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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第一章 学園編

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第六話 校長

翌日、授業を終えたアルは一人の教師に呼び止められていた。


「アル・サクリファイス」


「はい?」


「校長がお呼びだ」


「……え?」


アルは固まった。


校長、この魔法学園の頂点に立つ人物。


滅多に生徒を直接呼び出すことなどない、ましてや自分のような生徒を。


(な、なんで!?)

(昨日の実技か!?)

(まさか退学とかじゃないよな!?)


そして数分後、アルは校長室の前に立っていた。重厚な扉を前に、思わず生唾を飲み込む。


「し、失礼します……」


恐る恐る扉を開く、部屋の奥には一人の老人が座っていた。


白く長い髭、深い皺が刻まれた顔、長年の経験を物語る鋭い眼光。


ただそこに座っているだけで圧倒されるような存在感があった。


その名は――


グロウ・エンブレム。


最強の魔法使い「賢者」の一人、数々の伝説を残し、魔法学園の校長を務める魔法使いだった。


「来たか」


低く落ち着いた声が響く。


「は、はい!」


アルは背筋を伸ばす。


グロウは机の上の書類へ目を落とした。


「アル・サクリファイス」

「十五歳」

「筆記試験は歴代でも上位に入る成績」


アルは少し驚いた。


校長が自分の成績を把握しているとは思わなかったからだ。


だが次の瞬間、グロウは静かに続ける。


「しかし実技は最低評価」

「得意魔法なし」

「現在の総合成績は学年最下位付近」


アルは俯いた、言い返せない、全て事実だった。


しばらく沈黙が流れる。


やがてグロウが言った。


「なぜ諦めん?」


「え?」


アルは顔を上げる。


老人の目は真っ直ぐこちらを見ていた。


「何年も結果が出ておらんのだろう」

「周囲から笑われ続けている」

「それでもなぜ学園に残る?」


アルは少し考えた、だが答えはすぐに出た。


「魔法が好きだからです」


グロウは黙って聞いている。


「それに……」


アルは拳を握った。


「強くなりたいんです」

「どんな人も守れるくらい」


校長室に静寂が流れる、グロウはしばらく何も言わなかった。


そして。


「お前の父親と母親のことは覚えておる」


その言葉にアルの目が見開かれた。


「え……?」


「父、カーレッジ・サクリファイス」

「母、カインド・サクリファイス」


アルの鼓動が早くなる、幼い頃に亡くした両親、

自分にはほとんど記憶がない、そんな二人の名前を校長は迷いなく口にした、グロウは懐かしむように目を細める。


「二人とも立派な人間じゃった」


そして――。


老人の表情が少しだけ真剣なものへ変わる。


「お前が思っている以上にな」


アルは思わず息を呑んだ。

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