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第53話.進軍

誤字、脱字はご容赦下さい

●53.進軍


・・・・・・・


やっぱりコレは凄い威力だな・・・・汗

ちと引くわー。

魔力を使っているとはいえ構造ほぼ現代の兵器だもんなぁ・・・。

護衛艦の速射砲ぐらいの威力はありそうだしな・・・・


俺は呆然と目の前の惨状を眺めていた。

ゆっくりと後ろを振り向く。


「・・・・・・・・・・・・・・・」


兵士達は皆、口をあんぐりと開けたまま立ち尽くしていた。

全員固まり、物音一つなく静まり返っている。


「・・・・・・・・・・汗」

とりあえず敵を谷へ追い返すつもりで撃ち返したつもりだったのだが

敵は密集していた事もあり後退も出来ずにそのまま全滅。


うん。わかる。俺だってここまで一方的になるとは予想していなかったのだから。


俺は陣へトボトボと歩いた。みんなに引かれてないか心配だよ。

うーんやりすぎたかな。

若干、やらかしてしまった感すらあるけど・・・・


「・・・・あの・・て・・・敵は?」

陣へたどり着くと俺を出迎えたティアナ姫が俺に言った。


「倒した。敵は全て殲滅した。作戦は終了だ。」

俺はそう答えた。


「・・・・・・・・・俺達、助かったんだな・・・」

兵士の一人が呟く


「や・・・やったぞぉぉぉぉーーーーー!!!!!勝ったんだ!!うおーーーー!!」

WAAAAAA――――――!!

陣の中は大きな歓声に沸いた。

兵士達は両手を上げ、お互いに抱き合ったりしながらその勝利に喜んでいた。


「ケンスケ様ー!!」

ティアナ姫は俺に抱きついた。


ぎゅーーーーーーー!!


(・・・・・汗)


