175 あっちの華怜は考える。
よもやよもや、こんな話になるなんてねえ。
2026/04/17 少しいじる。チャームの設定が邪魔になって来たので、どうにか整合性を考えよう。
あっちの世界から霧に捲かれて、こちらの世界へ足を踏み込んだ。
藤堂華怜は此処が自分の世界でないことを十分に理解していた。こちらの華怜に出会ったことで「ああ、そうなんだー」と確信するより前、こっちの世界に足を踏み込んだ瞬間に、此処の世界は自分の居場所ではないと気付いていた。
師匠が良く言う「居心地が悪い」と同じ感覚であろう。なんとも言語化しづらい感覚が付きまとうらしい。おまけにこっちの世界の自分が存在している状態だから、なおさらおかしな気分なのではないだろうか。
あっちの華怜は芸能プロダクションの資金を横領したタダシの巻き添えを食らった。こいつやってんなという確信はあったものの、やはり甘い汁は吸いたかったわけで。そんな油断が危険回避のタイミングを間違えさせてしまった。そのせいで、あわや山奥で殺されかけた。原因は不明だけど、世界を跨いだことで命だけは助かった。自分が居たあっちの世界と、こっちの華怜の世界はかなり近しい世界なんだと思う。
時間的なズレは1か月くらいなんじゃないだろうか。まだ横領が発覚していなかったし、なんだろう? こっちの華怜は自分と違って、メンタルがか弱く見えた。危うく感じた。後、出会ってしまって分かったこともある。ほんとだったらこっちの華怜には出会わなかったんだろうなあ。それがなぜか出会ってしまったわけだ。
携帯電話の着信音が鳴る。
タダシからだ。社長にやんわり探りでも入れられたのだろう。
出逢った時に判ったこと。わたしはおそらく居なくなる。漠然とそう思ったのだ。
ならばこっちの華怜が少しでも生き易いようにしてあげようと、そう決めたのだ。
こっちの華怜の邪魔になるものを抹消した後、自身は消えていこうと考えた。
「だってわたしの居場所はここじゃないんだもの」
『淡島百景』鑑賞。浅香守生節炸裂、気持ちいいほどぬるぬる動きやがるぜ。




