第32話.玉鋼
誤字・脱字はご容赦下さい
●32.玉鋼
今日、俺達二人は街の近くの谷にある小川に来ています。
んで、俺は小川でじゃぶじゃぶやってます。
「今度はこんな所で何してるの?」
メイベルが不思議そうに聞いて来た。
何をするかって?
そう、砂鉄を獲るのさ。
今からやるのは「たたら製鉄」といって昔からあるやつ。
砂鉄を含む岩石を川に晒して比重差を利用して砂鉄多く含む砂を採集する方法。
この小川にも砂鉄はあるだろう。
川底の砂をすくっているのさ。
そうやって集めた砂鉄を多く含む砂。
その後、俺はその砂から効率よく砂鉄を集めるためにさらに俺は磁石も使って選り分ける。
ん?、磁石は拠点で作ったよ。
ケリーとの闘いの後、現世界に帰ったついでにアマ●ンで工業用の電磁石注文し拠点へ持ち込んだ。
電磁石の購入は会社の経費で落ちたしね。
普通の電磁石なら3000円くらいあれば買えるよ。
その電磁石に鉄くずを放り込んだら磁石は簡単に沢山作れた。
それを使って砂鉄を含んだ砂をたくさん磁石にさらして砂鉄をいっぱい集めるのさ。
そうやって集めた砂鉄を高炉で製鉄してインゴットを作りだす。
「玉鋼を作るんだよー。」
「玉鋼ー?」
そそそ。
「こうやって集めた砂鉄はね。製鉄するととっても強靭なんだよ。」
「ふうん。手伝う。」
そう玉鋼はすごく強靭で価値は非常に高い。磁鉄ともいう。
玉鋼は炭素成分が少なく現代でも普通に売っている鋼のニ倍以上の価値がある。
一般に普通に採掘されている鉄鉱石は炭素成分を多く含んでいる。
鍛冶屋がハンマーとかで熱い鉄を錬鉄でカンカン叩く事は加工する以外に叩いて鉄の炭素成分を除去し鉄の強度を上げる為に行っているのだ。
つまり鉄は炭素成分が少ない程強靭になる。
砂鉄でつくられた玉鋼は元々炭素成分が非常に少なく、製鉄し鍛造すると鋼に勝る強靭な鉄になる。
日本刀の名刀のほとんどはこの材質で作られておりこの素材でないと細い片刃の日本刀はすぐに折れてしまうのだ。
つまりこの製法でしか良い刀は作れないので俺は刀が作りたいと思っていた時から砂鉄集めの為に電磁石の準備を始めていた。
浪漫だよね。刀っちゅうのは・・・・・。
「俺は剣も使うだろ?だからね、どうせなら良いの作りたいのさ。」
「私のも作ってくれるのー?」
そう、俺はケリーとの闘いの後、これはメイベルにも護身用として必要だと思っていた。
「ああー。メイベルの分もね。」
そういって一日、メイベルと俺は小川で一緒に砂鉄を集めた。
ふふん。いっぱい獲ったどー♪
・・・・・それから一週間後
「うふふ。」
刀を作った。
カンカン錬鉄して鍛造した。すっごい重労働だったけど、楽しかったし
夢中で作った。
ずばり日本刀、浪漫を求めて鍔無しの仕込刀。これ斬鉄剣みたいだ。
メイベルの分は体に合わせて少し短いやつを作ってあげた。
やはり切れ味は抜群。
そこらの武器屋で売っている鉄剣なんかとは段違いの切れ味だった。それと・・・・
試しにメイベルに試し斬りをしてもらった。
バチッ!!!!
「!!!!きゃぁ!」
「・・・・・・・・・・。」
試し切りの木材がスッパリ切れて切断面から煙が出ている。
「ケンスケ、すごーい!」
その上で、こいつには雷魔法の刻印もつけている。
つまり魔道具。
スタンガンのような役目も果たすようにしている。
みね打ちでも使える上、鍔競り合いになった時にでもとっさに相手に電撃が放てる。
ただ難点としては雨なんか降って、沢山人かいる時に何も考えずに振り回したら自分以外の人達が感電してしまうかもしれんが・・・・・笑
ちょっと危ない武器だった。
まぁ護身用の仕込み刀だしまぁそれでいいだろうね。
丁度その頃・・・・・・
一台の馬車がラサンの持ちに到着した。
小さな町の乗合馬車。街へ移動する数組の客と一緒に同じ馬車に乗る庶民の交通手段の一つ。街と街を移動する交通手段でこの街にもそれはあった。
「おい、爺さん、ここいらでいいかい。」
「ありがとよ。助かったよ。・・・・ふぃ年寄りには長旅は疲れるの。」
そう言うと
「よっこらせっと。」
老人は他の数組のお客と共に小さな乗合馬車からゆっくり降りて、馬車の主人にお金を払った。
街のいたるところからガヤガヤとしたにぎわう人々の声
しばらく老人はすれ違う馬車の音を聞いて街の中央にある教会の屋根を見ていた。
この老人はややみすぼらしい旅の装束
頭からかぶっている帽子の際にはボサボサした白髪が見える。
やや小さい体躯の腰には護身用の古い短剣、旅のズタ袋を背負い、右手には杖を持っていた。
「活気のある町じゃのぉ・・・。」
老人はぼやくと
老人は軽く伸びをした後、トボトボと街の雑踏へ消えて行った。
ちりーん
工房の入口のベルが鳴った。
俺は工房の中でメイベルと作業をしていた。
まぁ作っているのは販売用の鋳造の鉄剣。
どうやらお客さんのようだ
白髪の老人だった。
老人は工房を見回し、帽子を脱いでにっこり笑った後、
「ここにケンスケ=マルボルっていう人がおるって聞いての。」
ゆっくりとした口調で俺達に聞いて来た。
俺は作業をやめ、
「俺だけど、なんの用だ?」
老人に聞いた。
「ふぉふぉ・・・・おぬしを殺しに来た・・・・・。」
(なんだと!)
「・・・・・と言ったらどうする?」
俺は腰から銃を抜いた。
そしてその銃口を老人へ向けた。
「嘘じゃ、若いの・・・・・今の様子を見て安心したわい。」
メイベルもその老人を睨みつけたまま銃口を向けている。
「まぁなんじゃ・・・・。」
老人は背負っていたズタ袋を置き座り込んだ。
そして腰の刀を外し俺の目の前の床に放り投げた。
「どういう事だ?」
「さっきのはただの冷やかしじゃ。
おぬし手が空いたらちと付き合ってくれんか。悪いようにはせん。」
「ああ。」
しばらく工房を眺めていた老人は立ち上がり、杖を持って工房を出た後、俺を手招きしている。
俺とメイベルは急いで装備を整え老人について行った。
倉庫を出てしばらく歩く。人込みも無い所まで来ると老人は振り返り、
俺に杖を向けた。
「遠慮はいらんぞ。若いの。思いっきり来るがええわ。」
「やっぱりやる気か?」
「まぁ・・・・のお。」
俺は仕方なく老人に銃口を向けた。
ガチャ
「!?」
「!!!!!!!・・・・・・・ぐふぁ!」
その瞬間、一瞬視界から消えたと思った老人に俺は気絶させられてしまった。
読んで下さり誠に有難う御座います。




