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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第三章 影の調停者編

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第百四話 宝

三人はドラゴンの討伐を完了した。


巨大な亡骸を前に、しばらく誰も言葉を発さなかった。


やがて俺が口を開く。


「これで黒砂を作る原因は無い」


キャリーが聞く。


「本当に?」


「ああ、三日か四日ほどすれば普通の砂の温度になるだろう」


「まさかドラゴンに勝つなんて……!」


リバは未だに信じられないといった表情を浮かべている。


「ドラゴンだぜ!? 幾つものパーティを壊滅させてきた最強格の魔物だぜ!」


キャリーは補足する。


「幼体、だけどね」


「それでもドラゴンはドラゴンだろ!」


「ああ」


俺は静かに頷いた。


「俺達の勝利だ」


「だよな!」


リバは満面の笑みを浮かべる。


「もう残りの魔物はサンドイーターだけだし、ほとんどダンジョン攻略したようなもんだろ!」


「疲れたわ」


キャリーはその場に座り込んだ。


「取り敢えず休みましょ」


「賛成だ」


「俺ももう動きたくない……」


こうして三人は最深部で休息を取ることにした。



それから四日、三人は交代で見張りをしながら休息を続けていた、ドラゴンがいなくなった影響なのか、周囲の温度も徐々に下がっていく。


キャリーは砂を手に取り確認した。


「うん」


「どうだ?」


「砂の温度が下がってる、これなら大丈夫よ」


「見ろ!」


突然、リバが大声を上げる。


「お宝だ!」


ドラゴンの寝床の奥、そこには大量の宝箱や金貨、装飾品が積み上げられていた。


リバは子供のような勢いで駆け寄る。


「すげぇ! 本当に宝の山だ!」


「まったく……」


呆れながらキャリーはアルへ目を向けた。


「アル、大丈夫?」


「相変わらず痛いけど……」


アルは足を動かしてみる。


「回復魔法のお陰でマシにはなってきたよ」


「無理はしないでよ」


その時だった。


「おい! アル! これを見ろ!」


リバが興奮した様子で駆け戻ってくる、手には小さな容器が握られていた、キャリーはそれを見た瞬間に目を見開く。


「……それって、回復魔法濃縮抽出液!?」


リバは苦笑いを浮かべる。


「……長い名前だな」


「回復魔法を液体化した貴重品よ! 普通は滅多に手に入らないわ!」


「てことは、つまり!」


リバは容器の蓋を開ける、そして中身を俺の足へとかけた、淡い光が足を包む。


「……!」


「どうだ?」


俺はゆっくりと立ち上がった、そして数歩歩く。


「おお!」


「どうだ?」


「足が動く! 痛くもない!」


「凄い効果ね……」


「やったな!」


「ああ!本当に助かった!」


キャリーは再び宝の山を確認する。


「他にも色々あるけど、魔器みたいな物はないみたいね」


「他のはお金にすればいいさ」

「俺が運ぶよ」


「お、早速頼もしいな、助かるぜ」


こうして準備を整えた三人は、残っていたサンドイーター達の討伐へ向かった。



数分後、最後のサンドイーターが倒れる、キャリーは完成した地図を掲げた。


「マップも完成!」


「おお!」


「魔物も討伐完了!」


「これで――」


三人は顔を見合わせる、そして同時に叫んだ。


「ダンジョン攻略完了!」


達成感に満ちた空気が辺りを包む。


「これで俺達もシルバーになれるな」


アルはリバへ向き直った。


「改めてリバ、ありがとな」


「え?」


「お前がいなきゃ、きっと俺達は死んでたかもしれない」


キャリーも頷く。


「本当に助かったわ」


リバはしばらく呆然としていた、やがて顔を真っ赤にする。


「……アル、キャリー!」


「?」


「そうだろ!? 俺のおかげだろ!?」


「調子乗りすぎ」


「なんだよ!」


「でも」

「助かったのは事実だし、ありがとね」


リバは頭を掻きながら言う。


「べ、別に礼なんていいんだけどよ……」


リバがおずおずと口を開いた。


「……な、なぁ」


「どうした?」


「一つ提案なんだけど……」


「?」


リバはあからさまに視線を逸らした。


「こ、これからもお前らの手伝いをしてやってもいいぞ!」


「……」 


「……」


数秒後、二人は同時に吹き出した。


「な、何で笑うんだよ!?」


キャリーは笑いながら答える。


「あんた、素直に仲間になりたいって言えばいいじゃない」


「うっ……」


「リバ、本当に俺達の仲間になってくれるのか?」


「あ、当たり前だろ!」


リバは勢いよく答えた、俺は手を差し出す。


「よろしく!」


キャリーも笑顔で頷く。


「よろしくね」


リバは手をしっかり握った。


こうして――


新たな仲間リバが加わったのだった。

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