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第三話 得意魔法
戦争が終結した後、人間と魔族は互いの技術を共有した、それは両種族の共存を進めるための大きな一歩だった。
そして魔法には、生まれつき適性が存在した。
炎を得意とする者、水を得意とする者、風を得意とする者、土を得意とする者。
同じ魔法を使っても、その威力や精度には大きな差が生まれる。
人々はその才能を――
『得意魔法』と呼んだ。
得意魔法を持つ者は高く評価される、強力な適性を持つ者であれば、将来を約束されることさえある。
魔法学園もまた、その才能を伸ばすための場所だった。
そして今、その学園の訓練場では生徒たちが自身の得意魔法を披露していた。
炎が舞い、風が唸り、水が流れ、土が隆起する。
次々と披露される魔法に歓声が上がり、教師は満足そうに頷いた。
「よし、次だ」
名簿をめくる音が響く、そして、教師の口から一人の少年の名が呼ばれた。
「アル・サクリファイス」
訓練場の空気が少しだけ変わる、生徒たちが一斉にアルへ視線を向けた。
「来たぞ」
「得意魔法なしの……」
「学力だけで入学したやつだ」
そんな声が聞こえる中、アルは少し俯きながら歩き出した。




