↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/75

第66話.巨槌と大剣

誤字・脱字はご容赦下さい

●66.巨槌と大剣


「縮地!!!」

グレースはロベルトに向かって全力で走る


「ロベルトー!!!!」

グレースは手を伸ばし叫んだ。


ズガーーーーーン!!!


だがそのグレースの悲鳴のような叫びは異形の騎士の一撃がロベルトへ振り下ろされた直後であった。


ぱらぱら・・・・・・

砂埃が散る音が一帯に静かに響いた。


「・・・・あぁ・・くっ・・・」

全力で駆けていたグレースはその場で脱力してへなへなと立ち止った。


ふと前方を見ると視界の先、そこには異形の騎士が巨大な戦槌を振り下ろしたままの状態でじっとグレースを見詰めていた。


グレースは恐る恐るその振り下ろされた巨大な戦槌の先を見る。


「!!!!?」


どういう訳かその戦槌はロベルトの額の数センチ横の地面を殴りつけていた。


「!?・・・・ロ・・・ロベルト・・!?」

それを見たグレースは咄嗟に我に返り、呟いた。


「・・・・・・・」

しばらくするとその異形の騎士は無言のままゆっくりと戦槌を持ち上げ、ロベルトから元から離れていった。


「ロベルトー!!」


それを見たグレースは急いでロベルトの側へ駆けつけた。

グレースはぐったりしたロベルト抱き抱える


「ロベルト殿!!・・ロベルト殿!!!」

必死にロベルトへ声を掛けた。


「・・・・ぐぉ・・・ごふっう・・・」

ロベルトは口から血を吐きながらもなんとか意識を取り戻した。


異形の騎士はその様子を無言のまま静かに見下ろしていた。

グレースがぐったりとしているロベルトを膝の上に抱き抱え、声を掛けていると


「・・・・その御人は私の一撃を咄嗟に横へ飛んで衝撃を防いでいた。今は脳震盪を起こして動けないだけです。」

異形の騎士はグレースに向かってそう言った。


「おまえ・・・・・・」

グレースは目の前にいる異形の騎士を見上げながら呟いた。


「・・・・・・・・・」

異形の騎士はそう言ったままじっとグレース達を見ている。


「・・・・・・・」


グレースは抱きかかえたロベルトの頭を優しく地面に置いた。

そしてすぐに立ち上がると異形の騎士に向かって言った。


「そこの御人。・・・・恩にきる。何故ロベルト殿を助けた?」


「・・・・・・・・・・」

異形の騎士は無言のままグレースの質問に答えなかった。

しばらくして


「・・・・・・・・ご恩をお返ししたまでです。」

そう言ってその異形の騎士は下ろした戦槌をゆっくりと持ち上げた。


「どういう事だ!!!」

グレースはその異形の騎士に尋ねた。


「今、それは言えません。その御人を連れてここから引きなさい。」


「それは出来ない。」

グレースはそう言うと背中のバスターソードの柄を握り込む。

そしてバスターソードを両手に持ち、異形に騎士に向かって剣を構えた。


「・・・・・・・・・・・・」


しばらくすると異形の騎士は無言のままゆっくりと戦槌を振りかぶる様にして構えた。

すると異形の騎士からグレースへ向けて凄まじい殺気がほど走った。


(・・・・・・・!!)

グレースは歯を食いしばり、その殺気を自分の闘気で打ち消す。


「・・・ではいくぞ!!」グレースは叫んだ。


「縮地!!」

グレースはそう叫ぶとその騎士との間合いに一気に飛び込んでその距離を詰めた


同時に異形の騎士は無言のまま巨大な戦槌を振り上げる。


ガキィイイイイン!!!


二人の間にもの凄い金属の激突音が響いた。


ズザザザザザ――――!!!


二人は凄まじい衝撃で互いに後退した。


「くお!!!」

グレースはさらに後方へと砂煙を上げて滑る。彼女は咄嗟に地面に手を突き体勢を整えた。


「・・・・・・・・・!!」

異形の騎士もグレースの斬撃に驚いた様子を見せている。


グレースと異形の騎士は距離を取ってそのまま対峙した。


(強い・・・・・・)剣の柄は握り込んだ手汗でぐっしょりと滲む。


グレースはバスターソードを下段に構えると再び


「縮地!!」


凄まじい速度で飛び出したグレースはまたしても異形の騎士との間合いを一気に詰めた。


ぶうん!!

