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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第二章 魔兵団試験編

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第五十九話 変な奴

森が静寂に戻る、化け物は動かない。


結局俺は何もできなかった、ただ見ていただけだ。


ムウは剣を肩へ担ぎながら歩いてくる、炎はすでに消えていた、まるで先ほどの激闘が嘘みたいだった、ムウは俺の前で立ち止まる、そしてじっとこちらを見る。


「アル……」


名前を呼ばれた、学園ではほとんど接点がなかった、だから少し意外だった。


「魔視は使えんのか」


「え?」


俺は目を瞬かせる、ムウは続ける。


「転移魔法に気づいてたな」

「普通のやつなら気付かねぇ」

「どうやらただの落ちこぼれではねぇみてぇだ」


褒められているのか、馬鹿にされているのかよく分からない。


困惑する俺を見てムウは肩をすくめた。


「まぁ」

「それだけか」


「え?」


「じゃあな」


そう言って背を向ける、俺は思わず叫んだ。


「待ってくれ!」


ムウが足を止める、振り返らない、だが聞いてはいるらしい。


俺は興奮していた、恐怖より、驚きより別の感情が勝っていた。


「あの!」

「さっきの!」

「戦闘で使った魔法!」

「どんな魔法なんだ?」

「教えてくれないか?」


止まらない、戦いが始まった時からずっとそうだった、知らない技術、見たことのない魔法、それを見たら気になって仕方がない。


「見たことない魔法もあった!」

「すごかった!」

「教えてくれ!」


森が静まる、魔族の少女がぽかんとしていた。


数秒の沈黙、そしてムウが振り返る。


「……は?」

「お前」

「今聞くこと、それか?」


「だって気になるだろ!」


即答だった、ムウは額を押さえる、そして初めて少しだけ笑った。


「変な奴だな」


そう言うムウの瞳の中にはアルが映っていた。

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