第九十二話 合格
全ての試験が終わった、第一次試験の生き残りを賭けた森でのサバイバル、最終試験の受験者同士の戦い。
長かった、本当に長かった、何度も限界を迎えながら、ここまで辿り着いた。
残った者たちが広場に集められる。
その数26名。
推薦書が宙に浮かび、大きく光った。
『それでは発表する!!』
『ここにいる26名を――』
一拍。
『魔兵団として認める!!』
歓声が上がった、安堵する者、拳を握る者、涙を流す者など様々だった。
その瞬間、推薦書が眩い光に包まれる、紙だったはずのそれは形を変え、やがて一枚の証へと姿を変えた。
魔兵団免許、正式に魔兵団であることを示す証だ。
俺はそれを受け取る、ずっと目指していたもの、ライスに背中を押され、旅に出て仲間と出会い、命懸けの試験を越えてようやく手に入れた。
それなのに、素直には喜べなかった、脳裏に浮かんだのは不気味な笑みを浮かべた男、ダーク。
勝ったはずなのに胸の奥に何かが引っかかっていた。
「……」
俺は免許を見つめる。
だが、その時だった。
「なによ、その顔」
聞き慣れた声に思わず振り返る。
そこにはキャリーがいた、少し疲れた様子。
それでもいつもの笑顔を浮かべている。
「合格したのよ?」
そう言って、軽く肩を小突いてきた。
「もっと喜びなさいって」
俺は少し驚く、そして苦笑した。
「そうだな……」
今はよそう、考えるのは後でいい、この結果を彼女と喜ぼう。
俺は魔兵団免許を掲げる、キャリーも同じように掲げる、二人は顔を見合わせた。
そして自然と笑った、長い試験は終わった、ここから先が本当の始まりだ。
◆
ダンジョン「深淵」最下層にその男は居た。
全ては一つの目的を成し遂げる為。
男は小さく呟く。
「あともう少し……」
「待っていてください、私が必ず……」
「貴方様を救います……」
第二章 魔兵団試験編 完




