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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第一章 学園編

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第二十六話 最低

「全てが苦手魔法、か……」


教室を出た後、俺とライス先生は廊下を歩いていた。


頭の中はぐちゃぐちゃだった、得意魔法がない、それだけでも十分きつかった、なのに、まさか全属性が苦手だったなんて。


「ははっ」


隣でライス先生が笑う。


「まさか全て苦手魔法だとはな」


俺は思わず振り返った。


「笑い事じゃないですよ!」


声が少し大きくなる。


ライス先生は肩をすくめた。


「すまんすまん」

「いや、本当に初めて見たんだ」


「だからって笑います?」


「珍しいものを見ると笑いたくなる時もある」


「最低ですね」


「否定はせん」


全然慰めにならない、俺は大きくため息を吐き、そして足を止める。


「苦手魔法なんて……」

「努力でどうにかなるものじゃないじゃないですか」


今までなら努力不足だと思えた。


練習が足りない、知識が足りない、そう考えれば頑張れた、でも今回は違う、適性の問題だ、生まれつきの。


どうしようもない問題、ライス先生も笑うのをやめた。


「そうだな」


珍しくあっさり認める。


「努力で覆せる部分にも限界はある」


その言葉が胸に刺さる。


「俺は身体強化や剣術なら教えられる」

「魔力操作もな」

「だが適性改善の分野は専門外だ」


ライス先生は頭をかいた。


「というか」

「得意な奴なんて聞いたことがない」


「……」


「研究者でも首を傾げる案件だろうな」


俺は何も言えなかった、ただ俯く、廊下の床だけが見える、結局、俺は特別だった。


良い意味じゃない、悪い意味で。


王になりたい、魔兵団に入りたい、誰かを守りたい、それなのに、肝心の魔法適性が全部低い。


笑えない話だ、ライス先生はしばらく黙っていた、そして。


「まあ」


突然そう言った、俺は顔を上げる。


「まだ終わったわけじゃない」


「え?」


「落ち込むのは勝手だ」

「だが諦めるのは早い」


ライス先生はいつもの調子で言う。


「俺たちは原因を知っただけだ」

「解決策がないと決まったわけじゃない」


俺は何も返せなかった、希望があるのか、ないのか、今は分からない。


ただ一つ分かるのは、胸の奥に広がる重たい気持ちだけだった。


俺は静かに空を見上げた、雲ひとつない青空が、今だけは少し遠く感じた。

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