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第70話.狂気

誤字・脱字はご容赦下さい

●70.狂気


二階へ上がった時点で俺達はメイベルとディックさん、あとディックさんの連れて来た手勢の兵士達の30人程だった。

だが兵士達はさっきの白い人に10名程がやられてしまって、今は全員で20人程になってしまっている。

しかもそのうち5人は怪我が思ったより酷かった。

なのでメイベルと俺で彼らに回復魔法をかけた後、その兵士には二階エリアの確保と見張りの役としてひとまずこの階に残ってもらう事にした。


そうして残った俺達15名は二階の中央の部屋を抜けて三階の階段へと向かう。

この広い廊下のような大部屋を真っすぐに抜け、その扉の先には三階へ続く階段があった。

この二階の大部屋には先程の白い人しかいなかったようで、三階へ上る階段付近には一人の見張りがいただけだったようだ。


俺達が扉を開け、階段へ近づくとその兵士はすぐに気が付いて三階へと逃げて行く。

俺達はその逃げた兵士を追いかけるようにして急いで三階への階段を上っていった。


その階段を上がると廊下程の広さの回廊が続いていた。

その回廊の外側にも沢山の部屋らしき区画もあるのだが、その中心に大部屋があるようだった。


「敵だー!!!」

敵の見張りの兵士は逃げながら叫ぶ。


すると回廊の角から三階の階段付近向かってに敵兵が集まって来た。

だがその敵兵は10人もいなかった。


俺は銃を構えると回廊の角から駆けつけて来る敵の兵士に向かって発砲した。


DOW!ボカン  DOW!ボカン

先頭にいた敵の兵士数名が銃撃にて爆砕する。

残りの敵の兵士達は散り散りになって回廊の横部屋へ隠れた。


ディックさんは兵士達に叫ぶ。

「すぐに制圧しろー!」

WAAAAAA――――――!!

すると味方の兵士達はその散り散りになってしまった敵兵に複数で斬りかかって行った。

俺は無言のまま回廊を進む。回廊の突き当りを曲がる。

するとその奥に開いた大きな扉らしきものがあった。

俺が離れたところにいるディックさんに目で合図を送ると彼はコクリと頷いた。

おそらくそこが例の大広間なのだろう。


しばらくすると後方にいた兵士達の剣戟の音や叫び声も収まった。

味方の兵士達が敵を全員倒したようだった。


「行くぞ」


俺は急いで銃の弾を補充すると扉の横の壁に張り付いた。

しばらくして味方の兵士達も次々と集まってきたので、俺は銃を構え、全員が揃ったタイミングでその大広間に突入した。


DOW!! ドガン!!

