転生前の確認と安らぎ
「…これで、問題ない?」
「はい、大丈夫です。」
「そう・・・分ったわ。ねぇ、他には何かあるかしら?それと本当に狐の獣人じゃなくて狐で良いの?いくらスキルで人化できるようになるとはいえ…」
「ええ、十分すぎるぐらいですし、寧ろここまでしてくれるとは思っていなかったので、それに…狐の獣人の方が楽なのは何となく解るのですが、、狐になりたいってのはあるので…本来はありえない転生が出来るなら、夢を叶えるも楽しいと思いたいんです。暫くは人間関係はお休みしたいってものありますが」
我ながら子供っぽいと笑いながら言うと葛葉は少し、困ったような呆れたようなそんな顔をして仕方無いわねといってくれた。
「…そうね、サポートスキルもあるから、大丈夫だと思うけど」
「今度はちゃんと生きて、天命をまっとうするつもりです」
「…はぁ~、何故かすごく心配だわ…」
どうやら知らぬうちに心労をかけているようで申し訳ないかな。
「すみません」
「謝らなくても平気よ(この時間で情でも湧いたのかしら?それとも…いえ、それよりも転生先とかの話が先ね)それと言い忘れてた事があったわ、ごめんなさいね。貴方の転生先なのだけれど、人里から離れた場所になるのよ」
「いえ、大丈夫ですよ、耳と尻尾が生えているならともかく流石に急に狐が生まれたとなると問題になるのは分かりますので」
「そう言ってくれるとありがたいわ…それに…」
言い終わり紅茶を飲み一息ついて。
「いえ、何でもないわ、まだ少しの間時間があるの…だからちょっとだけ話をしましょう?」
[時間があるなら、…そうですね。話と言っても余り話せる事はありませんが…]
「大丈夫よ、そうね~まずは地球での生活…話せる範囲で良いから聞かせて?」
「分かりました。ちょっと恥ずかしいですが」
そうして少しづつ思い出を語る様に、区切りをつけ、別れの為に少しでも何かが軽くなるように話して行った。
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それからしばらくの間時折聞きたい事や質問はあったが葛葉が聞き上手のおかげか話しにくい事も素直に話した。
「そんな所ですね…色々と恥ずかしかったですが」
「そうなのね、話しにくい事もあったみたいだけど、話してくれてありがとう…嬉しかったわ」
「いえ、素直に話せたので…聞き上手でしたし…」
照れ隠しでお茶を飲む。
「そう?なら良かったわ…途中で狐のお面の話があったでしょ?」
「えぇ、それが何か?」
「それってこんなお面じゃなかった?…」
そういって出した手には見慣れた。いつも見ていた昔買ってもらったぼろい狐のお面でそれをみて、驚きカップを落としてしまった。
「な、なんで…」
「そう…やっぱり貴方だったのね…」
[…一体、何でそれを。貴方が…]
「それを今から説明するわ、でもその前に場所を変えましょうか」
そうだけ言って僕の手に触れて一言何かつぶやいた瞬間眩しい光が起き、また見える様になるころには先ほどの白い空間ではなく、地球の神が居た部屋のように生活感がある部屋に居た。
「いきなりでごめんなさい。ここは私のプライベートの部屋で今は誰も入ってこれないようにしているの…他の神に聞かれて欲しくないから…さぁ、座って、お茶もね…」
ほんの少し、不信感を抱きながらも白を基調としたダイニングチェアに座る。
「私は元々この狐のお面の付喪神だった…それから色々とあってこの世界の稲荷神…豊穣の神になったの」
そう愛おし気にお面を撫でながら話す葛葉。
だが、知識としては付喪神は幾年月もたち、それでも代々大事にされた物につくものとされているはず、そうなると色々と腑に落ちない。
「……すみません。そのお面の付喪神だとしても、かなりの年月がかかると何かで見た事がありますが、その…」
「ええ、その認識で合ってるわ、ただ、その物への想いや執着心が強ければ別なのよ…私は自分の事聞いた時に持ち主に会いたいと思ったの。そうして今回のことで貴方に会って最初はなぜか気になる程度だった…でも気になって少しだけ嘘をついて時間を作って。確認するつもりで話を聞いてお面の話が出た時にもしかしたらって思ったの」
「そうだったんですね…ただこうなる前に会おうとしなかったんですか?」
「残念ながら、仮に出会えたとしてもその人が認識出来ないわ、ちゃんと認識できる状態で合えるってなると、死んだ後…もしくは普段から妖や神といった存在を理解し、見える人だけ…それもかなり少ないの」
そこまで言われて理解した例え会えたとしても認識すらされないか、科学的に証明できない現象などは存在しえないあり得ないとされて終わり、もしくは人間の脳が誤作動したなど、仮に認識出来たとしても気味悪いものとして扱われるのだろう。
「…会ってみてどうでしたか?…」
「そうね…欠けてた物が埋まった様なそんな感じね…」
「………」
僕は何故か怖かった、幻滅されてないかどうか、そんな気持ちを隠すように新しいカップに入ったお茶を流し込んだ。そんな僕を見た葛葉一瞬何かを決めて席たちこちらに近づいてきた。
そうして僕の名前を呼んだ、顔上げて初めて僕はキスをした。
「ーーー私はね、貴方の事が好きよ、」
「え?」
彼女はそういって自分の胸に僕の顔を引き寄せて余りの事に何も出来ずにいた。
「----------」
頭を撫でられながら彼女のいう事をそのままに聴いていた。
「私は自分の意思を持った頃にあったのはこのお面と大事にされた想いだけ、訳も分からずに何処かもわからないところをずっとうろうろと歩いてたわそこでこの世界の創造神アウラ様に拾われたわ。それで色々と教わったのよ…私の事も…そして何時かお面の持ち主と出会えるって、それでね私は出会えたら言いたい事が出来たの」
撫でていた手を止めてぎゅっと抱きしめられた。そして優しい声で囁くように「私を…お面を大事に捨てずにいてくれてありがとう。って言いたかった。今貴方とあってもう一つ言いたいことも…今までよく頑張りました。お疲れ様」その言葉がすっと入り込んで気づいたら涙を流して彼女の胸を借りて子供のようにずっと泣いてしまった僕を彼女は優しくそっと抱きしめてくれて撫で続けてくれた。




