第31話.開業
誤字・脱字はご容赦下さい
●31.開業
開業して数週間が経っていた。
「ケンスケー。」
今日もメイベルと工房にいる。
俺は作図机に座ってとあるものの設計図を作図していた。
「今度は何作っているの?」
メイベルはこの街で鍛冶屋の準備をしている時から俺の所に毎日に遊びに来た。
今ではここに住んでいてもうすっかり俺になついてしまっている。
メイベルはここ二ヶ月ほど食生活も良くなったせいで
痩せていたも体つきもすっかり普通になり健康的になった。
最初はボサボサだった髪も今は短く切って綺麗な銀髪のショートカットの女の子になっていた。
メイベルの本名はメイベル=ホーストといった。
ホーストという名前については先祖が移民という事だけでよく分からないと言っていた。
彼女は小さい頃から本をよく読んでいたとの事で文字もすらすら読めた。
その上、魔法の適性もあった。
興味本位で俺の作った魔法教本(PCファイルでダウンロードしたのを手書きで写した)を見せた。
すると彼女はなんと全ての属性の魔法が使えた。
でも本人は自分に魔法の適性がある事など全く知らなかったみたいで驚いていた。
「今度作るのは手押しポンプだよー。」
俺は鍛冶屋を開業した後色々な物を作った。
メイベルが全属性の魔法が使えると分かったので俺が使っている銃と同じ装備を彼女に作ってあげた。
ちなみに彼女のカウボーイ姿はとっても可愛らしかったわ。
もちろん街で鍛冶の仕事しながらだけどね。
馬車の部品とか馬の蹄鉄の依頼とか。
ちょこちょこ依頼が来るから。
そういえばこの間、冷蔵庫も作った。
上下二段の箱構造、木箱の内側をニ重の鉄板で囲い、上段の箱に氷入れる簡単なヤツだ。
そこには氷魔法の刻印もつけている。
あと水がこぼれないような受け皿もつけた。簡単だしね。
それでメイベルに冷蔵庫で冷やしたジュースを飲ませてあげたらビックリしていたな。
もうすぐ夏になるからね。こういったものが欲しい。
冷たいエールなんかは仕事上がりには最高だ。
今後はここで生活するのだから、生活水準の向上はしたい。
「・・・・手押しポンプ?」
そそそ。
「井戸から水を汲み上げる器械だね。」
この世界は地球でいったところ文明は中世ぐらい?
こういったものはたぶん無いんだろう。
街には無かった。
作っても売らないけどね。売れまくって仕事増えるのやだし。
試しにここの外の井戸に付けるだけ。
でも上手くいったらエミリアさんにもプレゼントしよう。世話になったから。
まぁ他にも仕事があるのよ、サラリーマンは。
これが出来ればお風呂が作れる。
この世界のほとんどに人は汲んだ水かお湯で体を拭くだけ。
街にはサウナもあるにはあるけど湯舟での入浴は水をたくさん汲まねばいけないから一般的ではないようだった。
俺日本人だし、それがちょっと嫌だったのねー。
洗濯とか炊事も大変だし。
ここに住んでみて一番大変だったのが水だった。
現代世界がなんて便利な世界だったのかと思ったよ。
「まぁ出来上がったらお風呂だって毎日入れるかもね、水がいっぱい使えるよ。」
「すごーい!おっふろー。」
俺は作図している手を止めてメイベルを見ると彼女はとても嬉しそうだった。
「・・・・・・・」
そんなメイベルを見ていて俺はほっこりしていた。
んで早速、手押しポンプを作った。
早速家の横にある井戸につけた。
お隣さんも興味深々で家族総出で見に来ている。
キコキコ・・・・
じゃばーーーーー
「!!!!!」
おおう!お隣さん、ビックリしている。
その後、鋳造でもう一式作ってエミリアさんの教会にも寄付した。
結果、街中で凄まじい反響となってしまった。
その後、街の鍛冶師組合長から突然呼び出された。
理由を聞いたら、街中の鍛冶屋で手押しポンプの問い合わせが殺到しているとの事。
俺は仕事増やしたくないので渋い顔をしていたら、さらにとんでもない事になってしまった。
設計図を領主と鍛冶師組合が高額で買い取り、さらに今後数年間、販売数につきいくらかの売上の一部を俺に払うとか言い出した。
その話に俺は設計図をソッコーで売っ払った。
鍛冶師会長は設計図をみて仰天していたけど・・・・まぁいいか。
俺もこの世界のインフラ向上には賛成
さらに何もせずともお金も貰えると来た。
おおう!知識チート、特許万歳。
ここに来て三ヶ月。俺はしばらくお金の苦労は無くなってしまった。
でもちょっとは働こう。メイベルの教育にも悪いから。
んじゃ・・・・・という事で
さて次はお風呂の作成だ。
設計技師の腕が唸るぜ、わはは。
とにかくお風呂は水汲みはとても大変になるので
疲れて水魔法を使いたくない時にでも外の井戸から直接水が引けるように
ポンプから浴槽へ水の渡りも木材で作った。
浴槽は鉄。底には戸板。
井戸の一番近くの部屋を浴場にリフォーム
見た目は五右衛門風呂の長広いバージョンみたいになった。
水の加熱は薪や石炭になるけどきちんとお風呂から加熱用のパイプを出してパイプ内の水を温めるタイプにしている。
水もきちんと使用後に抜けるように浴室と浴槽にもきちんと排水溝も付けた。
メイベルはとっても喜んでいた。
エミリアさんも誘ってあげた。
やっぱり鍛冶でたくさん汗をかいた後は入浴に限るね。
俺もメイベルやエミリアさんの後に自分も早速入ってみた。
お風呂上りに冷えたエール。
・・・・・極楽やわー♪。
やっぱしこれがないと、労働者は生きていけないわー♪
俺達二人、街の鍛冶屋で素敵なスローライフ始めだした今日この頃だった。
読んで頂き有難うございます。




