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彼女の死  作者: 遠藤良二
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8/14

煙草の本数が増え、挙句の果てにまた、とんでもない夢をみた。

 窪田には一応、自分の彼女なんだから運ばれた病院に行った方がいいぞ、と告げ電話を切った。




 それにしても最近の僕は煙草を吸う本数が増えているように感じる。


楓が亡くなってからが境目だと思う。


彼女が生きている頃は制限されていたお陰もあり、一箱くらいで済んでいた。


だがだ。


今に至っては制限してくる人間もいないし、彼女のいないストレスもあってか、今では二箱くらいにまで増えている。


まずいまずい、と思いながらでも気付くと吸っている。


完全にニコチン依存だと思う。


さすがに仕事中は我慢しているが、休憩時間になると喫煙所にまっしぐらな状態だ。


何となくではあるが、煙草の煙を嗅ぐと火葬場を思い出す。

しかも、楓の時のあの場所。


思い出すと何だか、煮えたぎる想いに駆られる……。


でもこれが現実か…、と思う。



 今は陽も暮れてすっかり暗くなっていた。


明日はお参りの日。


遺影と僕のスマホに入っている楓の写真は若干ではあるが、遺影のほうが若いような気がする。


そのようなことを考えながら僕は夕食を作っていた。


以前は二人分作っていたが、今は独り分しか作っていない。


だから、なるべく気持ちが向いたり疲れていない時などは、二人分作る時もある。


残ったら翌日の朝食べればいいと思っている。


今夜は簡単に済まそうと思ったので、ウインナーを茹で、レタスの葉をちぎってマヨネーズをかけたものとライスのみだ。


以前ほど、食事に時間を掛けなくなった、という点も気にはしている。


全ては、自らを闇に葬った楓が影響している、と思っている。


今となってはどうすることも出来ない仕方のない話しだが。





 そして、翌日。


僕は八時頃に目覚めた。


せっかく、お参りに行く日だというのに目覚めが悪かった。


なので、たて続けに煙草を二本思い切り吸い込んだ。


むせてしまったが、自業自得。


出掛ける前からこんなんじゃ、天国の楓に心配されてしまう。


とりあえず、シャワーを浴びることにした。


少しは気分も晴れるかもしれない。





熱めのシャワーを浴びて出て来た僕は、苛々は治まった。


ここからじゃ、楓の実家までは律子さんの家も寄るから一時間くらいはかかる。


もう少し横になろうと思いベッドの上に上がった。


何だか体調が悪い…。


出掛けるのはだいたい、十二時頃だからそれまで少し寝よう。


そうして、二時間は眠っただろうか。


また、とんでもない夢を見た。



それは通夜の晩のことだった。


棺に入っていたはずの楓が僕の横にいて、「ハロ~!」と挨拶してきたのだ。



僕はその瞬間、飛び起きた。


周りを見渡したが部屋にいるのは僕独りだけだ。


一体、どうしたというのだろう…。

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