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【観測者の時空】番外編『中継セクター』 ―サボり屋カノジョの監査ログ―  作者: Taku
第2章:中継セクター深層ログ

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【御前会議_06】熱量と未来の狭間で

時空の狭間。円卓は今日も浮かんでいる。


会議前の控え室。雇い主は頭を抱えていた。机の上にはメモが広げられているが、何も書かれていない。


雇い主「………うーむ。うーん。ふーう」


カレシ「悩んでいますか?」


雇い主「分からんのだよ。落としどころが」


カノジョ「ねえ、雇い主。どっち好き?」


彼女が差し出したのは、『きのこの山とたけのこの里』。


雇い主「両方。………戦わしてみるか」


カレシ「…………?」

(メモに『きのこの山とたけのこの里作戦』と書き留める)




会議が始まる。長老、隊長、博士、青年、女将が着席。中央の空席は、前回よりもさらに気配を濃くしている。


壁際ではカノジョがきのこの山を食べ、カレシが手帳を開いている。


女将「今日の議題は——純のキャラクター設定ね。雇い主さん、よろしいかしら」


雇い主(顔を上げ覚悟を決め話し始める)


「現代の純は——熱量を持った書き手である」


長老「うむ。それ以外は認めんぞ」


隊長「仰る通り。現場の血生臭さ。そこは譲れない一線」


雇い主「いかにも」


(青年の方に手を差し出し、無言で意見を求める)


青年「いやいや、未来っすよ。そんな血とか熱とか、ほんと勘弁してほしいっすよ」


長老「若いの。純の熱量は、この物語の核心だ。言葉遣いを間違えるでない」


青年「そういうの、未来ではほんと通じないっすよ」


(両者に対し両手で抑えるポーズ)

雇い主「……ふむ」


(博士をじっと見つめる)


博士「純の熱量は大切ですね。読者を繋ぐキーワードとして——『観察』という視点はいかがでしょう」


長老「博士よ、そこに熱量をどうつけるのだね」



一同、考え込む。



雇い主(熱量は譲れない。観察は保留と)



雇い主「ん?」

(青年の方に耳を寄せる)



青年「なんか、尖ったクリエイターみたいな感じなのかな、未来で言うと」


雇い主「うん、うん」


(女将の目を見る)


女将「そうねー。切れ味のある観察者って、どこか未来らしい熱を感じるわね」


雇い主「ほう」


(いいところまできた)


(長老を見る)


長老「ふーむ」


雇い主(ここらが勝負どころか。拍手をしながら、突然立ち上がり、熱く語り始める)


「素晴らしい……! 皆さんがこの物語に注ぎ込んだ、血の滲むような『熱量』に、私は今、心の底から、ただただ震えている!」



一同、呆気に取られる。



雇い主「しかし、我々の使命はここで果てることではない。この熱量を、まだ見ぬ『未来の地平』へと解き放たねばならない!

未来を拓く若き『クリエイター』であり、時代の輪郭を捉える『冷徹なる観測者』。そして——! 混沌たる闇の中から一筋の微細な光彩をも手繰り寄せる、『鋭敏なる映像の技術師』。これこそ私の描く、『彼女の時空』における純のキャラクター設定である……!」


(決まったか。どうだ)



しばらくの沈黙。



女将(ぱちぱちと拍手を始める)


「素敵……かも」(首を傾げる)


カレシ(拍手で場の後押しをする)

カノジョ(分からないまま大きく拍手をする)


カノジョ(小声)「タケノコが勝ったの?」

カレシ(小声)「……分かりません」




しばらくすると、一同が拍手を始める。




長老「……まっ、よかろう。(隊長に向けて小声で)よう分からん……のだが」


隊長(小声)「現場には栄えそう……かと」


青年「すっげえクリエイターってこと……っすかね」


博士「つまり——現代の文章というリアリズムを、未来のビジュアルでコーティングする二層構造において、読者を繋ぐ…………ですかな」



雇い主「……ま、まさしく!」(分からん)



(珍しく動揺する女将)

女将「で、では、まとめさせていただくわね。純のキャラクターは——熱量を持ったクリエイティブ、且つ鋭敏な観察者としての『映像の技術師』……。それでよろしいかしら?」



一同、うなずく。



長老「では、次の課題に移るか……。次は——田中問題だ」


雇い主「…………」


青年「この前の保留のやつっすね」


隊長「長老の逆鱗に触れた案件だ」


博士「光莉が『遺す側』なら、田中は『受け取る側』——その接続が未確定」


女将「次回、改めて議論しましょう」


その時、空席の気配が微かに変わった。誰もいない。でも、その席だけが、何かを解き放つような雰囲気を帯びた。


学生(呟く)


「……なんか、オーラ?」


監査役(会議室の外から、端末を手に)


「記録します。第5回創生会議——純のキャラクター設定を多面的に定義された『映像技術師』とすることで合意。次回、『田中問題』を再議論予定。」


──会議後、作戦の真相が明らかに──

LOG_044【きのこ・たけのこ戦争、合体で決着】

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/3034788/blogkey/3663354/


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