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第61話.城下町での戦い

誤字・脱字はご容赦下さい

●61.城下町での戦い


WAAAAAAAA――――――!!


俺達は街門を一気に抜けた。


街門の先は街の中央道となっており、その道幅は広く一直線に城まで続いていた。


夜明けが近く、俺達の視界はうっすらと白じんだ空の明かりで次第にはっきりとしてきた。

その中央道の遥か先にはコリンダークの城らしき屋根が小さく見える。


ディアナ姫を乗せた騎馬、十数騎を先頭とした歩兵の一軍はその中央道を突き進む。

進軍速度はおよそ時速20㎞程で、先頭の騎馬は後続の歩兵が全速力で走る速さに合わせながら騎馬を走らせている。

しかしながらその一軍の流れは一般的な歩兵のそれと比べればかなりのスピードであり、その一軍の兵士達の士気も凄まじく高い。

そしてティアナ姫の周りにはロベルトさん、グレース、ギブソンさんの三人や護衛の騎士達がしっかりと周りを固めていて、その進軍の速度については側近のロベルトさんが上手く調節しているようでもあった。


俺達の馬車は速度を上げ、先頭のティアナ姫達、騎馬の一団を追いかけた。


もう既に一軍の先頭あたりでは、街を巡回していたテスターの兵士達との戦闘が始まっているようで、剣戟の音や兵士達の叫び声が聞こえている。


俺は急いで馬車の荷台から御者席へ移動した。

するとメイベルも急いで俺の後ろを追い、狭い御者席の隙間へ急いで滑り込んできた。


それからしばらく俺達は馬車をそのままの速さで走らせる。

するとすぐ目の前にティアナ姫やロベルトさん達の一団がいた。

そしてその少し先では、ディックさんの指揮する予備兵達が既に戦いを始めており、慌てて道を塞ごうとするテスタ―の兵士達を道の端へと押し返すようにしながら奮戦している。


「援護する。」


俺はメイベルと馬車を引く御者の兵士の人にそう言うと御者席の上に立ち上がった。

・・・・が思った以上に馬車が揺れる。足元がおぼつかない。

するとすぐにメイベルは俺の片足にしがみついて俺が馬車から落ちないように支えてくれた。


「メイベル、有難う。俺は今から屋根に上るよ。」

俺はメイベルにそう言うと彼女はこくりと頷いた。


俺はそのまま貨車の壁を伝って揺れる貨車の屋根へとじたばたしながら何とかよじ登る。

するとメイベルも下から俺に手を伸ばして来たので、俺はその手を掴み、一気に貨車の屋根へと引き上げた。


呼吸が乱れる。

ふぅ、ふぅ・・・・・。


俺は軽く乱れた呼吸を整えると、這いつくばったまま腰の銃を抜き、急いで貨車の屋根から前方の様子を窺った。


先頭を見るとティアナ姫を囲う騎士達の前にはロベルトさんとギブソンさんとグレースの三人がいた。

そしてその前には敵の歩兵の一団がおり、城門への進軍を食い止めようと立ちはだかっている。

すると彼等三人は横一列に並んだかと思うと、その一団へ抜刀して一気に突入していった。


俺は三人の凄さに驚く。


彼らは懸命に剣を振りながら、凄まじい勢いで一軍の進路を切り開いていた。


ロベルトさんは流れるような剣さばきで騎馬の上から次々と敵の首を刎ねていき、ギブソンさんは斧のような武器で敵の兜を次々と叩き割っている。

そしてグレースに至っては騎馬の上にいるにも関わらず片手で巨大バスターソードを軽々と振り回して群がる敵を一気に吹っ飛ばしていた。


(すげえ・・・・)


進軍の速度はまるで落ちる事もなく、後続の騎士達も三人に続くように馬で駆けながらに次々と敵兵を切り捨てながらに進んでいる。


(・・んっ!?・・あれは!?)

俺はその先に目を凝らした。


すると屋根から見下ろす視界の進路の先で

数人の敵兵が騎馬止めの大きな防柵を道の中央へ引きずって来ているのが見えた。


敵は俺達の先頭を走る騎馬の足止めをする魂胆のようだ。

その柵の後方には槍を構えた敵の兵士達がそれに合わせて突撃する構えをとっている。


(ちっ・・・厄介だな)俺は小さく舌打ちしながら


「ティアナ姫! 援護する!! 構わず進め!!」

俺は馬車の揺れる屋根の上でよろけながらも起き上がり、前を進むティアナ姫達に向かって叫んだ。


ティアナ姫は騎馬を走らせながらこちらに僅かに振り向くと、抜き身の剣を真上に振り上げ、その剣を前方にある柵の方へ向け、大きく振りかざす。


「ケンスケ様!前のあれをお願いします!!」


「・・・OK!」俺はこくりと頷き。


俺は片膝を着いて腕を伸ばし、銃を構えた。

銃はコルトパイソン357マグナム。


ガチャ!


撃鉄を引上げ、腕を伸ばし

銃の照門を覗きながら込みながら、その窪みに照星を重ね合わせる。

そして俺はその剣の指す遥か先に見えるその防柵へと狙いをつけた。


DOW!DOW!DOW!

ドガン!ボン!ボン!ガラガラガラ・・・・


ダブルアクションで連射した数発の弾丸は遥か先にあるその防柵とその周りの敵兵もろとも一気に吹き飛ばした。


するとその爆音に合わせて側方の路地から敵の歩兵が道の中央へバラバラと飛びだして来た。

WAAAAAAAA――――――!!


