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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第二章 魔兵団試験編

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第五十三話 異常

試験開始から約二時間―――


森の中を歩きながら俺はあの魔物のことをずっと考えていた。


(なんて言う魔物なんだ……)


頭の中で図鑑をめくる、巨大な身体、異常な魔力、圧倒的な存在感。


だが、思い当たる魔物がない。


(知らない……?)


俺は人一倍勉強してきた、魔物図鑑も読み込んだ、それなのにあの魔物だけは一致するものがない。


(ただの試験じゃない)


そう確信していた、ここは危険すぎる、受験者を試すにしては異常だ。


まるで、試験とは別の何か、大きな別の目的があるような感じさえする。


(何かがおかしい)


そう思ったその時。


「きゃあああああっ!!」


甲高い悲鳴、森に響き渡る、俺は反射的に顔を上げた、女の声だ、しかも近い。


「っ!」


気付けば走り出していた、考えるより先に身体が動く、全速力で声の方に。


「くそっ!」


嫌な予感がした、この森で悲鳴、きっとろくな状況じゃない、頭じゃ分かってる、放っておけ、試験だ、危険を冒すな、お前が行く必要はない、ということは。


だが足は止まらない。


「……!」


やがて目の前の草むらが開けた、視界が広がる。


そして俺は見た、そこにあった光景に思わず息を呑む。


「―――」


目の前には恐怖で震える一人の受験者と前方から迫る影があった。

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