俺は突入直後、威嚇の為、天井へ向けて銃を一発撃った。


バラバラ・・・・・・・

天板に穴が開き埃や塵が部屋の中央にパラパラと降り注ぐ


部屋の中には三人の人物がいるようだ。


一人の男が領主の席に座っており、その側に黒い甲冑を着た騎士らしき男

もう一人はその領主の椅子らしき物の裏で震えるようにしながら蹲(うずくま)っていた。


俺は三人に銃を向けて大声で叫んだ。

「この城は制圧した!今すぐ武器を捨てて投降しろ!!」


味方の兵士達も武器を構え、取り囲むように部屋の出口の扉を次々と抑えていく。


「ひぃいいいいいいいい・・・・・助けてくれ・・・・」

椅子の裏で震える小男が叫ぶ。


「・・・・・・・・」

俺は無言で三人の様子を窺った。


すると領主の席に座っていた男が俺を凄い形相で睨みながら立ち上がった。

そしてその男はすぐ側にいる黒い甲冑の騎士の背後に隠れた。


「お前がロズワルドか?」

俺はその隠れた男に向かって言った。


「くくく・・・・・・」


するとその前にいる黒い騎士の男が嗤いだした。

その男は紫髪の長身の男で顔は死人のように青白く、その口元だけが血を啜ったかのように真っ赤な色をしている不気味な男だった。

その男はその真っ赤な口元をニヤリと吊り上げて俺に言った。


「・・・・私の後ろにいるのがロズワルド卿、そしてそこ椅子の裏で震えている愚かな豚が、ええと、たしかテスターとかいう名前でしたっけ?ここの領主の息子ですよ。」


「お前は何者だ?」

俺はその不気味な男に尋ねた。


「私はベオウルフといいます。まぁ正確にはロズワルド卿の部下って訳では無いのですがちょっと仕事があってこの城へ来ておりましてね。」


その男はそう言うと

「いやいやいやいや・・・・、貴方、面白いですねぇ。なんか私の心の琴線に触れてきますねぇ・・・・。それで貴方はどちら様ですか?」


「ふん。外道共に名乗る名など無い。」

俺はその不気味な男に言った。


それでもその男は飄々としながら俺に向かって話しかけてきた。

「そうですか・・・。残念ですねぇ・・・。でもその恰好は恐らく噂のラサンの英雄、ケンスケ=マルボルさんでしたっけ?噂どおりの異国風の恰好ですね。カッコ良くて素敵ですよ。」


「・・・・・・」

俺は銃をその黒い甲冑の騎士に向けて睨んだ。


「まぁ、そんなに睨まないで下さい。では、私が今からどうするかロズワルド卿に相談してみますから、ちょっと待ってて下さい。」

そう言うとその甲冑の男はニヤニヤしながら背後のロズワルドへ顔を向けた。


「何を言っているんだベオウルフ! 早くそいつらを殺せ!!」

黒い甲冑の騎士の後ろで俺を睨みながらロズワルドが叫ぶ。


「・・・・・・・・」

するとベオウルフが今度はこちらに振り向いてニヤリと嗤う。


「・・・・すみませんねぇ。説得は無駄でしたよ。どうやら卿は私に守れと言っているみたいです。」

ベオウルフはそう言うと俺達に向かってニヤニヤしながら少し困ったような仕草をする。


「それでお前はどうするんだ?」

俺はとりあえずその男に聞いてみた。


するとベオウルフは言った。

「うーん・・・じゃあ、答える前に一つだけ私の質問に答えて貰っていいですかね?」


「なんだ?」

俺は銃を構えたままベオウルフの話を聞く事にした。


ベオウルフは軽くため息をつくと話を始めた。

「それじゃマルボルさん、この事は知っています? 昨日の事なんですがね、この城から2000の騎兵の一軍が北の砦へと向かいましたよ」


「ああ。知っている。」

俺は目の前の不気味な男に向かってそう答えた。


「なるほど、それはご存じだったんですね。よかった。では、それが今すぐにでもこっちに戻って来たら貴方達はどうするおつもりなんですか?まさか今度は私達を人質にでもして此処で籠城ごっこでもするつもりなんですか?」

ベオウルフはそうなると本当に面倒臭いと思っているような口調でそれを話す。


なので俺は目の前で飄々としているベオウルフに向かって言った。

「ふん。それは問題ない。奴らは俺が途中にある谷で一人残らず全滅させた。」


「!!な・・・!!!!なんだと!!」

ロズワルドはその後ろで驚愕して叫ぶ。


すると何故かベオウルフだけは急に嬉しそうに顔になった。すぐさま俺に向かって

「なんと!!!それは本当ですか!?ああ・・今のは私の心の琴線に触れました。・・ゾクゾクしてきます」


そういうとベオウルフはニコニコを不気味な笑顔をしながら俺達に言った。

「うーん、じゃあ、ちょっと待っていて下さい。貴方達には何もしませんからそこで安心して見てて下さい。ちょっと仕事です。」


ベオウルフはそう言うと背後を振り向く。

その刹那、後にいるロズワルドの胸倉を片手で掴んでグイっと空中に持ち上げた


ロズワルドは咄嗟のベオウルフの行動に驚いて叫ぶ

「!!!! 何をする!!はな・・・」


「ふがっ!!!」

ベオウルフはすぐに空いたもう一つの手でロズワルドの口を塞いだ。


「・・・・はにお・・・はに・・」

ロズワルドはベオウルフに持ち上げられ、ベオウルフの手を剥がそうと空中でジタバタともがく。


ベオウルフは目を蘭々とさせてジタバタと足掻くロズワルドを見詰めながら嗤う

そして真っ赤に裂けた大きな口をニヤリと頬まで吊り上げると、目の前で足掻くロスワルドに向かって言った。


「くくく・・・・。仕事ですよ、ロズワルド卿。卿は一体何を勘違いされているのですか?

全く愚かな男ですねぇ。あなた。

私がここに来た理由はアナタを助ける為だと本当に思っていたのですか?

・・・・いいえ。それは違うんですよぉおおおおお!

