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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第二章 魔兵団試験編

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第五十八話 高嶺の花

炎の鎖が空を裂く、だが、化け物は再び姿を消し、そして別の場所へ現れる。


「やっぱりな」


ムウは落ち着いた声で呟いた、焦りはない、むしろ確信を深めたようだった。


「転移魔法か」

「ただ――」


ムウが剣を構える、その瞳は獲物を見定める猛獣のようだった。


「荒いな」

「予測しやすい」


俺はハッとする、そうか、消えているんじゃない、転移しているんだ、だから魔視でも追いきれなかった。


移動速度ではなく、移動そのものが別の場所へ飛んでいる。


「そうだ……」

「この化け物は消えてるんじゃない」


魔力の残滓、わずかな痕跡、今なら見える。


「転移魔法を使ってるんだ」


その瞬間、ムウが消えた。


「!?」


今度は俺が見失う、辺りを細かく探す、そして見つけた。


空、化け物の真上にムウがいた。


「上!?」


化け物も気付いた、即座に両腕を掲げ、魔力が集まる。


半透明の壁、強固な防御魔法、あれだけの魔力だ、簡単には破れない。


だが、ムウは止まらない、炎が集まる、剣へ、腕へ、身体中からまるで太陽のような熱量を出し、剣を振り下ろした。


一閃、それだけだった、派手な爆発もない、叫び声もない、ただ斬った、それだけなのに防御魔法は紙のように裂けた。


スパッ――


あまりにも鮮やかに、あまりにも自然に、防御魔法ごと魔物は真っ二つになる。


その光景がはっきりと俺の瞳へ焼き付いた。


「……」


言葉が出ない、ただ見ていた学園時代、手の届かない存在だと思っていた。


だが違った、届かないなんてレベルじゃない、もっと遠い、もっと高い。


それでも目を離せなかった、それがあまりにも美しい剣だったから。


ムウは着地する、そして小さく笑った。


「そこそこ硬かったな」

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