第2話
気づいた時には、彼女はこの辺りで最も古い星となっていた。
どうして自分だけ、分からないのだろう。
誰を愛していたのだろう。
もしかして、もう相手はとっくに生まれ変わっていて、自分が気づけなかっただけなんじゃないだろうか。
彼はもう、とっくに新しい誰かと、幸せな世界を作っているのかもしれない。
不安はいつか諦めに変わった。
それでも星の暮らしは悪くなかった。
彼女は夜の世界をただ見つめているのが好きだった。
かつて松明の火が、ガス灯が、照らした世界は今、夜通し消えることのない色とりどりの電飾で、星よりも明るく輝いている。
きらきらと反射する光は、そこにいる人々の幸せを映しているように思え、自分の心も暖かくなった。
それに周りの星達も、彼女にとって心地よかった。
他愛もないお喋り、その中心に積極的に彼女が立つことは少なかったけれど。
皆が彼女に親しく声をかけてくれた。
彼女の物静かな優しさに皆が惹かれていた。
-『あの時』は皆が私を敬ってくれたけれど、それはとても寂しかった。孤独だった、から-
そう思って。
次の瞬間には、それは何の話だったか分からなくなる。
『あの時』っていつだろう?
それが前世の記憶なのだろうか。
考えるとますます分からなくなり。
そして今日もまた、彼女は考えることをやめ、世界を見渡している。
朝が来れば一眠りして、また夜を迎える。
そんな日が、ずっと続くと思っていた。
けれど-。




