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第2話 え、出張ですか!?女神様!!?

 あれから1年、私は右も左もわからぬまま聖域アヴァロンでの生活をスタートさせた。主な私の仕事は、アヴァロンの植物の管理と女神テラメーテル様のごはんづくりだ。

 「テラ様~、ごはんができましたよ~。今日のメインは、スペアリブのネクタルジャム煮込みですよ。」

 ウキウキした様子でやってきた、女神テラメーテル様。

 「きゃー!これよこれ!お肉の気分だったの!!」

 席につき、嬉しそうにほおばる。そんな女神テラメーテル様を見ていると私もうれしくなる。それとおなかすいた。

 「ごめんなさいね、気が利かなくて。一緒に食べましょ?これ、とっても美味しいわ。」

 「ありがとうございます。」

 そう言い、私も席につき、スペアリブにかぶりつく。・・・うん、今日も美味しくできた!

 「そういえばテラ様、何か私に用があると聞きましたが、何かございましたか?」

 問いかけると、テラ様は真面目な表情になり、

 「そうだった、あなたにお願いしたいことがあったんだったわ。美味しくて忘れてた。」

 作っておいてなんだが、そっちの方が重要では?と思っていると、

 「いいえ、料理が関係するのよ。この1年、あなたの料理を食べて思ったの、わたくしの管理する世界エディブルリアの人々にも食べさせてあげたいって。」

 慈愛のほほえみを浮かべる、テラ様。・・・口の端にソースついてますよ。

 「あらやだ、そうだわ。」

 と、恥ずかしそうに口をぬぐうテラ様。

 「改めて、あなたにお願いしたいことは、エディブルリアの食の改革よ。」

 ん?改革とは?

 「自然豊かで資源あふれる素敵な世界なんだけど、その・・・わたくし、料理のことがわからなくて・・・とっても美味しい食材はあるのよ!ただ料理がいまいちなだけで・・・」

 はーん?つまり、美味しくないってことですね。

 「もうっ、はっきり言わなくてもいいじゃないっ」

 と涙目。1年一緒に過ごして気づいたが、この女神様、ちょっと残念なところがある。

 「それでね、あなたにエディブルリアの食を変えてほしいの。」

 ほう、食いしん坊としてはゆゆしき問題だ。美味しいは正義だもの。

 「テラ様、改革とは一体どんなことをすればいいんでしょう?」

 すると、テラ様はニッコリ笑顔で、

 「美味しいものをたくさん作って広めてちょうだい。いつも通りでいいのよ?」

 ア・バ・ウ・ト!!!え、もう少し考えましょうよ、テラ様。

 「ほかのことならいいんだけど、料理だけはね、どうしようもないのよ・・・」

 遠い目をする、テラ様。しょうがない。女は度胸!

 「わかりました、エディブルリアで食の改革をいたしましょう!」

 これを聞いたテラ様は嬉しそうな顔で、

 「ありがとう!じゃあ、早速行きましょ!」

 どこにです?と疑問に思っていると、

 「さあ、いってらっしゃい!エディブルリアを楽しんできてね、出張。そうそう、一日一回わたくしのごはん、忘れないでね~」

 と、足元に穴が開き、落っこちる私。

 「あかーーーーん!!!!テラ様、説明ーーー!!」

 そのまま目の前が真っ暗に。


 気が付くと、木に寄りかかって座っていた。

 「どこだここ?」

 辺りを見渡すと、後ろには森が広がっていた。すると、頭のなかに声が響いた。

 〈無事着いたかしら?カエデ。〉

 テラ様の声がする。

 「はい、けがもなくて・・・ってここどこですか?!森と草原しかないんですけど!」

 〈そこは、ベルトラント王国。西には魔の森と呼ばれる、魔獣たちのいる領域があるの。海にも面している、農業も盛んな国よ。あなたが降り立ったのは、その魔の森の端、サジタリアス辺境伯の治める領都にほど近いところ。そこから歩いて15分くらいで領都:フォレスト・サジに着くわ。〉

 「街が近いんですね、よかった・・・じゃない、何の説明もなしにいきなりは困ります!」

 そう言うと、

 〈大丈夫、あなたには精霊としての能力・スキル、ステータスを付与しているわ。ステータスオープンと言ってみて?〉

 「わかりました、『ステータスオープン』!」

 すると、目の前に30㎝四方の半透明の板が出てきた。

 〈それはステータスウインドウ。あなたの種族やスキル、ステータスを見ることができるの。地球のらのべ?っていうのを参考にしたの!もちろん、この世界の人々はこのステータスウインドウを出現させることができるわ、でも、開示しない限り他人には見ることはできないから、安心してね♪〉

 「ほうほう、なるほど。てか、ラノベ知ってるんですね・・・」

 とりあえず自分のステータスウインドウを見た。


 【名】カエデ

 【性】女性

 【種族】アンブロシエル(ブラウニーとドライアドのハイブリッド):ハーフリンクとして隠ぺい中

 【職業】眷属精霊:隠ぺい中、料理人

 

 【HP】150

 【MP】20000

 【STR】100

 【VIT】100

 【INT】1500

 【AGI】20

 【LUK】777


 【スキル】

 鑑定 アイテムボックス 精霊魔法 生活魔法 料理(極) 凄腕採取 なんでも生産 毒見(完全耐性) 農業 畜産 隠蔽


 【加護】

 うっかり女神の寵愛(一日一回ごはんを備えるべし)


 「な、なんじゃこりゃー!チートにもほどがあるのでは!??」

 思わず腰をぬかす。テラ様はからから笑って、

 〈大丈夫よ、ちょっと尖ったステータスだけど、あなたよりも強い存在はけっこういるわ。勇者とか戦士とか。〉

 「え、私生き残れます?」

 〈大丈夫、大丈夫。もうすぐ辺境伯の部隊がそこを通るわ。一緒にフォレスト・サジまで連れてってもらいなさい。〉

 少し不安になる私。

 「あの、テラ様、またお会いできますか?」

 そう問いかけると、

 〈もちろんよ、カエデ。領都で住まいを見つけたら、そこに神棚を作りなさい。そこで祈ることでわたくしと会うことができるわ。・・・お願いも大事だけど、あなたがこの世界を楽しんでくれるのが一番なの。どうかそれを忘れないでね。〉

 はい、楽しんできます!・・・あっ誰か近づいてきてる!それじゃあテラ様、いってきます、美味しい改革頑張りますね!!その前に持ち物確認しなきゃ。たしか、アイテムボックスオープンって言えばいいのよね?

 「『アイテムボックスオープン』!」

 さてさて、何が入っているかな?

 「えーっと、調味料に、鍋に、フライパン。ヘラとか菜箸もある!聖域でもらった着替えと謎の種もある。あと、金貨?こういうときは鑑定を使うのがセオリーよね。『鑑定』っと。」


 【1テラ金貨】:日本円でいう10万円


 ・・・大金、これが10枚、100万円!?あ、でも初期金はこれだけだよね、大事に使わなきゃ。と、とりあえず、アイテムボックスにしまう。

 あ、人影が見えてきた。呼んでみようかな?

 「おーい!誰かいませんかー!迷子なんですー、助けてくださいー!!」

 近づいてきた。どうやらテラ様が言っていた、辺境伯の部隊らしい。これから、異世界エディブルリアでの生活が始まる。少し不安だけど、わくわくもある。まずは、街まで行かなくちゃね。

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