表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第一章 学園編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/33

第五話 努力

夕暮れ、学園からの帰り道をアルは一人で歩いていた。


いつもなら新しい魔法の話を考えたり、明日の授業を楽しみにしたりする。


だが今日は違った、訓練場で浴びた笑い声が何度も頭の中で響く。


『やっぱり不発じゃねぇか!』

『魔法学園で魔法が使えないとか終わってる』

『身の程知らずにも程があるぜ』


アルは拳を握り締めた。


「……くそ」


気付けば俯いていた、そして家へ帰る。


小さな家。


今はもう、一人しか住んでいない家。


静まり返った部屋に入ると、アルは荷物を置き、そのまま棚へ視線を向けた。


そこには一枚の写真が飾られている、まだ幼かった頃の自分、そして優しく笑う父と母。


アルはゆっくりと写真を手に取った、しばらく黙って見つめる。


やがて――。


「なぁ……父さん……母さん……」


声が震えた。


「俺、ちゃんと頑張ってるんだ」


誰に聞かせるわけでもない、ただ胸の内から言葉が溢れた。


「みんなが遊んでる時も勉強した」

「魔法だって誰より練習した」

「毎日、毎日、何回失敗しても続けた」


写真を握る手に力が入る、悔しさが込み上げる。


「なのになんでだよ……」


唇を噛む。


「なんで俺だけできないんだよ……」


目から涙が零れそうになる、だが必死に堪えた。


弱音なんて吐きたくなかった、諦めたくなかったから。


それでもぽたり、と涙が落ちる。


「努力は報われるんじゃなかったのかよ……」


アルは写真を胸に抱き寄せた。


「父さん……母さん……」


返事はない、部屋には静寂だけが残る、窓の外では夜の帳が降り始めていた。


それでもアルは諦めなかった、涙を流しながらも、心のどこかで信じていた、いつか必ず、自分にもできる日が来るのだと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