魔王との戦い 中盤
「これでどうだぁ!スクリュードライバー!」
「うおおおおお!返してもらうぞ!」
「何をだっ!」
ロビンとウェルテルウスの共同戦線はまだ続いていた。カイトとコルビンのパーティは反撃もできず、間一髪のところで攻撃をかわす光景が繰り返されていた。コルビンの違和感は解けることなく強くなる一方であった。ただそれが何によるものなのかはわからないでいた。
「ねーねーなんで反撃しないの?」
「勇者同士が殺しあったらそれこそ魔王の思う壺だ!あの2人の目を覚まさせないと!エルマも考えるんだ」
「はーい」
と言いつつアニーとエルマは考えている様子はない。まるで遊園地のアトラクションか何かのように楽しんでいる風すらあった。……最もすべてを避け切れているわけでなく、その都度コルビンが回復魔法を打たなければならなかったのだが。
「しかしあの馬鹿共を止める方法はないのか?!」
コルビン的には幻術がかかっている、もしくは催眠術をかけられている可能性が高いと考えていた。
「魔法をかけられてるなら、解除の魔法が必要だ。しかしそれには近寄らないといけない。俺1人でそんなことしたら真っ先に殺されちまうよ」
「なるほどな。やってみる価値はありそうだ。みんな、コルビンさんを援護するんだ!」
「喰らえ奥義!楔!」
ロビンが剣で殴るように虚空を一振りすると、まさに楔型の衝撃波が生まれパーティに襲い掛かった。
「避けられそうだからっていい気になるなよ!おまけの五月雨撃ちだ!」
ウェルテルウスはその場で回転を始めると、なんと電気が生まれそれが雷撃となり無造作に飛び出してくる。
「避けろ!上だ!姿勢を低く!」
サヤの掛け声にコルビンは慌てて伏せる。
「次!飛ぶんだ!」
衝撃波をやり過ごした後は思い切りジャンプ。地を這う雷撃をなんとかかわした。
「ひゃあっ!」
アニーとエルマが感電している。
「回復、その五!」
すかさず回復を入れる。
「ありがとー!」
援護の前にこいつらを何とかしろ、とコルビンは思った。
「コルビンさん、まだ魔力は残ってますよね?」
「え?まあ残りは少なくなってるけどあるにはあるよ」
カイトの目が妖しく光った。
「みんな……突撃をかけるぞ!」
「やったー♪」
「何かと思ったら最終的にゴリ押しかい」
イシワタリはため息をついている。
「攻撃はあえて当たりにいく覚悟で。あの2人を羽交い絞めにして、そこをコルビンさんに解呪の魔法をかけてもらう」
しかし現時点ではこちらから何かをしない限りあの2人の攻撃は続く。勇者相手に疲弊を期待することはできない。
「早速作戦開始だ!」
「おいおい。マジかよ」
カイトは剣を鞘に収め、柄に収まった状態で剣を振りかざした。流れ星のような小さな流星が相手に飛んでいく。
「こんなへなちょこ!」
ロビンが流星を斬り捨てる。
「なんだこりゃあ!」
斬られた流星はまるで花火のように爆発。
「お味はどうだい?花火球だ!斬ればその場で爆発、斬らなければ喰らってダメージだ!」
「くそっ!なんて勇者にあるまじき小手先の技なんだ!」
サヤも後に続いている。
「えいっ!」
こちらは物理攻撃だ。ウェルテルウスと剣戟を交える。サヤも剣を鞘に抑えたまま剣を振り回している。あくまで勇者相手に殺し合いをすることは避けたいらしい。
「俺は男女平等主義だから言っておくが……女だけには負けん!」
「なんて矛盾した奴なんだ!」
サヤが突きを繰り出す。ウェルテルウスはその剣先をかいくぐる。
「がら空きだぜ!」
しかしサヤもさるもの。突いた勢いでそのまま突進。ウェルテルウスの体を跳馬のように飛び越した。すぐに相対する。
「思い切りのいい奴!」
「お褒めに預かり光栄だ!」
間髪を入れずウェルテルウスが斬りこむ。サヤは剣柄で受けたがその勢いに逆らわず地面を転がった。そのまま足払いをかける。ウェルテルウスは飛んでかわした。
「身軽な勇者だ!」
「ありがとよ!」
「アニー!」
「はーあい!」
アニーが何か呪文を唱えると緑色の粘着物がウェルテルウスの足元に湧いた。それがどんどん体を巻きつくように上っていく。
「ウェルテルウスはもう大丈夫だ!」
「くそっ!卑怯だぞ!」
「所詮奴はこの程度。常にパーティで戦ってきた。1対多数の戦い方を知らん奴だ」
ロビンは高笑いを上げる。
「天知る、地知る、ロビン知る!さあかかってこい!」




