第23話.タグの紋章
誤字・脱字にはご容赦下さい
●23.タグの紋章
翌日の事
お昼前、俺は泊まっていた宿を出てウィルソンさんの滞在している商館へ向かった。
「??」
歩いているとすれ違う沢山の人達が俺をやたらとジロジロと見てくる。
その視線がなんかやたらと気になった。
俺がその視線に向けて顔を向けると、みんなサッと顔を反らした。
「・・・・・・汗。」
(昨日は俺やりすぎた・・・てか、またやらかした・・のか!?)
俺はぶつぶつ呟きながら歩いていると
やがてウィルソンさんのいる商会の前にたどり着いた。
「おおっ!ケンスケじゃないか!」
ウィルソンさんはにっこり笑って部屋に通してくれた。
「昨日の事は聞いたよ。今、街中その噂で持ち切りだよ。酒場で賞金首をぶっ飛ばしたんだってねぇ。」
「・・・・・・汗。」
ウィルソンさんは楽しそうに昨日の酒場の出来事を聞いてきた。
昨日の酒場の夜はその話題で持ち切りだったそうな・・・・・・
俺はバツが悪そうに一通り昨日の出来事について話した。
「・・・はっはっは。まさか君がロードキル=ケリーの事を知らなかったとは意外だったよ。んで今日、ここに来た理由はなんだい?」
ウィルソンさんは笑いながら俺が来た理由を聞いて来た。
「実はコレなんですが・・・」
俺はポケットの中から昨日エミリアさんにもらった小さなタグを渡した。
「これは?」
ウィルソンさんは首をかしげた。
「このタグの紋章について何かわかりませんか?」
「・・・・・うーん、わからないなぁ。どこかの貴族の家紋か商会の商紋のようですね。商会だけでもここの街にはたくさん色々な商会が来るからねぇ。うーむ・・・・。」
「そうですか・・・・」
俺が残念そうにしていると
「あっ・・・そうか。ちょっと待ってて下さい。」
ウィルソンさんは部屋を出て一冊の分厚い本を持って戻ってきた。
そしてその本をテーブルの上に開いた。
「これはね、商会ギルドが数年に一回発売しててね。けっこう前のヤツだけど私も持ってるんだよ。商会ギルドに登録してある商会名と商紋、所在地なんかが一覧出来るんだよ。」
おおお! 職業別電話帳みたいなもんか!
「・・・・・あった。これじゃないかな?」
そういって開いたページを俺に見せながら続けた。
「んーとなになに・・・・アルフレッド商会。・・・・・奴隷商、宝石商か。
所籍都市は・・・・だいぶ遠いな。中央の王都近くのサラトガって街だね。」
そう言ってタグを返してもらったあと、色々と話をした。
俺が帰ろうとすると
ウィルソンさんは帰り際に言った。
「ケンスケ、応援してるぞ。俺はあんたの方になけなしの金貨1枚も賭けたんだからね。」
「えっ!!」
「あのロードキル=ケリーとやるんでしょ? 酒場じゃ凄い勢いでもう賭けが始まっているよ。」
なんという事だ!!(あうぅぅぅ~~~~~!!汗)
その後、俺は重い足取りで教会に向かった。昨日の少女の事が気になったからだ。
エミリアさんに会って様子を聞いてみると、少女はまだ眠っているとの事だった。
仕方ないので酒場へ行った。
「よお! マルボルの旦那。」
酒場に入ると
酒を飲んでいる見ず知らずのイカツイ人から笑顔で声を掛けられた。
「よお! マルボル!」
「よお! マルボル!」
「マルボルぅ!」
「?」
俺はマルボルの意味が分からないままカウンターの席に座るとマスターがにっこり笑ってやってきた。
銀貨5枚を出し、テーブルに置いたら
すぐに小さなグラスに入ったウイスキーが出た。
キョロキョロしながら
「・・・・マルボルって俺の事か?」
俺はびっくりしながらまずそれを聞いた。
「お前の名前なんだろ。昨日、お前の自作の魔道具に家紋入りで名前も書いてあった。」
「見ろよ。」
マスターは親指で酒場の壁を指した。
「賞金首:ロードキル=ケリー 対 早撃ちの魔法使い:ケンスケ=マルボル」
「!!!!!!」
「・・・・・・・・・・・汗」
・・・・・・・・・・・俺の倍率は30倍だった。
有難う御座います




