69/157
第六十九話 反撃
「ムウがやっていたこと……」
俺は息を整えながら言う、痛みで集中が乱れそうになるが、それでも頭は回っていた。
「魔法の同時発動」
「難易度の高い技術」
「複合魔法」
「複数の魔法を組み合わせて、一つの現象にする」
キャリーが最初に理解した。
「あっ……!」
「水と雷……」
「ああ」
俺は頷く、相性が良い、水にはよく雷が通る、威力が跳ね上がる、単独で撃つよりはるかに強力だ。
オクも理解したらしい。
「なるほど……!」
俺はさらに続ける。
「アイツの急所は見えてる」
ダークを見る、人間だ、化け物じゃない、ちゃんと急所が存在する、魔視がそれを捉えている。
「隙を作れば……」
「やれる」
キャリーが笑った。
「なるほどね」
オクも拳を握る。
「やりましょう!」
その様子をダークは静かに見ていた、まるで商品を眺めるように、値段を付けるように、感情のない目で。
そして小さく呟く。
「水の女は4」
「雷は女は1」
「弱者、虫唾が走る」
ダークは短剣を構える。
「殺さねば……」
さっきよりも遥かに殺気が増す。
だが、こちらも準備は終わった、キャリーが魔力を練る、オクの周囲に雷が走る、俺はナイを握り直した。
そして三人同時に前を見る、ここからが反撃の時間だ。




