↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第三章 影の調停者編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/158

第九十四話 魔兵団本部

俺達は討伐団のアジトを出発して数日、目的地へ辿り着いていた。


「凄く大きいな……」


俺は思わず呟く。


目の前にそびえる巨大な建物は魔兵団本部だ。


王国中の魔兵団が集まる中心地であり、多くの強者達が所属する場所。


入口には人が溢れていた、人間、魔族、様々な人がが行き交っている。


キャリーが周囲を見回しながら言う。


「あれ全部魔兵団?」


「多分な」


二人は人混みを抜け、本部の中へ入った、中はさらに賑やかだった。


依頼を受ける者、報告を行う者、仲間と話す者、様々な人が居た。


「受付はあっちみたい」


キャリーが指差す、その先には長いカウンターが並んでいた、二人は列へ並んだ。


しばらく待つと順番が回ってきた。


「こんにちは」


落ち着いた女性の声、受付の向こうには一人の女性が座っていた、整った身なり、柔らかな笑顔、胸元には魔兵団の紋章が付いている。


「私はエントリと申します」

「ご用件をお伺いします」


アルは魔兵団免許を取り出した。


「試験に合格したので登録に来ました」


エントリは免許を確認する、そして微笑んだ。


「合格おめでとうございます」

「それでは簡単に魔兵団について説明いたしますね」


二人は頷いた、エントリは一枚の紙を取り出す、そこには階級一覧が書かれていた。


「魔兵団には四つのランクがあります」


指先が一番下を示す。


「ブロンズ」

「見習いや駆け出しの魔兵団が所属する階級です」


続いてその上。


「シルバー」

「手練れと呼ばれる実力者達です」


エントリはさらに説明を続ける。


「ゴールド」

「熟練者の階級です」

「一部の方は優秀なパーティの団長として活躍されています」


キャリーが首をかしげた。


「パーティって?」


「複数の魔兵団で構成された組織です」

「依頼や活動を効率的に行うために存在しています」


「なるほど」 


俺はは思わず感心する、ゴールドともなれば相当な実力者なのだろう。


そして最後の階級、エントリの声も少しだけ真面目になる。


「プラチナ」

「魔兵団最高位です」

「王国最強クラスの方々が所属しています」

「また王の選挙へ立候補する資格も得られます」


俺とキャリーは顔を見合わせた、王の選挙、想像していた以上に大きな話だった。


「すごい……」


キャリーが素直に呟く。


「皆様はブロンズからのスタートとなります」

「頑張ってくださいね」


エントリは優しく微笑んだ、その時だった。


「はああああ!?」


突然隣の受付から大きな声が響く、俺達は思わず目を向ける、そこには一人の少年がいた。


緑色の髪と緑色の瞳、俺と同じ位の身長の人間。


だが、その表情は絶望そのものだった。


「また団員になるの断られたって……?」

「全然有名でもないパーティなのに……」


少年は頭を抱える。


「やっぱり俺はダメなやつだ……」

「才能もないし……」

「弱いし……」

「俺みたいなのを取ってくれるパーティはやっぱり無いのか……」


もの凄く後ろ向きだった、受付の職員も慣れているのか、呆れた顔をしている。


「周りの迷惑になるので静かにしてください」

「それに用事が済んだなら行ってください」

「待っている方がいるので」


「あっ……」


少年は肩を震わせる。


「す……すいません……」


ぺこりと頭を下げる、そして小さくなりながら歩き始めた。


「……」


俺とキャリーはその背中を見ていた。


俺は学園に居た頃の自分を思い返した、何も出来なかった自分、校長先生やライス先生が手を差し伸べてくれるまでの自分を。


だから放っておけなかった、気付けば俺は歩き出していた。


キャリーは驚いた表情をし、言う。


「……ちょっと、アル!?」 


キャリーは駆け足で俺の後ろを付いてきた、俺達は立ち去ろうとする少年の後を追いかけた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。