「流石はラサンの英雄殿で御座います。我々、驚きの余り、暫く言葉が出ませんでした」

姫の側ではロベルトさんは俺に敬礼をしながら言った。


「凄まじい大魔法で御座いました!私はこの目でしっかりとケンスケ様のお力を見ました」

ティアナ姫は大喜びのようだった。抱き着いて顔にすりすりしている。

ふわりとした髪からほのかな花の香水の良い匂いがする。

ちなみに俺にはこういう事に対しての耐性は全く無い。


「・・・・」


俺は姫様を引き離すにも行かずそのまま周りを見渡す。

そろそろメイベルやグレースが帰って来る頃かな・・・汗。


しばらくして

兵士の一人が駈け込んできた。

「マルボル様、大変です!!メイベル様が」


「!?」

俺は突然の知らせに心臓が飛び出しそうになる。


「どうした?」

俺は兵士に聞いた。


「戦闘中にメイベル様が倒れられました!」


「え!?なんだって?」

なんで?どういうことだ!?・・・


「あちらです」

兵士は俺を手招きして走り出した。

俺は急いでメイベルの元へ駆けつけた。


メイベルは担架ですぐに陣地へ運ばれてきた。

メイベルはぐったりして目を閉じている。顔色も良くない。

戦いの間に何かあったのか?俺とした事がその原因がよく分からない。

俺は予想していなかった出来事に焦っていた。


「おい、メイベル!! メイベル!! 大丈夫か!! しっかりしてくれ!!」

俺はメイベルを抱き寄せながら声をかけた。

急いで回復魔法をかける。しばらく続けたがメイベルの様子はほとんど変わらなかった。


「メイベル!!メイベル!!」

俺は何度も必死に呼びかけてみた。

俺の魔力はほとんど残っていないクラクラした状態だったが必死に回復魔法をかけながらその名前を呼び続けていた。


何度目かの呼びかけでようやくメイベルは目を開けた。

「・・・・ケンスケ、ふふっ・・ごめんね。 目の前がクラクラして・・・」


「メイベル!」


「・・・これって魔力切れなのかな?」


少し照れたようなメイベルの返事が聞こえた。

ホッ・・・魔力切れか。俺は安堵の息を漏らした。

無事のようだ。よかった。


「無事でよかった。」

俺は声に出しても彼女にそう言った。


メイベルは俺の首に両腕を回し小さな声で言った

「ずっと名前を呼んでくれていたね・・・うふふっ・・。」


メイベルは上目遣いでじっと俺の目を見詰めている。

俺はその綺麗な目を見て一瞬ドキリとした。近くでメイベルの顔を見るのは久しぶりだった。銀色の髪で神秘的な綺麗な顔立ち。そして大きな藍色の綺麗な瞳だ。

なんか今まで子供として見ていたというのに、何故か急に大人びて見えた。

しかも今は彼女と恋人のように見つめ合う妙な雰囲気。

俺の倫理センサーが警報を出した。いかん、これは不味い。


「んんッ?・・・・・あ・・いや、それほどでもないんだけどな。」

俺は恥ずかしくなって姿勢を正し、メイベルに言った。


「・・・ぜーんぶ聞こえていたよ。」


「・・・・」


メイベルはぐったりと寝そべったまま俺を見詰める

その顔は普段のあどけない少女の顔に戻っているような気がする。

一瞬、大人の女性に見えたのは俺の気のせいか。俺はその顔を見て安心した。


「そうか。・・・心配したよ。」

俺は一呼吸ついてメイベルを見てにっこり笑った。


「ごめんね。・・・それと、ケンスケが私の名前を呼んでくれてるのが嬉しくて、しばらく目をつぶったまま声を聞いてたの・・・えへへ。」

メイベルはそう言うと微笑んでそのまま嬉しそうに目を閉じた。


「・・・気が付いていたならすぐに返事をしなさい」

メイベルは可愛いなぁ。でもやっぱりその笑顔は子供だな。

俺はなんだか父親のような気分になる。

さっきのドキッとした戸惑いもあって俺は少し苦笑いをしながら彼女の頭を優しく撫でてあげた。


それからメイベルをそのまま休ませ、俺は近くの兵士に自軍の状況を確認してもらうように言った。


そうしているうちにグレース達の部隊も帰ってきた。


「ケンスケ!!大勝利だな!!」

バスターソードを背中に駆けつけたグレースは大喜びして俺に言った


「ああ、グレース。お疲れ様。まぁ作戦どおりではなかったけど予想以上に上手く行ったようだ。ところで退却した敵兵とかはいたかい?」


「ははは、それなら大丈夫だ。私達は一旦谷に降りてからこちらへ向かったが敵は全滅していた。まぁ二人の魔法が凄すぎて奴らは退却どころではなかったと思うぞ。」


「そうか。助かったよ。それなら次の城の奪還作戦にも移れるだろうな。」


「ああ。こちらに死者や怪我人はないな。だが、メイベルの方は大丈夫なのか?」


「ああ、大丈夫だよ。俺もメイベルも今は魔力切れでね。メイベルは疲れて今休んでるよ。眠れば少しはよくなると思う」


「そうか。じゃあ今から一旦砦へ引き上げるか?」


うーん・・・。俺は少し考えて


「いや。もうすぐ夜になる。俺は無理してでも一気にこのまま夜に紛れてコリンダークへ向かったほうがいいと思うな。翌日にも敵の増援がこちらへ来るかもしれない。今から急いで行けば、もし向こうに気付かれたとしても兵士を出す時間の余裕なんて無いだろうし。」


俺はティアナ姫とロベルトさんを向かって言った。

「今からすぐに進軍する事になるがいいか?」


「はい。問題ありません。」

ロベルトさんは答えた。ティアナ姫も頷いている。


俺は二人に言った。

「じゃあ今から夜の闇に紛れて全軍でコリンダークへ急行しよう。今夜ならば敵も出撃したばかりで街道や城の監視も幾分か緩いと思う。密かに街に潜入するなら今夜がおそらく狙い目だろう。すぐに偵察の先行部隊を出してくれ。街に着いたら先行部隊の数名は街に潜入してみんなの到着を待っててくれ。あとその先行部隊には街の予備兵達の様子も探っておいて欲しいんだ。」


「だったら私が先行部隊で行ったほうがいいな。」

グレースは言った。

「私は城の騎士じゃないからな。私ならば冒険者ギルドの伝手もあるから街への潜入だけなら簡単だ。先に行って街の様子を探る事にしよう」


俺は頷き、ティアナ姫に言った


「それとティアナ姫は捕えられた領主宛への手紙を一筆したためて先行部隊に持たせてほしい。蝋封はしなくていいから。」


「父上に手紙?」


俺はティアナ姫に説明した。

「そうだ。その手紙の有無でティアナ姫の生存が明らかになるからな。場合によってはそれを城外の予備兵に見せる事で城で起こった突然の事態に混乱する街の予備兵達をこちらへ寝返らせる事も出来るかもしれない。」

俺はティアナ姫にそう説明した。


ロベルトさんは二人の騎士を呼んだ。

「ディック!トール!いるか!?」


「「はは」」

二人の騎士がロベルトさんの前に現れた。


ロベルトさんは俺達に言った。

「グレース殿、この二人の騎士は信頼できる。私と同じティアナ姫の側近で腕も立つ。お前達二人はグレース殿と一緒に先行部隊に加わり彼女を補佐してやってくれ」


「「はっ!!了解致しました!」」

二人は俺達の前で敬礼した。


「じゃあ済まないが俺とメイベルはコリンダークへの移動中は兵糧の馬車の中で少し休ませてもらう事にするよ。今は少しでも眠らないとな。実は俺も魔力切れでフラフラなんだよ。街に到着する前にでも起こしてくれ」


俺達は夜に紛れてコリンダークへ進軍することにした。


進軍中、敵に進軍がバレても敵が迎撃に出るとは思えなかったのだが一応用心してグレースとロベルトさんの側近二人には万が一の場合でも逃げられる様に騎馬で先行してもらう事にした。


俺はメイベルと馬車の一台に潜り込み毛布に包まって寝た。

俺は馬車へ潜り込んだとたん緊張の糸が途切れ、すぐに深い眠りに落ちていったのだった。


休載してすみません。モ●ハンラ●ズやっていました・・・・。再開致します。

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