異形の騎士は上段から巨大な戦槌を一気に振り下ろす。


ドガン!! 

グレースの足元が爆発する。ぶわりと砂煙が舞う。

グレースはその砂煙も一緒に躱すように横へと飛びのいた。

そして身を屈めると


「轟天!!!」グレースは叫ぶ

グレースはそこから一気に下段から凄まじい勢いでバスターソードを騎士の首を目掛けて切り上げた。


バキィィイイイイ!!


その斬撃は異形の騎士の肩当てに当たる。

異形の騎士の肩当ては凄まじい斬撃の勢いで上方へ弾け飛んだ


「!!!」

異形の騎士はそのまま横なぎに戦槌を振った。


ぶぉん!!その戦槌はグレースの目の前を通り過ぎる

グレースは斬り上げた勢いのまま上空高く飛び上がると


「飛円斬!!!」


そこから空中で一回転しながら異形の騎士の兜上段に向かってバスターソードを渾身の力で叩きつけた。


だがその瞬間、

「偏月!!」突然、異形の騎士は叫んだ


バチィイイ!!


異形の騎士はそう叫ぶとその巨槌を空中で弧を描くように振り上げ、グレースの上段からの渾身の斬撃をいなした。弾かれたグレースの斬撃は体とともにその騎士の脇へ流れた。


(なにいいいい!!!)グレースは驚愕する。


(まさか・・・・)

一瞬、何かの記憶がグレースの頭の中をよぎる。

ただそれが何の記憶かは彼女にははっきりと分からなかった。


そして異形の騎士はその瞬間、空中でいなされたグレースに向かって巨大な戦槌の柄を自分の脇に捩じり込むように振りかぶって強烈な突きを放ってきた。


「・・・・!!」

すぐに我に返ったグレースは咄嗟にそれをバスターソードを横手にして防ぐ


ガキィィイイイン!!


グレースはその突きを咄嗟にバスターソードの側面で受け止めた。

だが受け止めたグレースはその凄まじい突きの衝撃に飛ばされて後方へ後退する。


「くっ!!!・・・」グレースは唸る。


すると異形の騎士は

「縮地!!」

そう叫ぶと物凄い速度でグレースに向かって突っ込んできた。そして


「轟天!!!!」そう叫ぶと

そしてその巨大な戦槌をグレースに向かって一気に斬り上げた!!!


「!!!!」(まさか、やはりこの動きは・・・・・!!!)


縮地による凄まじい突進から、敵の視界の遥か下の死角から一気に斬り上げるバスターソードの大技、轟天。

グレースはその凄まじい戦槌の斬り上げを体を捩じる様にして紙一重にして躱した。

異形の騎士の繰り出した凄まじい速度の縮地、しかも彼女の死角から一気に繰り出すその恐ろしいまでの威力の轟天は彼女の目には全く見えていない。

だがグレースはその技を幼い頃から師より学んでいた。そしてその返し技も体に叩き込まれていた。

そしてグレースはその瞬間、そのまま無意識のように体を横回転させて異形の騎士に向かって渾身の突きをくり出していた。


ドガァァァン!!!!


バスターソードの剣先が異形の騎士の胸の甲冑に向け物凄い金属音をたてて撃ち抜いた。


「ぐおおおお!!」

異形の騎士は唸り声を上げ、その衝撃でズザザー!!っと後方へ後退した。


グレースはその瞬間を見逃さず上段から斬り込む。


バチィン!!


異形の騎士の戦槌を横にして鍔迫り合いのような形でその斬撃をかろうじて受け止めた。


グレースは目の前の異形の騎士に向かって震えるような声で呟いた。


「おま・・・・お前は・・・・・・・」



異形の騎士は呟いた。


「・・・・・・大きくなられましたな・・お嬢様・・。」


読んで下さり誠に有難うございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。