メイベルも腰にある銃を引き抜く。

彼女の銃はスミス&ウェッソンM19=コンバットマグナム。


メイベルはゆっくりと両腕をのばし、その銃口を飛び出して来た敵へと向ける。


DOW! ボガン!

DOW! ボガン!

DOW! ボガン!


その弾丸は次々と敵兵士達を鎧ごと吹き飛ばし、四散爆砕させ、その残骸ごと道の端まで吹き飛ばした。


するとその奥から敵の矢が弧を描きながらに降って来る。

ががっががっ・・・


その矢は貨車の上にいる俺達を狙い、次々と貨車の屋根へ突き刺さった。


「メイベル!奥に弓兵もいるぞ!まずはそいつを狙え。」


俺は隣のメイベルに指示を出す。


「わかった!」

メイベルはそう言うと側方の路地の奥で弓を構える一団に素早く照準を変え銃口を向ける。


DOW! ドカン  DOW! ドカン DOW! ドガン!


メイベルはダブルアクションで撃ち続ける。

すると路地の奥に砂煙が巻き上がり、すぐにその弓兵の一隊は沈黙した。


その後、俺とメイベルは交互に弾丸を入れ替えながらそのまま次々と現れる敵兵士を撃ち続ける。


しばらくすると


だかっだかだだだだかっ・・・・・


今度は次の路地から新たな敵の騎兵の一隊が一斉に飛び出して来た。

その一隊は流れるような弧を描き、道の真ん中へ回り込む。

そしてそのまま正面にいるティアナ姫率いる騎兵の一団と正面から向き合うと、全速力で突っ込んで来た。


(なんだと!?)

俺達は突然の騎兵隊の出現に驚く。進軍が一瞬止まる。


「鉄騎兵だ!!ティアナ姫を守れ!!」

ロベルトさんは大声で叫んだ。


全速力で突っ込んで来る敵の騎馬の一団相手に

先程まで歩兵の速度で進んでいた味方の騎兵隊ではまともに打ち合える筈はない。


不意を突かれたグレースとロベルトさんの二人はティアナ姫の前に立ちはだかって壁を作る。後続に続いていた騎士達も急いでディアナ姫の前に飛び出して正面を固めた。


(まずい・・・)

このままではティアナ姫が接敵してしまう。


敵の騎馬隊は剣を振り上げ全速力で突っ込んで来た。


WAAAAAAAA――――――!!


だかっだかだだだだかっ・・・・・

馬の蹄の音はこちらにどんどん近づいてくる。


(やるしかない・・・)

俺は覚悟を決めた。


「・・・・・・・・・・」


ガチャ・・・

俺は親指で銃の撃鉄を引きあげた。

シングルアクションに切り替え、俺はその後ゆっくりと銃口を敵の中心へ向けて狙いを定めた。

そして俺は銃に普段の数倍の魔力を込める。


キュィィイイン・・・・・

すると魔力を吸収した俺の銃はそんな小さな効果音を上げ、薄っすらと光り始めた。


「・・・・一発で仕留める。」

俺は銃口の先端にある照星を睨みつけて呟く。


そして奥歯を噛みしめ、バチリとその引鉄(トリガー)を一気に引いた。


ZDOOWNN!!!  

ボガシュァァァアアアア!!


両手で握るコルトパイソン357

握り込んだ銃把(グリップ)から物凄い衝撃が全身に走る。


すると敵の先頭の鉄騎兵の数人がけたたましい爆音と共に馬ごと一気に爆砕した。

そしてその衝撃でその周囲を駆ける騎馬は転倒し、兵士達は次々と落馬した。


(ふう・・・間に合った。)

俺はグローブで額の汗を拭った。


「今だ!!斬り込めーーー!!!」

その直後、ロベルトさんは剣を振り上げて一軍に叫んだ。


それに合わせてグレースとギブソンさんは中央を抜かれた騎馬隊の中心に向かって斬り込んでいく。

仲間の兵士達も次々と俺達の馬車を追い抜いてはグレース達の後を追いかけ、城へ向かって突き進んで行った。


俺はその間に急いでベルトのホルダーから弾丸を抜き取りシリンダーの弾丸を入れ替ると、

爆煙の向こうにはうっすら小さく城の城門の門塔らしき建物が見えだした。


だがその間にも城の方から次々と城への道を塞ぐように敵の兵が現れる。


「もうすぐ城門だ。メイベル、いくぞ・・・・!!!」


俺が撃っている間に弾丸を詰め終えていたメイベル。

既に腕を伸ばして前を向いたままこくりと頷いた。


俺はメイベルの横に並ぶように銃口を正面から向かってくる敵の一団へと向けた。


DOW! ドガン!DOW! ドガン!

DOW! DOW! ドカン! ドカン

DOW! ドガン! DOW! ドガン!

DOW!ドカン! ・・・・・・・・


ダブルアクションで俺達二人は一斉に連射する。

敵の兵士の一団は爆弾で消し飛ぶように次々と爆砕していく。


そして爆砕した兵士の残骸と巻き上げられた砂の雨は濛々と立ち込める砂煙の中にバラバラと振り注いだ。

その直後、先程俺達の馬車を追い抜いていった歩兵部隊がその爆煙の中に向かって怒涛の如く突っ込んでいく。


WAAAAAAAA――――――!!


その直後、街を巡回していたテスターの一軍は総崩れとなり、散り散りとなって一斉に逃げ出し始めた。



そして俺達の馬車もその後に続き、次々と敵とその残骸を踏みつぶし、ようやく俺達は敵のいるその一帯を抜けて城門がはっきりと見える場所にまでたどり着いた。


読んで頂き誠に有難う御座います。

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