないうちに腹ペコ設定が生まれたというか。

そういえばペコ郎(あのコ)ってどうなったんだろう? 警察学校に入るまでは部屋に居た記憶があるのだけど。

「だからペコ郎かあ」

毒島伽緒子は楽しそうに微笑んだ。

「わたしのシナチクはね、わたしがラーメン好きだったから。いっしょにラーメン食べてるときに、名前を付けたんだ」

「え? シナチクよりメンマのほうが、響きとか可愛くない? なんでシナチク?」

「シナチク=メンマって知ったのはだいぶ後。名前知らなかったから、お父さんに聞いたら≪シナチク≫って」

「ああ。なるほど」

「あたしはヌイグルミとかじゃなかったな。むしろお人形さんだったと思う。バービーなんだけどね、姉のおさがりだった。今の外国人っぽいバービーと違うんだよね。リカちゃん人形のバージョンアップみたいな感じなの。友達からはニセバービーって言われたんだけどさ」

こっちの華怜も話題に参加してきた。彼女の言うニセバービーは、おそらくタカラとマテル社が提携していた頃に、日本で商品展開されていたバービーであろう。

ヌイグルミやお人形などの思い出話に興じていたところ、交番の入り口付近が騒々しくなった。

何事かと無窮丸文子が入口の方を見やる。


駅側に向かって入口のある西口駅前交番。その入り口でもめているのは宵闇達だった。師匠とあっちの華怜を交番内に入れる入れないで押し問答になっているらしい。

「あ、ふみちゃーん、この頭の固い警官さんに説明してもらえないかなあ」

交番内に無窮丸文子の姿を見つけた、師匠が間延びした声をかける。それをみて呆れた無窮丸文子の肩口から、ひょこりと毒島伽緒子が顔を出した。師匠と目が合うとにっと笑う。師匠はそれに手を上げて応えた。

「どうして宵闇クンが居るのに、悶着になってるの?」

「さあ? よっちゃんは目つきが悪いから、犯罪予備軍だと思われたんじゃない?」

「だあっ、ふざけるなおっさん。交番に先客がいるから、署の方に回れって言われただけだろ」

先客である女性3人は同じ事件の関係者だからといっても、人数多すぎなので署の方へ先に移動してほしいと交番の担当警官は聞き入れてくれない。そう言う状況だった。


「ほんと、困っちゃ……」

師匠が重ねて軽口を吐き出そうとした瞬間。並んで立っていた警官が勢いよく吹き飛んだ。吹き飛んだ警官は、真横からの攻撃に気づく間もなく、ローターリー側のガードレールに激突し、盛大に血糊をぶちまけた。頭部に大きな風穴があいている。どうやら敵は交番真横のエスカレーターから狙撃してきているようだ。宵闇はあっちの華怜をかばうようにして交番内へと飛び込む。そのまま奥の部屋へと向かう。無窮丸文子もこっちの華怜をかばいながら、奥へと向かった。毒島伽緒子はその場で低い姿勢へ保ち、師匠に警告を伝えようとしていた。


師匠は弾丸が飛んできた方向を目視しようと体を巡らす。エスカレーターを下りながら、黒スーツがSIG MCXの銃口を交番入口に向けているのが視界に入る。避ける暇はなさそうだった。師匠は毒島伽緒子にそのまま待機するように右手で指示を出すのが精いっぱいだった。

「こりゃあ、あかんやつだ」

師匠がつぶやくと同時に、自身の身体に衝撃が走り、追いかけるように激痛が走った。師匠はそれでも半身になって、出来うる限り着弾面積を減らそうと努力はしていた。師匠は血飛沫を上げてなんとか交番入口に飛び込んだ。机に身体をひどく打ち付けて、そのまま倒れていく。左肩は砕け血まみれであるし、どうにも左肺にも穴を開けられたらしく呼吸が難しい。

「サメのスカジャン、血まみれじゃあないの」

その光景を目撃した毒島伽緒子が、声なき悲鳴を上げた。

ヴァージンパンクは相も変らずで、梅津泰臣さんは最高だなあ。気合の入ったモキュメンタリー「ストレンジハーベスト」が早く観たい。

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