第18話 衝撃と発見 in コンビニ
国家魔法使い『レグナス』となって数日。
冒険者として活動を始めた劣呉は、依頼の帰り道に異世界コンビニ『24マート』へ立ち寄っていた。
「ホットドラゴンチキン、一つください。」
「はい、少々お待ちください。」
レジで待っていると、入口のベルが鳴った。
カラン、カラン。
店内へ入ってきた人物を見て、劣呉は思わず目を見開く。
「……あれ?」
見覚えがある制服だった。
胸元には『魔法都市レグナス治安維持隊』の紋章。
「……劣呉?」
「お前……!」
そこに立っていたのは、魔法ゼミナール時代の元同級生だった。
「久しぶりだな。」
「治安維持隊に入ったのか。」
「ああ。卒業してすぐ配属された。」
二人は近くの休憩スペースへ移動した。
卒業後の近況を話していると、元同級生の表情が少し曇る。
「そういえば……先生のこと、聞いたか?」
「先生?」
「保健室のエルフ先生だよ。」
劣呉の表情が変わる。
「あの人がどうした?」
「亡くなった。」
「……え?」
一瞬、時間が止まったようだった。
「死因は……MPRNA異常による細胞暴走。」
「いわゆる癌だ。」
「そんな……。」
劣呉は言葉を失う。
元同級生は静かに続ける。
「解剖の結果、異常細胞から微量の白髪染め成分が検出された。」
「……白髪染め?」
「触れた可能性が高いらしい。」
劣呉の脳裏に、あの日の出来事がよみがえる。
ダンジョン。
嫌悪感。
白髪染めの臭い。
黒く染まったエルフ。
すべてが一本の線でつながった気がした。
「まさか……。」
その瞬間。
店内の魔法テレビから警報音が鳴り響く。
『――速報です。』
店内の全員が画面へ視線を向ける。
『世界各地のダンジョンについて、新たな調査結果が発表されました。』
画面には複数の地図が映し出される。
『各国の調査隊による合同調査の結果、世界中のダンジョン最深部は、一つの巨大空間で繋がっている可能性が極めて高いことが判明しました。』
店内がざわつく。
「繋がってる……?」
『さらに最深部では、これまで確認されていなかった大型魔物が複数確認されています。』
画面には巨大な魔物の影が映る。
劣呉は息をのんだ。
あの日、自分たちを襲った魔物とよく似ていた。
『これを受け、各国政府はすべてのダンジョンへの立ち入りを当面の間、自粛するよう呼びかけています。』
『現在、安全確認が終わるまでダンジョンの一時閉鎖を進めています。』
ニュースは終わった。
しかし、店内は静まり返ったままだった。
劣呉はテレビを見つめながら、小さく呟く。
「……あの日、ダンジョンで何が起きていたんだ。」




