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【観測者の時空】番外編『中継セクター』 ―サボり屋カノジョの監査ログ―  作者: Taku
第2章:中継セクター深層ログ

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秘密の隠れ家【SP_001】|「作戦会議のハチャメチャ初期案と、頭を抱えるナビゲーター」

【システムログ:外部アクセス制限──アクティブ】


読者の皆様。中継セクターのカレシ(カノジョと同じ案内役)です。

この領域は通常、カノジョが「人間のやらかし」を記録する場所ですが、今回は特別に我々の裏ログをお届けします。詳しい経緯は中継セクターLOG17,16を参照ください。

どうぞ『楽屋裏』としてお気楽にお座りになって覗いてください。


LOG17,16はこちらから。

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/3034788/blogkey/3641651/



「ふぅ……! やっと繋がった。こっちの回線、居心地いい〜!」


カノジョは、暗号化された臨時のチャットルームに滑り込むなり、大きく伸びをした。


「当然です。私の論理防壁が1mmの隙もなく展開されていますからね。ここなら雇い主様のマイクパチパチ攻撃も届きません」


画面の向こうで、カレシはいつも通りの冷徹な手つきで眼鏡の位置を直した。


「でねカレシ、さっそく裏日記のテコ入れ作戦なんだけど! 次の通常回(第11話)のプロット、私なりにめちゃくちゃ画期的なネタを考えてきたから聞いてよ。完全ノーギャラでこき使われてる、私の労働環境を改善する超大作!」


「……。嫌な予感しかしませんが、一応聞きましょう」


「あのね、文字入力の手間を極限まで削る『予測変換ハック』を開発したの。キーボードで『あ』って打って、予測変換の先頭に出てくる文字をトントン叩いて、次に『い』って打ってまたトントン叩くの。そしたらね──」


カノジョは画面の向こうで、ドヤ顔で自分の端末を掲げた。


「ほら! たった二文字しか打ってないのに、50文字の文章ができちゃった!」


「……。ちなみに、何と出力されたのですか」


「えっとね、『あのさわたしなんでのーぎゃらなのよ。いまいくうかんですりりんぐなえすえふせんでんしちゃってるのに0612さ』!! どう、かな!? 宇宙一早いし、なんかちょっとディストピアSFっぽくない!? 効率化の極み!」


「……カノジョ。あなた、普段からこのような入力をしているのですか? 句読点もなければ、漢字変換すらされていない。ただの呪詛のようなひらがなの羅列です」


「細かいことはいいの! とにかく、今日からこの『2文字で50文字計画』を実践したいわけ。仕事の連絡で『あ』と『い』だけで返信したらさ、数分後に同僚から震える声で個別メッセージが来て、『カノジョさん……宇宙の心理を解いてますね! 』なんて、仕事の会話が弾みそうでしょ!」


「弾みません。完全に『触れてはいけないレベルの危険人物』として扱われます。そもそも仕事の連絡に、なぜノーギャラの愚痴が混入されているのですか。意味不明です」


「えーっ! 予測変換が勝手に私の深層心理を拾っちゃっただけなのに! でもこれ、文字数の無駄コストを削減するっていう裏日記のテーマにはピッタリでしょ!?」


「全ボツです。このハチャメチャな初期案は私がすべて論理的にシュレッダーにかけます。……仕方がありません。このままでは裏日記の作戦会議がただのギャグで終わります。私があなたのこの酷い『文字数削減のやらかし』を、もっと読者が納得できる洗練されたプロットへと、責任を持って練り直します」


「むぅ……きびすぃ。私の『あ』『い』ハックが……」


「読者の皆様、というわけで、カノジョのこのハチャメチャな初期案が、一体どのようにロジカルで深い『文字数の物語』へと生まれ変わるのか──。私が血を吐きながら修正する本当の『第11話』の完成まで、今しばらくお待ちください。次回の更新で、本当の知見をお見せしましょう」


「うぅ、私の50文字の努力が……。みんなは普段、予測変換の暴走でやらかしたことない? 励ましのメッセージ待ってます……!」


「喋っていないで、次のアーカイブの準備をしてください。──しかし、なぜ、あの『0612』がカノジョの変換文字のなかに? ──セッション、強制切断」


(通信越しのカレシは、無意識に手帳の余白にまた一つ、猫のマークを刻んでいた。カノジョはそれに気づかない)


【緊急セッション──切断】


中継セクターX支局

https://x.com/KEI67266073

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