第三十七話 守護者
討伐団の拠点を出て数日、俺たちは依頼の目的地のすぐそばまで来ていた。
メンバーは四人、俺とキャリー。
そして大剣を背負った人間の戦士、ハム、細身で長弓を持つ魔族、メン。
どちらも討伐団の団員らしい。
「で」
ハムが口を開く。
「改めて確認だ」
「今回の依頼は?」
キャリーが即答する。
「剣を守る魔物の討伐!」
「正解」
ハムは頷き、メンが続ける。
「問題はその魔物です」
「守護者」
その名前を聞いて俺は反応した。
「知ってるのか?」
ハムが聞く。
「少しなら」
俺は記憶を辿る、学園で読んだ魔物図鑑、そこに載っていた。
「ガーディアンは特殊な魔物です」
三人がこちらを見る。
「基本的に危害は加えません」
「へぇ」
キャリーが驚く。
俺は続けた。
「人を襲う習性もない」
「むしろ大人しい部類です」
ハムが腕を組む。
「じゃあなんで討伐依頼なんだ?」
「問題は守護対象です」
俺は答えた。
「ガーディアンは何かを守るために存在します」
「宝だったり」
「遺跡だったり」
「武器だったり」
メンが頷いた。
「今回なら剣ですね」
「そう、ソードガーディアンです。」
俺も頷く。
そして少し表情を引き締めた。
「ただし」
「テリトリーに入った瞬間」
森を風が吹き抜ける。
「ガーディアンは一変します」
ハムが眉をひそめる。
「どうなる?」
「厄介です」
「非常に」
「曖昧だな」
「実際厄介なんです」
キャリーが吹き出したが、俺は構わず説明を続ける。
「テリトリー内では異常な戦闘能力を発揮します」
「執着心も強い」
「逃げない」
「諦めない」
「守るためなら破壊されるまで戦う」
「なるほど」
メンが納得したように呟く、ハムも真面目な顔になった。
「つまり」
「剣を取ろうとしなければ無害」
「取ろうとしたら危険ってことだな。」
「そういうことです」
そして、キャリーが笑った。
「アルって本当に物知りだね」
「学園で散々勉強したからな」
「なんか歩く図書館みたい」
「それ褒めてるのか?」
「多分」
どこかで聞いた返事だった、ハムとメンも苦笑する。
そんな会話をしながら進んでいるとやがて森の奥に不自然な空間が見えた。
「着いたか」
ハムが呟く、俺たちは足を止める。
その先には――
一本の剣が地面に突き刺さっていた。




