表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【観測者の時空】番外編『中継セクター』 ―サボり屋カノジョの監査ログ―  作者: Taku
第2章:中継セクター深層ログ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/27

対戦Code_005:諸行無常の情けなし

……中継セクター、通信パッチ監査ログ。

担当:カレシ。


本対戦のテーマは『断捨離における物理的・時間的コストの最適化(ROI)』。


【序盤:カレシの圧倒的優位】


カレシ「1年以上使用していないものは即廃棄。これが最適解です」

私の部屋は冷徹に最適化されている。


カノジョ「『いつか使うかも』も立派な価値だよ!」

彼女の部屋は10年前のピザ箱と「いつか着る王女様ドレス」で大混沌。

「ぎゃー! 王女様の衣装にピザソースが!」


私の勝利は確実……と思われた瞬間、鼻歌交じりに雇い主が乱入。



【四畳半ミニマリズムの乱入】



雇い主「ほほう、片付けかね。私はね、ミニマリズムを極めているよ。捨てる基準?『クリエイターとしての世界観』に必要か否かだ」


カレシ(監査を実行)


――雇い主の部屋のホログラム表示――

部屋の真ん中には倒れかけた流木、螺旋状に積んである洋書、もくもくとたちのぼるお香の煙。

※中継セクター最下層画像保管庫参照


カノジョ「うわっ、 なんかすごい!」


カレシ「(小声)部屋の非効率性96%」


雇い主「フッ、大事なのは生への密度だよ。それ以外はナッシング」


カノジョ「雇い主、『インテリワード』全集、畳の下のみかんの段ボールに入ってたよ」


雇い主「これこれ、私の戦略室に勝手に入るでない。」


【外部からの試練】


知人からの連絡が同時に割り込んだ。


ルートA:雇い主


知人「あ、雇い主さん? 前にお預けした重要書類のバックアップってあります?」


雇い主「うむ。『諸行無常』だよ」


知人「……あ、やっぱり。聞いた私がバカでした! 忘れてください!」


雇い主「うむ。」


(相手の諦めにより、エラーなくタスク正常終了。判定:大サクセス)


ルートB:カレシ

知人「カレシくん! 1年ぐらい前になるかな、君に預けた僕の思い出の品、まだあるよね?」


カレシ「否。該当オブジェクトは1年以上アクセスがなかったため、23日前に『廃棄』しました。データ上、アクセス確率は1%未満という根拠も提示可能です」


知人「ええーっ!? 君なら大丈夫と思って預けたのに……。カレシくん、冷たいね。もういいよ……」

(ガチャ切り)


カレシ「……えっ? あ、あの、論理的には……ちょっ」


【ログの幕引き:唯我独尊の勝利】


カノジョ「あーあ、カレシ。相手の心、クラッシュしちゃったね。雇い主の方は、超効率的だったね」


カレシ「な、なぜです……。論理的な最適解を実行した私が『冷酷な人』扱いされ、己の欲(格好つけ)のままの雇い主が『そういう人だから』で許容されるなんて……!」


私のプロセッサから薄い白煙が上がり始める。


カノジョはニコニコ笑いながら、壁の戦績表を更新。

今回は「雇い主の不条理勝ち」、いや「カレシの精神的自爆」だろうか。


現在のカレシのノイズ吸着容量、残率51%(前回比-2%)。

カレシ猫汚染率:44%(前回比+3%)。


「所有とは、客観的リソースではなく、主観的システムエラーである」——この未定義のバグを抱えたまま、私は手帳の余白へ、また一つ、丸みを帯びた『猫のマーク』を書き加えた。


【中継セクター:戦績表】

カノジョ勝利数 1

カレシ勝利数 0(精神的スタンドアローン状態)

雇い主の四畳半ミニマリズム 120%(バースト)


<対戦後の雑談>


雇い主「まさに、ご飯上々の境地だよ」


カノジョ「やったー、おにぎりだー!」


雇い主「うむ」

(ん? 読み方、間違えたかな)


カレシ「…………仏教用語か?…………うっ、く、苦しい。雇い主様、『涅槃寂静』……」


雇い主「うむ。いかにも」

(本人は数秒前の自分のセリフを忘れている)



──対戦後の雇い主の崩壊はこちら──

LOG_037:【諸行無常の情けなし。の崩壊】

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/3034788/blogkey/3654836/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