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第30話.引っ越し

誤字・脱字はご容赦下さい


●30.引っ越し


じゅー。


「あつつ・・・・」


今、俺は拠点(ホースト)の工房で作業をしていた。


ケリーとの闘いが終わりあれから二週間が経っている。

戦いが終わった後、俺は拠点へ戻っていた。

拠点に帰ったのは会社にP3~4の業務報告をするためだ。


会社に今回の一件を月締めのレポートにして提出した。

拠点へ戻った直後は非常に疲れていたのでその土日は現世界にも帰った。


月曜日には社長からよく頑張っているとメールで返信が来た。

取り急ぎ、俺、最初の仕事はこなせているようだ。

あと、会社から俺への当面の業務目標はあの街の情報収集以外の指示は無く、自由だった。


ふむふむ。

鋳型からとった薬莢(たま)を冷まし終わり、指でつまんでしげしげ出来上がりを見た後


「・・・・・・・」


「んー、これからどーすっかなぁ・・・・・。」


ケリーはとにかく強かった。

正直、俺がケリーに勝てたのはまぐれだと思っている。

街のみんなは俺の事を凄腕の魔法使いだと勘違いして何かと大きく騒いでいるが

俺からしてみるとそんなことはない。

あの勝利は苦し紛れの俺が突き出した剣にたまたまケリーが刺さっただけ。

本当にただのラッキーパンチのようなものだった。


そういえばあの時、ケリーの言ってた「ホースト」という言葉はどういう意味だったのだろう。


ここの拠点?


そのあと社長にホーストの事をと聞くと、拠点のあるこの場所の名前でしか分からないと言っていた。


ふと、そんな事を考えていると

銀髪の少女が気になった。

まぁケリーに狙われていたようだし、他に狙っている敵がいるかもしれない。


そういえばあの後に街に行った時、少女はメイベルという名前だと聞いた。

あと、エミリアさんが言うには銀の髪の人はこの国にはいないらしい。

初めて見たと言っていた。


社長にここの世界に銀髪の担当者はいたのか聞いてみたら150年以上くらい前にそれはいたと答えてくれた。もしかしたらメイベルはその担当者の子孫かもと。

しかし、その子が会社に関係しているかは全く分からないとも言われた。


あれから拠点にメイベルを連れてくる事についても考えてみた。


それで電話で吉村さんに相談してみたら、あまりいい反応ではなかった。ちなみにロリコン扱いされた(違うんだ、ちくしょう・・・・・。)

まぁメイベルは社外の人だしなあ。


確かにこの部屋に連れて来て何か起きても俺は会社に責任持てんし、そもそも俺は仕事している訳で何かあって会社に人を残したまま帰るわけにもいかないしな。

仕方無いか。

心配なら向こうの街に行けば・・・・。


そうだなぁ・・・・うーん。


結局、ラサンの街に住むことにした。(まぁ月曜日から金曜日までね。)

ラサンに行こう。


よーし。スローライフだ!あと酒場もあるし・・・・



翌日、久しぶりに街に行くと街にはいつものガヤガヤした活気があった。

役場にいってさっそく不動産屋を紹介してもらった。

不動産屋で安い物件を色々聞いてみたら、それだったらケリーのアジトであった西出口近くの倉庫、事務所は取り壊す予定だったのでそこでいいなら譲ると言ってくれた。

役場のほうも掛け合ってくれたし。

役場の人か言うには何しろ俺が街にいれば何かと困った時は助かるそうで、そこの家賃の方は格安にしてくれた。


一階の倉庫のスペース。

倉庫内の端の階段を上ると何個か部屋があるし、倉庫の裏には事務所だったスペース、

二階建ての家で倉庫と連なっている。


倉庫の方にはところどころに俺が銃をぶっ放して開けた大穴がいっぱいあるけど・・・。


いいね。広いねー。安いねー♪



俺はここの街で鍛冶屋をやることにした。


街に行けば鉄や焼結鉱やペレット、コークスなんかは向こうでいっぱい買えるし、そこで工房つくるのはある意味名案だ。

材料があれば鋼なんかも鍛造して量産して作れるし。


え!? 冒険者!?

やだよー。俺サラリーマンだし、死んだら反省文だし。


まぁ今、お金は少しばかりはあるのだよ。



そういやエミリアさんやメイベルに俺がこの街に住む事を伝えたら

とても喜んでくれたな。あと酒場のマスターも。


ただ三人とも俺の本職は魔法使いだと思っていたらしく、俺が冒険者として生業をたてると思っていたようで。

俺が此処で鍛冶屋を始める事や以前に鍛冶師(設計技師)だったと言うと非常に驚いてた。

メイベルはそこで住み込みで働きたいって言ってくれた。


と、まぁそんな事もあって、役場にお願いして鉱山組合の人を紹介してもらって、鉱石の購入の件も伝手を作った。

ついでに街の馬屋さんで馬も一匹買った。


その後、作図机、高炉は自分で作図して作った。高炉は特にこだわって設計したよ。


それに工具、資材も現地で調達した。

拠点から持ってくるのは大変だから却下。

拠点で作業出来なくなるからね。


後は家具だけど、ここは元々がアジトだったのでそのまま使えそうな家具はある程度置いてあった。ベッドもテーブルもなかなか良いのが家の中にそのままあった。

会社にはラサンの街に新しく生活拠点を作った事も報告した。

大変だったけど、それから三週間後、俺の鍛冶工房はようやく完成したのだった。


看板には「鍛冶工房 マルボル」


あの商紋も付いてる。



うーん。なんか現代世界のタバコ屋さんに見えるのは俺だけか?



読んで頂き有難う御座います

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