私はアナタが計画に失敗した場合、貴方の口を確実に封じる為に私は此処に来たんですよぉおおおおお!!!」


「はに!!!」

ロズワルドはその言葉に目を見開いて驚愕する。


ベオウルフは続けた

「そして貴方の立てた計画は大失敗。しかも貴方自身の立場はもう領主としても終わりですよねぇー。我々は使い物ならない無能なんて全く不要なんですよぉおお!

だからせめて貴方、最後くらいは私の心の琴線に触れられるようにして下さいよおお!! お願いですから私を満足させて下さいねぇぇえぇ!!!!」


「ぶぇえええええ!!!・・・・は・・はすけ・・て・」

ロズワルドはベオウルフの上でジタバタと足掻く。

するとベオウルフはそのままロスワルドの口元を抑えていた手に力を入れた。


「ぐぇえええ・・・・・ぶ・・」

メキッ!バキバキバキ・・・・!!


ロズワルドの唸り声とともにその彼の下顎の骨の砕ける音が部屋に響いた。

するとロズワルドは事切れてその場で失禁し、ベオウルフに持ち上げられたまま全く動かなくなってしまった。


「・・・・・・・・」


ベオウルフはロズワルドが動かなくなったのを見るとロズワルドを放り投げるように両手を離した。


・・・ドサリ


ロスワルドはベオウルフの目の前に仰向けに倒れ、気を失い、口から血を吐きながらピクピクと痙攣している。


ベオウルフはそれを見てつまらなさそうに言った。

「これで貴方はもうお喋りが出来なくなりましたね。でも、たかが下顎の骨を砕いただけなのにすぐに気絶してしまわれるとは・・・・全くアナタは情け無い方ですね。それでは私の心の琴線に全く触れませんよ・・・・。仕方無いですね、はい起きて。」


ドスッ!!

「ぶへぇ!!!!」


そう言うと今度は目の前で気絶しているロズワルドの腹部を踵で思いっきり踏んづけた。

するとロズワルドは口から大量の血を噴水のように吹き上げながら悲鳴を上げる。


吐き出された血液が一面に飛び散り、ロズワルドは充血した目玉が飛び出るほど目を見開いたまま天井をじっと見詰めている。それはただ激痛で唸る事もろくに出来ず、足掻く事も出来ず、ただ恐怖と凄まじい苦痛に顔を引き攣らせているだけの様子だった。


「おお!お早う御座います。ロズワルド卿。そんなに血をまき散らして、汚いですねぇ。

すぐ寝ちゃうから今アナタを踏んづけて内臓を少しだけ潰してあげましたよ。

痛いですかぁ?」

そういってベオウルフはロズワルドの体をさらにぐりぐりと踏みつける。


「くふふ・・・ロズワルドさん、ちなみに貴方はもう助かりませんよぉおお。

絶対に死ぬんですよぉ。

ですからアナタは今から死ぬまでに最高の絶望と苦痛を思う存分に味わって下さいね。

運がよかったら後10分位で死ねるかもしれませんよぉ。くふふふふ・・・・」


「おぶ・・・おぶ・・・・」

ロズワルドは口から大量の血をゴブゴブと吐き出し、目からも血の涙をだらだらと流しながら、死ぬ事も出来ずに震えながら何もない天井をひたすら見詰めている。


「・・・いい顔してますね。ロズワルドさん。その絶望と苦痛に塗れた醜い顔を見るのは最高ですね。アナタのような外道にはぴったりの素晴らしい最後です。

ようやく私の心の琴線に触れられるような気がします。はははは・・・・」

ベオウルフはそう言って惨めなロズワルドの姿をしげしげと見下ろしながらケラケラと笑っている。


「・・た・・た・・助けて・・」

テスターはその惨劇を目の前で見せられて腰を抜かして動けない様子だった。


するとベオウルフは少し離れたところで腰を抜かしているテスターを見て言った。


「・・・おやぁ?そこの豚さんもいい顔をしていますね。うーん、でも心の琴線に触れるにはあともう少し足りないですねぇ。」

そう言ってベオウルフはテスターを見ながら真っ赤な口を開けてニヤリと嗤った。


「ひっ・・・!!」


テスターはベオウルフのその狂喜した眼で見詰められ恐怖のあまりに失禁した。


(ま・・・まじか・・・コイツヤバすぎる・・・・・)


(・・・・・・ガタガタガタガタ)

俺はベオウルフの行動を止めることが出来ず、目の前の惨劇をただ震えながら一部始終見詰める事しか出来なかった。


しばらくするとベオウルフは俺の方を向いた。


「・・・・・・・・」

(ぎゃぁあああああーーーーーーー!!!!!!!!死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!)


