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リバースキング  作者: ちゅんちゅん
第三章 影の調停者編

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第百二話 主

ダンジョン「黒砂の魔窟」の攻略を再開した俺達。


周囲を警戒しながら進む中、キャリーが現在分かっている情報を整理する。


「取り敢えず情報を整理すると、このダンジョンの一番の脅威は黒い砂!」

「あの砂は高温で、とても普通に歩けたもんじゃない、水魔法で冷やすことも出来るけど限度がある」


俺は頷く。


「長時間の維持は難しいだろうな」


キャリーは続ける。


「そして、その環境に適応した魔物が居る」


リバは手を頭に当てた。


「一発でシルバーになれるわけだ……!危険ダンジョンすぎるだろ……!」


俺はキャリーを見る。


「キャリー、マップは任せた」


「了解!」


俺は周囲に魔視を巡らせる。


「近くに魔物の気配は無い、進もう」


三人は慎重に通路を進んでいった。



しばらくして俺の魔視が魔力を捉えた。


「二人とも、止まってくれ」

「魔物の気配だ」


「何体だ?」


「二体だ、強くはない」


キャリーはリバを見て言う。


「リバ、雷魔法の用意!」


「あ、ああ!」


二人は即座に魔法の準備を整える、キャリーが水魔法を放ち、魔物の動きを止める。


その直後。


「喰らえっ!」


リバが放った雷撃が水魔法を伝い魔物を一網打尽にした。


轟音と共に二体の魔物が倒れる。


リバは確信したように言う。


「やっぱりこの技強いな」


「そうね」


「雑魚魔物くらいならこれで一発だ」


「ああ、でも油断は禁物だ」


「分かってるよ」


そう言いながらも、どこか嬉しそうだった。



ダンジョン攻略を再開してから四時間ほどが経過した、キャリーは地図を閉じる。


「大まかな地図は完成したわ」


リバは目を輝かせる。


「お、本当か?」


「残りは黒い砂の所だけ、それに帰るにはあのサンドイーターがいる地帯を抜けなきゃいけない」


「あとあそこだな、一番広い黒い砂の地帯のとこ」


「うん」


俺はは地図を見つめながら言う。


「帰るには、この高温の砂をどうにかしなきゃいけない」


「原因があるって言ってたわね」


「うん、俺の読みが当たってれば、それを解決する原因はそこにある」


「……まさか、行くのか!?」


リバの顔が青ざめる。


「確かあそこは一番ヤバい気配があったとこだろ!?」


「でも、行くしかない」


「覚悟を決めましょ」


リバは露骨に嫌そうな顔をした。


「わ、分かったよ……」


少し俯きながら続ける。


「それに一番辛いのはアルだもんな……」


俺はは何も言わず、小さく頷いた。


「……行こう」



そして一行は、その場所の手前まで到着した。


広大な空間、一面に広がる黒い砂、周囲の空気は今までとは比較にならないほど熱い。


「……あいつだ」


「え?」


「あの魔物が原因だ」


リバが視線を向ける、そして固まった。


「あ、あれって……」


巨大な影が黒い砂の中央で眠っている。


翼、鋭い爪、長い尾。


その姿は間違いなく――


「ドラゴンじゃないか!?」


リバは思わず声を上げる。


「勝てるワケ無いって!」


しかしキャリーは冷静だった。


「……よく見て」


「?」


「身体が小さい、恐らく幼体よ」

「そしてあのドラゴンが黒い砂を作ってる」

「でしょ?アル」


俺は頷き、魔視で観察を続ける。


黒竜ブラックドラゴン

「外敵から身を守るため縄張りを自身の熱で守る習性のある魔物だ」


「だからこんな広い範囲が黒い砂になってるのね」


俺は頷く。


「それにあのサンドイーターと共生関係にあるんだろう」


リバは首を傾げる。


「共生関係?」


「これは仮説だけど……」

「ドラゴンはサンドイーターに熱で過ごしやすい環境を与えてその代わりにサンドイーターが食べ残した屍肉や冒険者の残した宝物を貰ってるんだろう」

「ドラゴンの後ろを見てくれ」 


俺はドラゴンの後ろにある宝物の山を指差す。


「このダンジョンの入口に近いサンドイーターよりも多くの宝物を奴が持っている」

「あれが証拠だ」


ドラゴンは眠っているだけなのに圧倒的な存在感があった。


俺は考えを言う。


「取り敢えずあそこから引き離そう」


リバは疑問を口にする。


「どうやって?」


「遠距離攻撃で引きつけるんだ」


「はあ!?」


リバは思わず声を荒げた。


「近接じゃ食われて終わりだ!」


キャリーはリバをなだめる


「リバ、落ち着いて」


「落ち着いてられるか! ああいうのは遠距離で一撃で仕留めるのが安全だ!」


「このメンバーにそんな事出来る奴はいるか?」


「うっ……」


沈黙が流れる、やがてリバが口を開く。


「……アル」


「何だ?」


「ならせめて奴の急所を魔視で見てくれないか?」


「何か考えがあるの?」


リバは小さく笑う。


「一応持ってきたコイツが活躍しそうだ」


そう言って背負っていたバッグを開く、中から取り出されたのは金属製の武器。


「銃か?」


「ああ、それも魔器だ」

「これは俺がダンジョンで見つけた代物だ」


手慣れた様子で銃を構える。


「だが欠点としてリロードが遅い」


「なるほど」


「でも敵が一体ならそれも気にならない」


俺は再びドラゴンへ視線を向け、魔視を集中させる、そして剣を握り直した。


「よし」

「ドラゴン討伐だ」

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