第四十三話 相棒
戦いは終わった。
ソードガーディアンは動かない、森には静寂が戻っていた。
「じっとして!」
キャリーがそう言いながら俺の腕に手をかざす。
淡い光、温かな魔力、回復魔法だ。
「全く無茶するんだから」
「もうちょっとで死ぬところだったじゃない」
言い返せなかった、確かに危なかったから。
俺は苦笑しながら腕の傷が塞がっていく様子を見届けた。
俺の傷をすぐ治した後、少し離れた場所でハムも治療を受ける。
「助かったぜ」
「もう少しで真っ二つだった」
「縁起でもないこと言わないでよ」
キャリーが呆れた顔をした、メンも静かに笑う。
「ですが勝利です」
「ああ」
「アルのおかげだな」
俺は首を振った。
「一人じゃ無理だった」
本心だった、キャリーの援護、メンの矢、ハムの大剣、きっと誰か一人欠けても勝てなかった。
しばらく全員が勝利の余韻に浸る。
そして俺は立ち上がった、視線の先、広場の中央にソードガーディアンが残した一本の剣が残されていた。
守られていた剣、ソードガーディアンが命を懸けて守っていたもの。
自然と足が向く、誰も何も言わない、仲間たちはただ見守っていた、俺は剣の前に立つ。
近くで見ると不思議な剣だった、派手さはない、宝石もない。
だが、長い年月を感じさせる、まるで誰かを待っていたかのように。
俺はゆっくり手を伸ばした、柄を握る。
そして、胸の前に持ち上げた、重くない、むしろ手に馴染む、初めて触れたとは思えないほど自然だった。
「おお」
ハムが声を漏らす、キャリーは腕を組んだ。
「ちょうどいいじゃない」
「え?」
「間違いなくあんたの手柄でしょ」
キャリーは笑う、いつもの調子で。
「もらっちゃいなさい!」
俺は剣を見る、刃に自分の顔が映っていた。
旅立つ前にライス先生に言われたこと。
『世界を見ろ、自分の道を探せ』
その旅の最初に俺は新しい相棒を手に入れた。
「よろしくな」
思わず呟く、もちろん返事はなかった、だが、どこか嬉しかった。
ハムが立ち上がる。
「そろそろ帰るか」
「賛成」
「お腹空いたー」
キャリーが真っ先に反応した、戦いが終わればいつも通り、それが少し心地良い。
俺は剣を背負う、そして仲間たちと共に歩き出した、討伐団のアジトへ向け新しい相棒と共に帰路につくのだった。