俺は完全に血の気が引いてしまった。体中がうすら寒くて震えが止まらない


ベオウルフは言った

「いやいや、お待たせ致しました。私のお仕事は終わりましたよ。待ってて貰って済みませんでしたね。あ・・・・お礼にそこの豚さんは差し上げますよ。用済みです」


「ど・・・どういう事だ?」

俺はベオウルフの言う意味の真相が分からず、尋ねた。


ベオウルフは笑いながら答えた。

「まぁ本当はそこの豚さんに何かこの件について喋らせてみる色々と面白くなるんですけどねー。それにしても全く愚かな豚ですよ、こいつは。

本当はこの計画が上手く行っても行かなくてもどっちにしろコイツは殺される運命だったんですよ。」


「え!? そ・・そ・・・そんな・・・」

テスターは独り言のように小さな声で呟いた。


するとベオウルフはテスターに言った。

「おやぁ豚さん。もしや今頃になってアナタ、気が付いたんですか?

本来のシナリオなら豚さん、私達がここの金山の権利を全部頂いた後、領主殺しの罪を被って貰って死んで頂く事になっていました。

・・・・最高の馬鹿ですよね、あなた。あははは・・・」


「あ・・ああ・・・」

テスターは泣きながらその場でわなわなと震えている。


「うーん、ですが今こうなってしまった以上、この豚さんはこの場ではひとまず生かしておいた方が楽なんですよ。これは今後のお互いの為です。」

そう言うとベオウルフは俺の方を向いた。


「お互いの為?どういう事だ?」

俺はベオウルフに聞いた。


「はい。どっちにしろクーデターの発覚の原因はそいつでしょ?

貴方達もこういう生きた証人がいるとこれ以上事件が大事にならずに調査やなにやら解決するのが早くなるんじゃないですか?まぁいずれにせよそこの豚さんは間違いなく死刑ですけどね。」


「・・・・そして私の方は今、私が殺したロスワルドの事なんかも代わりにこの豚さんが全部罪を被ってくれるんじゃないかなーって思っていますので。」

そう言ってベオウルフはテスターが震えている姿を見て嬉しそうにしている。


「この外道が・・・・・」

俺は呟いた。


それを聞くとベオウルフは笑いながら

「外道ですか? マルボルさん、あはは。まさにその通りです。私はもうすでに人間ですらないのですよ。人間だった頃の記憶なんて今は殆ど残っておりません。」


「え!? 人間だった・・・だと?」

俺はその言葉に耳を疑った。


「はい。人間だった私は12年程前に既に死んでいます。

今となっては当時の記憶は殆ど無くし、こんな体になってしまって痛覚も味覚、感情すらも今は殆どありませんからね・・・。ですから、こんな今となっては、人間だった頃を中々思い出せなくなるのです。なので今のように狂気や猟奇、激しい怒りや恐怖といった人間らしい感情、つまり心の琴線に触れるような感情を得られた時だけが自分はかつて生きた人間だったんだなと思い出せる唯一の瞬間なんです。まぁこれは私が人間だった頃の悲しい未練というか、今の私にとってはそれが慰みに近いたった一つしか無い快楽なんですよ。」


そう言うとベオウルフは甲冑に魔力を込める

キュィィィイイン・・・・

黒い甲冑からには僅かな音が出てその周りにはうっすらと目に見えるような魔力のモヤが鎧の周りに発生していた。


「お前・・それは!?・・・まっ・・魔導鎧か!?」

俺は驚愕してベオウルフに聞いた。


「あっ・・・そう言えば申し遅れましたね。ラサンの英雄、ケンスケ=マルボル殿。私は夜行の五指の一人、「穿狼(せんろう)」のベオウルフと申します。」

ベオウルフはニヤリを真っ赤な口元を頬まで吊り上げると俺達に軽くお辞儀をした。


「夜行だと!?」

(ま・・・まずい・・・。この流れは・・・ヤバい!ヤバすぎる!!)


