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彼女の死  作者: 遠藤良二
7/14

こころの中で生きる彼女への心境。

 土曜日になり、僕は明日行く予定になっている楓の墓参りの準備を始めた。


そこで、僕はあることに気付いた。


楓の遺骨は四十九日までは実家にあるはず。


ということは、それまでは楓の実家にお参りに行けばいい、ということを。


律子もきっと気付いていないだろう。


伝えなくては。


そう思い、再度その旨をメールに打ち込み送った。






返信メールは午後三時ころきた。


僕は最近のさまざまなできごとのせいか、つかれていたようで、いねむりをしている最中だった。


着信音で目覚めて僕は内容を確認した。


それは、


こんにちは!

そう言われてみればそうだよね。

私もかんちがいしてたよ。

じゃあ、日曜日は楓の実家に行く?


というもので、僕は早速、うん。楓の実家に行こうと、いう返信をした。


つづけざまに僕はメールをうち、みせたいメールがあるんだ、そう送った。


すぐに返信は来た。


みせたいメール?なんだろ。だれから?


その問いにはこたえず、


んじゃ、あした律子さん家までむかえにいくのでよろしく。





 メールをおくったあと、僕はおもった。


律子さんと二人きりかぁ。

亡くなっていないとはいえ、なんだか楓にわるい気がするなぁ。


楓という存在はいまでも僕のこころの中で生きている。


それなのに…。


白い木製のテーブルに僕はひじをつきながらなやんだ。


でも、すこししてただ、移動を一緒にするだけだ、やましくはないだろう。


とかんがえなおした。





翌日の日曜の朝。


僕は律子にメールをおくった。


昼の一時ころいくから、と。


そして、スマホをテーブルにおこうとした時、着信があった。


画面を見てみると相手は友人の窪田道弘だった。


僕の浮気相手と仲良くなったやつ。


なんだかいやな予感がする。


一応、でてみた。


「おい、慎吾!たいへんだ!!」


「いったいどうしたんだよ。おちつけよ」


「これがおちついていられるか!!お前の浮気相手だった女、さっき、家にいってみたら手首切って風呂場でたおれててよ、それで、救急車よんではこばれたぞ!」


僕はつい、おもったことを口にだしてしまった。


「またか…」


「またか…?またかとはどういうことだ!おまえ知ってたのか?そういうことをする女だってこと」


「まあな」


「なんだよ、知ってるならおしえてくれよ!俺、かなりびっくりしたんだぞ!!」


僕は煙草に火をつけ、一息フーッと煙をはいてからこう言った。


「そんなよけいなこといえるわけないだろ!」


「よけいじゃねぇし!」


僕は再度、煙草をすい、はきながら、


「とにかく、もうあいつはやめたほうがいいぞ?これが友人としての意見だ」


窪田はだまってしまった。


そして、僕はこころの中でこうおもった。


「ザマアミヤガレ!」


と。

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