俺の中で今、危険アラームはMAXになった。

ガチャリと俺は銃の撃鉄を急いで引き上げる。

しかし手汗でぐっしょりと濡れた俺の指先は恐怖と緊張で震えて中々思うように力が入らない。


続けてベオウルフは言った。

「・・・そういえば先日、ウチの出来損ないがお世話になりましたねぇ。

それと今日は本当に有難う御座いました。実は此処へ来てからずっと貴方達の行方を探していたんですよ。偶然とはいえ、わざわざこちらまで来て頂けるとは光栄です。

そしてそこの女の子はおそらくホーストの子供。本当に今日は最高ですねぇ。

そして貴方も本当に私の心の琴線に触れてくれる楽しいお方だ。素晴らしい。

そして私は領主ともども今から貴方達を全て皆殺しにして、そこの豚とホーストの子供を連れて帰ります。それでこの一件は私のお陰で大成功に終わるという訳です。」


ベオウルフは真っ赤な口元を吊り上げてケラケラと嗤う。


(くそっ!! くたばれ!!)

DOW!


俺はベオウルフに向かって発砲した。


BWOOOOO!!!!!

それと同時にベオウルフから凄まじいと嵐のような突風が吹きつけた。

「ぐわっ!!!」


俺はベオウルフの突風によろけた。

俺の銃の弾道はベオウルフの頭から僅かに上方に逸れていた。


「喰らいませんよ。貴方の魔法はさっきそこで見せて貰いました」


そう言うとベオウルフは腰から短い槍の様な武器を取り出した

「くふふふ・・・・くれぐれも私を下にいた雑魚と一緒にはしないで下さいね。」


そう言うとベオウルフはその槍についてある小さな紐のようなものを鎧に繋ぐ。


ガシャン!!


するとその槍の柄は音を立てて人の身長程の長さに伸びる。

そしてその槍の先端は三つに分かれると同時に物凄い速度で回転を始めた。


ギュイイイイイイイン・・・・!!!!


「うおっ!!」(何だと!!!ドリルランスか!?)

俺はその武器に驚く。


しかも超高速で回転するドリルの先には風魔法のような渦が発生している

ベオウルフはそのドリルランスを俺に向けて振りかざした。


BWOOOO!!!

突然ドリルの先から渦巻く気流の衝撃波のようなものが発生して俺の全身を撃ち抜いた


ドカン!!ガタガタ・・・!! 

「ぐあわああああああああ!!!!」


俺はその物凄い気流の衝撃波をまともに喰らい、物凄い勢いで後方へ吹っ飛ぶ。 

俺は後ろにあった壁に物凄い勢いでぶつかった。


「くそ!!」

俺は銃を咄嗟にベオウルフの方へ向ける。

俺の両腕はカミソリで切り刻まれたような傷が無数について血だらけになっていた。


「何だと!?・・・・しかもカマイタチか!?」

俺はひとまず急いで横に転がり左手で石柱を出しその裏へ隠れた。


「くふふふふ・・・・・・・」

ベオウルフは俺の慌てる様子を見て嗤っている。


「ケンスケー!!!」

DOW!! DOW!! 


メイベルもベオウルフに向かって発砲した。


ベオウルフは横へ飛び体勢を整えると

「ふん!!」

BWOOOO!!!

BWOOOO!!!

BWOOOO!!! 


メイベルに向かって三回の突きを繰り出した。

メイベルはその先端から出る気流の弾丸を慌てて躱すと急いで目の前に石柱を出す。


「お二人とも、面白い魔法ですねぇ・・・。じゃあこんなのはどうですか?」

ベオウルフはそう言うと今度は自分の腰、ベルト辺りにある小さな部品を思いっきり引っ張った。


バシィンン!!

するとベオウルフの背中あたりから音を立てて酸素ボンベのような突起物が二つ出て来た。


「!!!」(なんだ!?)


するとその背中の酸素ボンベの様なものから大量の空気のようなモノが物凄い勢いで噴き出し始めた。


・・・・キュィイイイイイイイイイイイーーーーーン!!!!!

GOOOOOWWWWWWWWWW!!!!!!!!


「・・きゃあ!」メイベルは突風に煽られて悲鳴を上げる。


(なんだとぉ!!!!ばかな・・・・。)


嵐のような物凄い風の渦が大広間の中に轟轟と吹き荒れる

それと同時にベオウルフの体はホバリングするようにふわり空中に浮き上がった。



「・・・ジェ・・ジェット機関だとぉ!!!!!!?」

俺は驚愕して叫んだ。





長くなりまして申し訳ございません。読んで頂き誠にありがとうございます。

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